愛蘭土の林檎の木の下で

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ひよこ豆と平茸のご飯

先日、Marks& Spencerで新商品のキノコのパックを見つけました。
ラベルにはMixed Oyster Mushroomとあり、3種類がセットに
なっています。
Oyster Mushroomの和名は平茸。
じょうごのような形の薄いかさの部分と、薄いひだのある柄が特徴。
椎茸やボタンマッシュルームのような強い旨味もありませんが、
味も香りも特に癖がなく上品なので、使いやすいキノコです。
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大した量も入っていないのに2.99ユーロは安くはありません。
その時は買わずに帰ったのですが、翌日行くと、値下げで
0.90ユーロ!お試しするのにちょうどいいので、即買い。

さて何にしようかと考えたあげく、シンプルに炊き込みごはんに
決めたものの、本当なら加えたい栗がない。
そこでふと、ひよこ豆があることに気づきました。
わが家では週に最低1回は、豆を戻して水煮します。
お肉や野菜と煮込んだり、パスタに加えたり、サラダにしたりと、
使い道はさまざま。
たまたまその日はひよこ豆がゆであがっていたのですが、
ひよこ豆のほっくりした感じは、栗にも似てるのでいいかも、
と思ったので、加えてみました。

ひよこ豆と手で小さく裂いた平茸を加え、昆布だしと酒、塩と
醤油を少々で炊きました。
ひよこ豆の甘みとほっくり感がご飯と合い、平茸の食感もよく、
あっさり上品な炊き込みご飯ができました。
セットに入っていた赤い色のは、見たこともなかったし、
色が出ると嫌だったので、これだけははずしましたが。

最近は、アジア系のお店に行けば、エノキ茸、しめじ、エリンギ
なども買えるようになりましたが、平茸が近くのスーパーで
買えるのはうれしい限り。
椎茸だけは、スーパーでも普通に買えるようになってきましたが、
日本のと比べると、あの椎茸独特の香りがほとんどありません。
あまり贅沢は言えませんが、しめじやエリンギが普通のお店で
買えるようになったらうれしいんですけれどね。

ひよこ豆も最近は日本でもかなり普及してきましたが、
和食に使うのはまだまだという気がします。
中東やインドの料理には欠かせない豆なので、エスニックな
イメージが強いですが、前に和風の甘煮にしたのもおいしかったですし、
もっといろいろ使えそう。
色々やってみて、また報告しますね。
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by happytable-eire | 2013-11-30 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

和食ワークショップ、始まりました

先日お知らせした、在愛日本人向けの和食ワークショップは
2回を終え、今月は残るはあと1回。

実はレシピがないということで楽かと思いきや、日が近づいてくると、
けっこう落ち着かなくなってきました。
これまで長年やってきて、レシピを準備しないのは初めてのこと。
前夜遅くまで試作を重ねて、ギリギリにレシピを書き直したことや、
食材が準備できなかったり、組み合わせがうまくいかなくて、
急にメニューを変えたりなんてことも、これまでよくありました。

でもレシピがあれば、当日はそれに沿って進めればいいし、
とにかくレシピに立ち返ればいいのです。
ところがそれがないというのは、まさに私の料理そのものを
問われるのだということに気づきました。
私の中にある知識や技術をすべて出さないといけないので、
一回一回が真剣勝負です。
それがうまくいったかどうかの答えは、参加してくださった方の
中にあると思うのですが、とりあえずはいい感触です。

急に冷え込んできたので、冬らしく「根菜を食べる」をテーマに、
メインは煮物。
こちらではとてもポピュラーで安いお野菜、ターナップ(Turnip またはSwede)と
豚バラ肉の昆布煮。
バラ肉の角切りとターナップを、昆布をたっぷり入れて煮ます。
シンプルですが、ターナップの甘さがほっこりする味。
ターナップからたっぷり甘みが出るので、味付けは塩と少しの醤油のみ。
昆布は水出しを取ったあとの細切りにした物なので、柔らかく煮えます。
だしももちろん昆布のみ。
昆布で煮ると、素材そのものの味がより生きます。

元は大根で作っていた料理ですが、ここではおいしい大根がなかなかなく、
買える店も限られています。
またせっかく料理しても、大根によっては、柔らかくならないことも
よくあること。
わざわざ遠い店まで行って高い大根を買い、結果がこれではがっかり。
それで、いつでもどこでも買えて、驚くほど安いターナップを
使うようになりました。
大根とは味も食感も違いますが、煮るとほくほくして、
和の味もしっくりとなじみます。
生姜を少し加えたり、唐辛子もいいですね。

