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愛蘭土の林檎の木の下で

granna.exblog.jp

My dear brother

今日は食べ物のことではなく、West Corkに住む兄のことをちょっと書きたいと思います。
今までにも何度となく登場していますが、三人兄妹の夫の一番上の兄です。
本来は『兄』ではなく『義兄』と書くべきところなのですが、なんとなく『義』をつけるのがそぐわないと思うほど、親しく感じています。
職業は造園デザイナー。20年ほど前まではロンドン郊外で名前を聞くと驚くほどの有名人の庭をいくつも手がけるほど、仕事にも恵まれていたそうです。
でもアイルランドに住むと決め、25年前に購入していた、今も住んでいるファームの小さなコテージを改装し、移り住んだのが約15年前。
以来、未だに改装を続けているので、訪れるたびに家や庭のどこかが前と変わっています。

私が初めて兄の家を訪れたのは結婚の少し前。
当時はまだ、買ったばかりで手つかずの状態だったので、トイレにさえ外へ出てぐるっと反対側のドアへ
まわらなければならないほど不便だったのですが、
今は面積も倍ぐらいに拡張された素敵なコテージです。
その作業をほとんど自分でやってしまったのが兄。
仕事の合間に、楽しみながら、ゆっくり時間をかけて、
まさに理想的な生活かもしれません。

仕事で英国へまとまった期間行くこともありますが、
今はWest Cork のBantryの近くにすっかり根を下して、狭い田舎のコミュニティの中でもうまくやっています。
兄をひと言で言い表すと、暖かい太陽のような人。
いつもやさしい微笑みをたたえていて、よく笑う。
彼が笑い出すと、ついついつられて笑ってしまいます。
料理の腕はすごいし、人付き合いも上手なので、彼のお客様のもてなしぶりは、いつも感心することばかり。

以前にも兄の家にある可愛い雑貨を紹介しましたが、
家や庭だけでなく、インテリアや生活スタイルのすべてに彼の感性が生かされています。

先日の滞在中、まだ体調がすぐれなかったので、キッチンで兄が料理するのをずっと見ていました。
そして、料理中の身のこなしの優雅さにほれぼれしました。ひとつひとつの作業がていねいできれいだし、無駄のない動きが見ていても心地よい。
お客様が来られるような忙しい時でも、慌てず騒がず、
どこかゆったりとしていて、まわりの人を落ち着かない気持ちにさせることがありません。
確かな味覚と経験がそうさせているのか、はたまたこれは天性のものなのか。

自分で自分が料理するのを客観的に見たことはありませんが、私はもっとがさがさしていると思います。
料理中もよく物を落としたり、ひっくり返したりするし、急いだらテンパってしまうし・・・

My dear brother_e0149801_115575.jpg新年に滞在中に兄が作ってくれた料理をのせておきますね。
オーソドックスな鴨のロースト。
ローストポテトと、クリームで合えたセロリアック、芽キャベツの付け合わせ。
しっとりと焼けた鴨肉が絶品でした。
私もあまりのおいしさに、前日までほとんど食べてなかったと思えないほど、しっかりいただきました。

特においしかったのが、海老と卵のタイカレー。
スパイスの使い方がとても上手なのですが、これほど香り豊かなタイカレーは、なかなかありません。
それもタイカレーペーストなどは使わず、フレッシュなスパイスとハーブを絶妙のバランスで使って、お見事。

最近になって、兄もやっとパソコンをさわれるようになり、メールのやり取りもできるようになったので、料理のこともいろいろと詳しく教えてもらえそうで楽しみです。

My dear brother_e0149801_1145151.jpg

by happytable-eire | 2011-01-13 23:59 | Life in Ireland