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愛蘭土の林檎の木の下で

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いちじくの村

滞在しているVézénobresはいちじくで有名な村です。
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来月の終わりに開催される村のお祭りもいちじく祭り。
村に中にはそれぞれの家の庭だけでなく、道端やそこいらじゅうに
いちじくの木が生えていて実をつけています。
また村の中にいちじくの種を保存することを目的にした畑があり、
この地方に伝わるさまざまな種のいちじくが植えられています。
村の中を歩きながらでも、勝手に生えて育った木から実をつまんでも
たくさん食べられるのですが、今日は畑に連れて行ってもらいました。
村の人なら自由に穫って食べていいそうです。
私は小さい頃からいちじくが大好きで、今でも特別に好きな果物。
昔から田舎の祖母や親戚の家の庭に木があり、木から穫っては食べ、
食べ過ぎて気持ち悪くなるほど食べたものです。
その頃のことを思い出しながら、今日もたくさん食べました。

ここのいちじくは実の小さいものがほとんどで、色は赤だけでなく、
きれいな黄緑色やベージュのようなのもあります。
いちじくというより、英語の「fig」フランス語の「figue」のイメージ。
赤でも黒に近いほど深い色のから、明るい赤まであるし、
実も柔らかいのやかちっとしているのに中は熟しているの、
味も凝縮したように甘いのから、酸味が強いもの、さっぱりした
甘さのものなどさまざま。
残念ながらそれぞれの種の名前がわかりませんが、それぞれに
お菓子に良さそうとか、ジャムにいいとか、和食にもいけるなとか、
いろいろとイメージがふくらみました。

まわりに何もないので日当りも風通しもいいのですが、良すぎて
土が乾き過ぎているのではないかと気になります。
いつものことなのか、今年の天気でそうなのかはわかりませんが、
木についたままの実が乾いてドライになっているのもあります。
特に手入れされている様子もないそうですが、何十本もの木が
たくさんの実を付けています。
いちじくの生命力の強さはすごいものですね。

穫れたいちじくでRoast Fig and Honey Tartを作ってみました。
焼いても味がしっかりしてそうな、しっかりしたいちじくを選び、
空焼きしたパイクラストにのせて、はちみつ少々と溶かしバターと
マルサラ酒を合わせたのをグレーズにして焼き上げました。
レシピ通り、コアントローがあればもっとオレンジの香りでもっと
いちじくの香りがひきたったでしょうね。

これは私が好きなTamasin Day-Lewisの「The Art of The Tart」の
レシピ本の裏表紙の写真にもなっていて、ずっと憧れていました。
日本の大きくて柔らかいいちじくではどうしても作れなかったパイ。
今日はスーパーで見つけたオーガニックのパイシートを使いましたが、
さくっと焼き上がったパイに焼いてさらに味が凝縮したいちじくが最高。
長年の想いが果たせました。

いちじくの村_e0149801_1938849.jpg

by happytable-eire | 2009-09-14 23:55 | Travel