もう一つの根菜はビーツ(Beetroot)。
葉っぱのおいしさも知って欲しかったので、葉っぱつきがあってよかった。
ビーツの葉っぱのことは前にも書いてますので、こちらを。
ビーツ1束で3種類のおかずを作りました。
きんぴら、サラダ、葉っぱの胡麻和えです。

きんぴらは前にも紹介しましたがこれが、意外なおいしさ。
サラダは洋にも和にも合うし、バリエーションもつけられます。

そしてお味噌汁は若布とネギでシンプルに。
根菜は陽性なので、献立に陰性のものも入れてバランスを取ります。

そして簡単なお漬け物。
お出ししたぬか漬けのことは、また書きますが、これは絶品です。
というわけで一汁四菜のお昼ご飯ができました。

ターナップとビーツ。
アイルランドではごく定番の野菜なのですが、両方とも日本人には
なじみが少ないもの。
知ってはいても、買ったことがないとか、ほとんど無視していた、
などと皆さん、おっしゃっていました。
私はどんな食材でも、初めてのものを見るととにかく試してみるのですが、
知らないものは買わない、という方が思いのほか多いようです。
また、こちらへ来てから食べたことはあっても、その印象が悪かったりすると、
それでもう手を出すことはないということも。
でも調理法を変えると、全く違う味になるということはよくあります。

私にとってはビーツがいい例。
夫が好きなので、これまでいろいろと試してはみましたが、
火を通した時のビーツの土臭い甘みがどうも好きにはなれませんでした。
でも、生のサラダ、きんぴらは本当においしいと思います。

これまで食べたことのない野菜を使えるようになれば、普段のおかずの
バリエーションも広がります。
そんなヒントを伝えられたらなと思います。
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by happytable-eire | 2013-11-24 23:59 | Workshops | Comments(0)

Green Tomato Ketchupと鴨丼

二週間ほど前のことですが、この夏にベジタリアン料理の
ワークショップをさせていただいたThe Heritage Community Gardenから、
グリーントマトをどっさりいただきました。e0149801_9445192.jpg
グリーンハウスの中で育っていたトマトも季節を終え、
冬野菜に移行す前に撤去されたのでしょう。
ちょっと出遅れて夏を逃してしまった、まだ青いトマトたち。
これがおいしい保存食になることは、私の保存食バイブルに
レシピがいくつものっていたので知っていました。
でも大量の青いままのトマトが手に入るチャンスもないまま、
ここまできました。
思い焦がれることウン十年、念願かなって、グリーントマトの
レシピに挑戦する機会がやってきました。

前にトマトのチャツネを作ったことがありますが、
いまいち好みではなかったので、ケチャップにトライ。
ケチャップというと、市販のものしかないように思われますが、
実は自分で作ることができます。
私も日本にいるときにも作ったことがありますが、
自分でトマトを育てて余るほどあるならともかく、
買ってまで作るとなると、手間がかかるわりに量ができず、
市販の物の安さを考えると、手作りする意欲がイマイチ
わかないんです。

もちろん自家製のは甘さも控え目にできるし、味もフレッシュ感が
あっておいしいのですが、市販のもののようなとろみはないので、
私たちがイメージとして持っているケチャップとは全く別物。

でも、今回はありがたいことにトマトもりんごも十分に
いただいたので、グリーントマトもの初挑戦となりました。
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作り方は至ってシンプル。全部皮ごと刻んで鍋に入れて
コトコトと炊くだけ。
材料はグリーントマト、クッキングアップル、玉ねぎ、生姜、
そして酢と砂糖に香りと辛味を加えるスパイス。
フェンネルシード、コリアンダー、スターアニス、
オールスパイス、チリを加えました。

火加減、煮詰め具合だけに気をつけること。
はじめは砂糖を控え目にしていましたが、トマトが青いのもあり、
やはり甘みがなさ過ぎていたので、結局レシピ通りに増量。
ブレンダーにかけて滑らかにして、最後の味の調整。
ちょっと旨味が足りなかったので、ポルチーニソルトを加えたら、
バッチリまとまりました。
グリーントマトのフレッシュ感が残り、普通のケチャップよりも
さっぱり軽く、スパイスも程よくききました。
2瓶に詰めて保存。熟成させるほうが、よりおいしくなりそう。e0149801_945784.jpg


