愛蘭土の林檎の木の下で

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麹ブーム

先月作った甘酒のことを、昨日ちらっと書きましたが、
作り方は、リンクしているブログ『かむたちの花 Flower of Life』の
yukaさんこと小紺有花さんが11月に出版されたスイーツ本、
『塩麹&甘酒で作る、麹のおいしいスイーツレシピ』
参考にさせてもらいました。
この本には、麹の力を最大限に生かして、卵、乳製品、砂糖なしで
作るスイーツの数々が紹介されています。
ここのところ忙しく、まだレシピに挑戦するところまでは
いっていませんが、ぜひ作ってみたいお菓子がたくさんあります。
彼女とはお会いしたことはないのですが、京都の豆屋さん、
楽天堂つながりでお付合いがあります。
私もアイルランドの記事を書かせていただいている、
楽天堂の季刊通信に彼女が『麹遊び』の連載を始められた
のが4年ほど前。
その頃から、これは本になるぞ、という印象がありました。
何せ、彼女の麹への惚れ込みようと探究心が凄かったからです。

私はその頃にアイルランドに移ったので、麹は遠い存在に
なりました。
乾燥麹があるとはいえ、日本で味噌作りをする時はいつも、
生麹を使っていたので、乾燥麹の品質に関しては懐疑的でした。
小紺さんも同じように感じておられたのが、本の制作過程で
初めて乾燥麹を使われ、ヘタな生麹よりもよほど優れていると
教えてくださったのが、トライするきっかけになりました。
今年のはじめに、初めて乾燥麹を持って帰ってきてもらい、
初めての甘酒と塩麹を仕込んだのです。

甘酒は、ご飯に麹と水を混ぜて温度を保って10時間ほどで、
あんなに甘くなるんですから、発酵というのは神秘の世界。
出来た甘酒は小分けして冷凍にし、少しずつ冷蔵庫に戻しては、
キムチ作りだけではなく、調味料としても使ってみています。
例えば煮物に砂糖がわりに使うと、甘すぎず味に深みが出るので、
甘い煮物が好みではない私ですが、肉じゃがなど少し甘みが
欲しい時に加えています。
また、ドレッシングなどに加えても、酢の酸味をまる〜く
まとめてくれます。

塩麹は市販のものを昨年の初め頃から使い始め、ブログにも
一度書きました。
使っている市販の塩麹は金沢の高木糀商店の商品ですが、
これも小紺さんのおすすめ。
でも、なくなったら買い足せないと思うと、ふんだんには使えません。
これまで、少しずつ使って試行錯誤してきました。
もっと惜しみなく使えるように、自家製を仕込んでみたわけです。
下の写真は仕込みたての時のもの。

前に紹介した塩麹鯖をはじめ、鶏肉、豚肉、牛肉、鮭、豆腐などを
漬けてみましたが、どれも本当においしくなります。
これは食品中のでんぷんやたんぱく質が糖やアミノ酸へと分解され、
旨味が増すのだそうです。
私は漬けて一日以上置くようにしますが、そうすると確実に
肉質がふっくら柔らかく、甘みがでますし、ちょっと長めに置くと
粕漬けのような風味もでてきます。
糖分が出来るので焦げやすくなりますが、それもまたおいしさ。

鮭は塩鮭よりも塩分も減らせ、身もふっくらとします。
薄切りにして漬けた牛肉は、ロースト用の安い肉でしたが、
柔らかさにおどろきました。
使う量は食材の10%程度といわれていますが、私はもうちょっと少なめで、
その分時間を長く漬けておきます。
魚を漬ける時は、先に薄塩で少し水分を引き出してから漬けると、
塩麹が効果的に働くような気がします。

