愛蘭土の林檎の木の下で

granna.exblog.jp

<   2013年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧

Non-butter Scones

スコーンといえば、粉にバターを切り込んで、
ミルクでまとめて型で抜いて焼く、英国伝統のお菓子。
私にはもうずっと使っているレシピがありますが、
もともとのレシピがどこのものだったのかも、
もう憶えていないほど、なじんだレシピです。
使う素材に合うよう、配合も変えて作り上げました。
周りはカリッとしながら、中はしっとりふんわり、
口溶けがいい生地。
スコーンというと、もそもそした食感のものも多く、
あまり好きじゃないという人が結構おられますが、
自分で言うのもなんですが、私のスコーンは本物でした。
京都の楽天堂さんで売っていただいていた時も、
けっこうな人気だったと思います。
割れ目から上下半分に割って、温めてバターやジャム、
クリームをつけていただけば、ティータイムに最高。
私にとってスコーンは自慢の一品でした。

ところがアイルランドへ来て以来、そのレシピでは
気に入ったスコーンが安定して焼けなくなっていました。
これまでも、その試行錯誤については何度か書きました。

スコーンはシンプルな分、素材の質がストレートに
味に出ます。
小麦粉、バター、ミルク、ここで手に入る材料の質が
日本のものと比べて低いとは、とうてい思えないので、
レシピが材料に合っていないということなのでしょう。

先日、買ったまま忘れてしまって消費期限が過ぎた
生クリームがありました。
封が切っていなかったので、傷んではいないのですが、
容器がややふくらんで、発酵がすすんでいるようでした。
アイルランドの乳製品はで高品質。
牛乳は日本のほとんどのもののように、高温殺菌していないので、
ちゃんと 自然に酸っぱくなってしまうことも多いです。
生クリームも同じで、自然に発酵してしまうことがあります。
こういう時はそのままホイップすることはやめて、
料理やベーキングに使えば、発酵のコクも出て、
かえって風味が出ることも多いです。
(雑菌が混入して腐敗していたら、苦くなるのでわかります。
こういう時は、即廃棄。)

そこでふと思い出しました。
私が初めて教わったスコーンのレシピは、生クリームを使い、
バターを使うものではなかったこと。
私の料理の基礎を作ってくれた安田倶子先生の教室でのことで、
今から思うと、こちらのスコーンとはかなり違いますが、
日本で当時売られていた、もそもその(Afternoon Teaのとか)
スコーンよりは、数段しっとりとしておいしかったのです。

生クリームでスコーンを作ってみよう!
当時のレシピは全く憶えていないので、勘で適当に配合。
上部に厚さ2cmくらい固まっている乳脂肪分もたっぷり入れて
牛乳と混ぜ、生地を作って焼いてみました。
結果は上出来。
しっかりコクもあって、しっとりおいしいスコーンが焼けました。
見ての通り、まわりはカリッとした焼き上がり。
こねる時はちょっとコツが必要ですが、簡単だし、悪くないかも。
こちらの生クリームは小さいのでも250mlや300ml入り。
料理などに使って、半分ほど余ってしまうことも多々あります。
そんな時の利用法としても重宝です。

日本では、ナチュラルな生クリームがなかなか買えなくなりました。
植物性のは言うに及びませんが、乳脂肪のでも、保存料や安定剤が
添加されているものがほとんど。
実は日本の多くのケーキ屋さんで使用されている生クリームは、
ほとんどそういうものです。
ホイップクリームを絞り出した時の形状を数日保ち、
かつ日本の温かい気候の中でも傷まないようにするには、
そういう添加物が必要なのでしょうね。
たしかに日本のスイーツのレベルはますます高くなり、
デコレーションの美しさなど、ここのものとは比べ物に
なりませんが、こちらの残念なデコレーションも、
本質を考えると許せてしまうところもあります。

生クリームについてのうんちくはさておき、ノンバターのスコーン、
手軽さと残り物利用のために、私のスコーンを焼く回数が増えるかも。
e0149801_21463490.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2013-06-21 23:59 | Baking | Comments(0)

Elderflower Cordial

e0149801_12161077.jpg今年もまた、エルダーフラワーの季節がやってきました。
昨年はとても早く花が咲き始め、私がフランスへと発った6月10日頃にはもう咲いていましたが、花を摘む余裕もなく、あきらめざるを得ませんでした。

エルダーフラワーシャンペン初めて作ったのは2010年、もう3年前になるんですね。
2011年の6月はチャリティディナーの開催でてんてこまいで、花のいい時期をのがしてしまい、シャンペンは仕込めませんでした。
花の終わりがけに何とか少しだけ摘んだので作ったのがコーディアル。
こちらでコーディアルというと、いわゆる甘いシロップで、薄めて飲料にするフルーツ味のものが多いです。
英語の”cordial”には、もともとは強壮作用のあるアルコール飲料の意味があり、特に心臓にいいものをさしたそうです。

エルダーフラワーはヨーロッパやエジプトで、
古くから薬効植物として利用されて来た歴史があり、
インフルエンザ、風邪、花粉症などに効果があるそうです。
花はほんのりと香り、よくマスカットに似たと形容されますが、
独特の香りで、ちょっと青臭さを感じます。
でも清涼感があり、私はとても好き。
今年はシャンペンよりもコーディアルをたっぷりと作ろうと、
花が咲くのを心待ちにしていました。