瓶にはいり切らなかった分を取り分けていたのを、
ちょっと変わった使い方をしたら、とてもうまくいったので、
ご紹介します。
鴨胸肉を皮目を下にじっくり焼いて脂を出し、
いい焼き色がついたら脂を捨てて、ひっくり返します。
肉を押して軽く弾力を感じるくらいまで焼いたら、
タレを加えてからめます。
さて、このタレですが、出来立てのグリーントマトケチャップと
醤油を1対1くらいの割合で合わせただけ。
トマトのフルーティさと甘さ、そして醤油の塩分のバランスが
素晴しくまとまりました。
鴨というと山椒でも振るところですが、ケチャップにきかせた
スパイスがきいているので、その必要もありません。
ありきたりではないけれど、適度に和風になったので、
丼にしてみました。
熱々ご飯にのせて、ネギを散らしただけで、上等の丼物。
我ながら、これはかなりの完成度。
いいソースを作っておくと、あとは簡単なアレンジで味が決まる、
そんないい例でした。
あ、でも市販のケチャップでは同じようにはいかないと
思いますので、あしからず。
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by happytable-eire | 2013-11-18 09:57 | ・Japanese | Comments(0)

新しい和食ワークショップの試み

前の投稿から早一ヶ月。
採集してきた海藻のことを書くといいながら、まとめきれないままに
時間が過ぎてしまいました。
今日は、それはちょっと置いといて、こちらで新しく始めることにした、
和食ワークショップの試みについての文章を転載します。
在愛日本人向けのものなのですが、私の食に対する考え方や、
ワークショップのコンセプトなどが伝わるかと思いますので、
日本からこのブログを見てくださっている方でも、興味があれば
どうぞ読んでみてください。
長くて面倒くさい文章ですが、そこはご容赦を。

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在愛日本人の皆様へ

急に寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日は、日本人向けの新しい料理教室のお知らせですが、長ーい文章ですので、
ご興味のない方はどうぞ、ここで読むのをやめてください(笑。
読まれる方も、お時間のある時のほうがいいかもしれません。

私は子どもの手が離れてきた頃から、京都で友人とhappytableを立ち上げ、
料理教室を主宰し、食に関わる仕事をしていましたが、
5年前にアイルランドへ移り、2年ほど前からは和食に絞って、デモンストレーションやセミナーを
開催するなどの活動をして来ました。
また、こちらへ移ってからはじめたブログも細々と続けてきました。

今年3月の味噌作りワークショップを始めたことから、ネットワークが一気に広がり、
仕事の機会もいろいろといただけるようになりました。
和食の教室をという、日本の方からの声もお聞きするようになり、
2年ほど前からぼんやりと頭にあった日本人向けのワークショップのアイディアが、
ようやく形になってきました。

ひと言で表現するなら、和の家庭料理の研究会のような、料理クラブのような感じでしょうか。
私が教えて参加者が学ぶというよりは、皆で教え合い、学び合うような、皆でいろいろと
食べ方の実験してみるようなイメージ。
私は場をセットアップし、料理の好きな先輩として、またはオブザーバーとしてすすめます。
時にはちょっと厳しいおばちゃんになるかもしれません。

そして、普通の料理クラスと違うこと、それはレシピがないこと。
私が作るのを見てもらったり、また皆で作る中で、自分でメモを取ってもらい、
うちへ帰って復習して、自分なりのレシピを作って欲しいからです。
長年料理を教えてきて、レシピを作るということに対して、ずっと疑問を感じてきました。
もちろん、ベーキングなどには、黄金率のようなものもあります。
伝統的な料理には、大切なポイントなどもあるでしょう。
でも、醤油とひとくちにいっても、各メーカーの醤油によって、塩分や甘み、そして何より大切な
旨味もそれぞれ違います。
私には考えられませんが、最近は甘味料入りや、色素を配合している醤油も出回っています。
塩だって、自然塩と精製塩とでは含まれる塩分量が違いますし、産地によってミネラル量もさまざま。
同じ野菜でも、それぞれの持つ甘みや苦みが全然違ったり、火の通り方も同じではありません。
レシピはあくまでも目安であって、大切なことは、いかに目の前の食材と向き合い、想像力を働かせて、
どう自分の味に料理するか。レシピ通りに作ることではありません。