日本では今や大ブームの塩麹ですが、アイルランドにいると、
それを実感することもありません。
とにかく使ってみて、自分なりの感覚をつかむことが一番だと思います。

さて、今の日本の麹ブーム、どこまで続くでしょうか。
今までめったに見かけることのなかった麹が品薄になるほどの勢いだと
聞きますが、いつもの食のブームのように、ぱあっと爆発的にヒットして、
しばらく経つとすぐに忘れ去られてしまうのとは、少し違うのでは
ないかと感じています。

なぜなら、日本での麹の歴史は千年以上に遡るといわれていて、麹食品の
醤油や味噌、酒や味醂などは日本の食に欠かすことの出来ないもの。
塩麹もまた、新しいものではなく、日本にずっと伝わってきた万能調味料です。
麹自体が日本人のからだにすり込まれているものなので、このブームは
単なるブームで終わることはないと思えるのです。
また、そうなって欲しいと願います。
麹の食文化がいかに日本人にとってかけがえのないものかを再認識し、
次代へと伝えていかなければと思うのです。

今や食の世界で国際的に注目を浴びている"Umami"(旨味)もまた、
発酵食と深く結びついています。
麹の力の再発見がもたらしたこのブームも、世界の動向から見ても、
自然な流れだったのかもしれません。
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by happytable-eire | 2012-02-27 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

ご飯とキムチさえあれば・・・

「ご飯とキムチさえあれば生きていける」と言ったのは、
韓国料理大好きな私の友人ですが、確かにキムチというのは
複雑で深い味わいがあり、飽きることがありません。
日本では、キムチはうちの冷蔵庫に必ずある食品でした。
といっても、日本でキムチがいつでもどこでも買えるように
なったのは、ここ20年ほどのことですよね。

アイルランドでも白菜はすっかり市民権を得て、買い安くなり、
特に冬場は鍋料理に欠かせません。。
ところがキムチとなると、アジア系のお店でもホンモノの
おいしいのはなかなかありません。
キムチのおいしさは、さまざまな食材が絡み合って熟成し、
生まれる複雑な旨味。
じっくり熟成したものと、お手軽に化学調味料で味をつけたもの
とでは、格段の差があります。
しばらくキムチ作りから離れていたのですが、ひと月ほど前に
アジア食品店で見つけて衝動的に買ったのが火付けになって、
このところ立て続けに自分で漬けています。
昨日もまた大根をたっぷり入れて作りました。

e0149801_1081797.jpg以前のブログにも書いたように、私は甘酒を使う薬念がお気に入り。
甘酒は以前はビン入のを買っていましたが、今は先月作った自家製のものを使っています。
年始に日本から家族に持って帰って来てもらった乾燥麹で仕込んだのですが、これがおいしいのなんのって。
柔らかめに炊いたご飯に水と麹を混ぜて、発酵させるのですが、持っていてもご飯を炊いたことがない、小さな韓国製炊飯器が初めて役に立ちました。
そのままでは温度が上がり過ぎたので、ちょっと工夫をして
何とか適正温度を保ちました。

使っているレシピは、ブログ『かむたちの花Flower of life 』の
yukaのさんの甘酒をベースにするレシピですが、こちらを元に
りんごなどの果物を加えることが多いです。
手に入らない食材も多いので、あるもので代用。
例えばアミの塩辛の代わりにはアンチョビとか。
いつも同じ味にはなりませんが、塩分を調整しておけば、
さまざまな旨味がフクザツに絡み合って、それなりにおいしい
キムチができあがります。
また発酵が進めば味もどんどん変わるので、それも楽しみ。
以前は白菜を大きなまま塩漬けしていたのですが、
今はざく切りにしてから塩漬けするので、漬かりやすいし、
食べる時も切らなくていいので楽です。