摘みに行ったのは、うちの近くにある学校の駐車場。
道路からずっと奥に入って行くので、環境は悪くありません。
まだ花がほとんど咲いていない花房もあったので、
六分咲きというところ。
できるだけたくさん花が開いている房を選んで摘みました。
あまり摘み過ぎてしまうと、実がつかなくなるので、
必要な分だけ摘みます。
そして家へ帰ると早速にシロップを作り、レモンの皮とレモン汁、
そして花を加えて一日そのまま寝かせておきます。
今回は1.8リットルの水に2.7キロの砂糖、3個分のレモン皮に
6個分のレモン汁を使い、約4リットルができました。
友人と一緒に作ったので、うちの分が2リットル、上出来です。
レシピにはクエン酸を加えるようになっていましたが、
無かったのでレモン汁を多めに加えました。
e0149801_1216442.jpg



あとは目の細かい布で漉して、ボトルに詰めれば出来上がり。
2011年に作ったのが一瓶、残っていたのを見つけたので、
並べてみたらこんなに色が違いました。
開けた時にシュワッと軽く音がしたので、アルコール発酵していて、
酸味も出ています。お酢に近づいているのかな。
エルダーフラワーの香りも飛んでいるので、コーディアルは
あまり時間をおかずに消費する方がいいようですね。

昨日、今日とまたいいお天気で気温も高かったので、
こういう日には、スパークリングウォーターで割って飲むと、
爽やかさを満喫できます。

少し残った花はワインヴィネガーにつけてみたところ、
独特の香りがついて、ほんのりと甘みもでました。
魚介類とよく合いそうですし、和食にもアレンジできそう。
いろいろ試してみるのが楽しみです。

来週にはもう一度花を摘みに行って、ハーブティー用に
たくさん乾燥させてみようかと思っています。
e0149801_12171793.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2013-06-20 23:59 | Preserves | Comments(0)

Dublin Bay Cockles

先日、うれしい頂き物がありました。
Dublinの海側の Sandymountで潮干狩して採れたという、
Cocklesという貝のむき身をたくさんいただきました。
砂を吐かせて、むき身にするまでずいぶん手がかかるので、
その手間を考えると申し訳ないくらいの量です。
e0149801_144849.jpg



先週末にはBlackrockの浜辺も大きく潮が引いていて、
素晴しいお天気の下、たくさんの人が浜で遊んでいました。
その中に、貝らしいものを足で掘り出している人もいました。

持って来てくださったご夫婦によると、干潟でちょっと掘るだけで、
ザクザクと出て来るそうです。
昔からダブリン湾では手長エビがたくさん捕れたそうですが、
今やDublin Bay Prawnとして高級品。
Dublin Bay PrawnならぬDublin Bay Cocklesというわけです。
このCocklesという貝は、日本語ではザル貝というそうです。
寿司ネタになるトリ貝などと同じ種類だそう。

実はこの貝、こちらの魚屋さんで売っていますが、これまで一度も
買ったことはありません。
貝といえばMussles(ムール貝)を買うことがほとんど。
あさりは何度か買ったことがありますが、高いし、日本のと比べると
明らかにうまみに欠けていました。
この貝は、日本では漁獲量が少ないため、流通することはなく、
穫れる地元で買うしかないものだそうです。
だから見たこともないんですね。

ところがこの貝、意外にもおいしので驚きました。
あさりよりは肉厚で貝らしい旨味もたっぷり。
トリ貝の仲間ということなので、おいしいはずですよね。
むき身と一緒にいただいただいた煮汁も、しっかりした旨味があり、
料理にいい味を加えてくれること間違いなし。

たくさんあるので、どう料理するか迷ったあげく、しぐれ煮と
Cannellini beansの煮込み、そして、チヂミにしました。
三種類のまったく違う料理ですが、それぞれにおいしく、
貝のもつ旨味をあらためて見直しました。

しぐれ煮がつやつやに煮上がり、多めに加えた生姜も効いて、
ご飯のすすむこと、危険なレベルです。
しぐれ煮というのは、牛肉などの佃煮にも使いますが、
もともとは桑名の蛤のしぐれ煮に付けられた名前だったそうです。
諸説あるようですが、さっと煮るから時雨という言葉を使ったなんて、
情緒がありますね。
e0149801_146492.jpg


またCannellini beans(白インゲン豆)と煮たのは、イタリア風というところ。
にんにく、タマネギ、セロリを刻んでオリーブオイルで炒め、
煮汁をたっぷり加えて、豆を煮込みました。
貝の旨味をお豆がしっかり吸って、味付けが不要なほどいいお味。
汁気を多めに残しておいて、パスタを加えて食べました。
仕上げにブロッコリーとトマトを加えてさっと火を通し、彩りも鮮やか。
最後のオリーブオイルをたらして、貝の旨味を味わう料理になりました。

そして久々のチヂミも、貝の旨味が効いておいしかった〜
先日作った自家製キムチを添えて。
e0149801_1462736.jpg


Fさんご夫妻、ごちそうさまでした!
また食べたいなー
次は自分で潮干狩りに行ってみようかな。
誰か行かない?
[PR]
by happytable-eire | 2013-06-16 23:59 | Life in Ireland | Comments(0)