家庭で、家族のために毎日作る料理で一番大切なことは、その家庭の味を作ること。
いちいち計量なんてしなくても、目分量でぱぱっといつもの味、家族が喜ぶ味を作れることだと思います。
そのためには、食材を選び、使う調味料を知り、基本の技術を身につけ、ちょっとしたコツを知り、
それらを自由に使いこなせるようになることが必要です。

さらに海外で生活していると、日本にいるのと同じように料理できないこともたくさんあります。
日本では当たり前の和食がここでは当たり前ではなく、日本ではいつでもどこでも買える食材を買うために、
特別な努力をしなければならないという環境の中、日本と同じように料理するのは並大抵ではありません。
かと言って、必要な食材を全て日本から送ってもらう、なんてことも普通では不可能。

私もアイルランドに来た頃は、醤油ひとつとっても、キッコーマンとヤマサ醤油しか
手に入らないのを知り、日本で使っていた醤油との品質の差にショックを受け、
途方に暮れたものです。
でも今ではそれも当たり前のことになりました。
そんな限られた条件の中でも、おいしい和食を食べたい、
家族に食べさせたい・・・そんなことを望む在愛日本人に向けてのワークショップです。

私がこの5年間にアイルランドで試行錯誤してきたこと、
そんな中で今ではすっかり定番になったこと、
おいしい和食を作るコツを伝えたいと思っています。
日本にはない、こちらの野菜をアレンジすれば、普通のお店で買える食材で、
ここでしか味わえない和食を作ることも可能です。
市販の調味料がなくても、自分で合わせて作ってしまう。
自然の旨味を生かせば、化学調味料や添加物が入らない、おいしい調味料ができます。
やっていく中では、私がアイディアをもらうことも、きっとたくさんあるはず。
そう思うとわくわくします。

インターネットの世界も広がり、料理本も次々と出版され、本物もなんちゃっても含めて、
メディアに登場する料理家(料理人、料理研究家)と呼ばれる人も五万といて、
使い捨てのようにどんどん現れては消えてゆき、レシピもピンからキリまで
星の数ほどあるこの時代。
今や料理家がレシピを売る時代ではないと思っています。
レシピなんて、ネットでちょっと検索すれば、数分で何種類も見つけられるんですから。
でもレシピだけ、映像だけでは伝わらないことがあるのも事実。
ちょっとしたコツを体験したり、何よりも実際に自分の舌で味わうことは
実習でしかできないことです。

ここまでぐだぐだと書きましたが、参加者にとってはかなり面倒くさい
ワークショップになると思います。
今、自分で書いて気がつきましたが、私の料理ははっきり言って、面倒くさいです。
出しもちゃんと取り、出しをとった後の昆布ももったいないので佃煮にしたり、
刻んで料理に入れちゃいます。
魚をさばき、お揚げだって作ります。

でも5分で作れるきんぴらなど、パパッと作れるものもある。
スローでファスト、シンプル。
そして面倒臭さも報われるおいしさ、それが目指すところです。

そして、このワークショップもやはり『一汁三菜』と名付けようと思います。
和食の食べ方の基本を忘れないようにとの思いから。

教えてもらおうではなく、一緒に学ぶワークショップ。
ちょっと面倒くさいけど、作ること、食べることを楽しむワークショップ。
こんな私の考えに賛同してくださる方、ぜひご参加ください。

固定のクラスを作らず、各回、自由参加とします。
お友達にもお知らせくださるとうれしいです。

19日(火)、24日(日)、26日(火)各11時から2時頃の予定。
ご希望日をお知らせください。各回定員4名です。
費用は35ユーロ(材料費込み、特別素材の時は、別途ご負担をお願いすることがあります)

最後にもうひとつ、長くなりついでに。
私は京都では主にヨーロッパのお料理、パンや簡単なデザートのクラスを
10年近くやっていました。
その頃に作りためたレシピが何百とあります。
せっかくアイルランドに住んでいる間に、和食ではなく、
西洋風の料理やパン作りを学んでみたいと思われる方がありましたら、
そういうクラスを設定することも考えています。
こちらのほうをご希望される方がありましたら、合わせてお知らせください。
お問合わせやお申し込みなどは、Info@ichijusansai.com まで。

これで本当におしまいです。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
では、どうぞよろしくお願いいたします。

尚、Facebookユーザーの方は、"Ichiju Sansai"ページでも情報をごらんいただけます。
こちらも合わせてよろしくお願いします。
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by happytable-eire | 2013-11-15 23:59 | Workshops | Comments(0)