今回のキムチはちょっと酸味が出るまで置いて、キムチ鍋に
する予定。
もう春の兆しですが、暖かくなる前に一度、食べておきたい。
でも、漬けたばかりのフレッシュな感じも好きなので、
今日はお昼にご飯を炊いて、キムチとお味噌汁の昼食。
ちょっと佃煮も添えて、ご飯がすすむこと、すすむこと。

e0149801_109895.jpgお米はイタリア産のオーガニック玄米を七分づきにしたもの。
Dublin Food Coopで25キロ袋を買っています。
今年の初めからこのお米を精米して炊くようになり、買ってある白米がまったく減りません。
精米機は友人が長期で日本へ帰国する間、借りているので、いつでも精米することができ、精米したてのお米は新鮮でおいしい気がします。
料理に合わせたり、その時の気分でつき加減を変えられるし、甘みがあって冷めてもおいしく、ついつい食べ過ぎ・・・
私も精米機を持っているのですが、ずいぶん前にうっかり変圧器を通さずに電源を入れてしまい、ダメになりました。
友人が帰ってくるまでに何とかしなければ。

というわけで、私も「おいしいご飯とキムチさえあれば・・・」
という気分になったお昼でした。
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by happytable-eire | 2012-02-24 23:59 | Preserves | Comments(4)

今年はアメリカン 〜Pancake Tuesday 2012〜

長々とお休みをしてしまい、気がつくと何と2ヶ月以上。
体調でも悪いのかとご心配くださった皆さま、ごめんなさい。
お休みしていた理由はいろいろありますが、私は元気です。
ずっとずっと、早く戻らなきゃと心にひっかかりながらも
こんなにのびのびになってしまいました。
物を書くというルーティンは、離れてしまうとなかなか戻れない
ものですね。
ここしばらくは仕事でいろいろと書くことが増えてきて、
そんなことも言っていられなくなりました。
21日の火曜日は今年のPancake Tuesdayだったのですが、
このことはこれまでにも何度か書いたので、これを機会に
カムバックします。
何も更新がない間も訪れてくださっていた皆さま、またどうぞ
よろしくお願いします。

当日は教えている学校の料理クラスの仕事だったのですが、
前回、先々週のクラスの最後に「何か作りたいものある?」と聞いたら、
即座に「再来週はPancake Tuesdayだから、パンケーキ!」という
元気な答がかえってきました。
実は私は今年のPancake Tuesdayがいつなのか知らなかったので、
「That’s good idea」と言うと大喜び。
15-16歳にもなる男の子たちがあそこまで盛り上がるのには、
正直驚きました。

そして昨日の午後、実習を始める前にこの日にパンケーキを食べる
ということが、どれほど重要なことなのかを聞いてみると、
それはもう『MUST』のようです。
クリスチャンの宗教的な意味と、パンケーキを食べる行動が
どこまで結びついているかはわかりませんが、この宗教的行事が
アイルランドにしっかり根付いていることは実感しました。

レシピは英国式とアメリカ式両方を準備して行き、各グループに
選ばせたところ、全てのグループがアメリカンを選んだのは
面白かったです。
レシピはほとんど変わらないのですが、違いは牛乳の量。
英国式は牛乳の量が多くて生地がゆるく、薄く焼き上がりますし、
アメリカ式は牛乳の量が少なく、またベーキングパウダーと砂糖を
加えて、ほんのり甘く、厚めでふんわりした感じ。

ところが、同じレシピなのに、出来上がりはいろいろでした。
厚さ2センチ以上に焼き上がったグループや、生地がいい具合に
流れて、かなり薄めになったグループも。
いかに材料の計量の仕方で生地の感じが変わるかというのがわかり、
いいレッスンになりました。

バター、レモン汁、Nuttella(チョコレートスプレッド)、蜂蜜に加えて、
冷凍のベリーミックスをさっと煮てベリーソースも作って、
トッピングはお好みで。
最後のレポートには、大満足のコメントが並んでいました。
授業の終わりに「うちに帰ったらまたパンケーキ?」と聞いたら、
「当然!」と答が返って来ました。
そこまで・・・

もう一つのChocolate Oatmeal Cookiesも上手に焼けて、甘—い
実習は大成功といったところでした。
1月末から始まった後期のメンバーは前期の子たちに比べて
ずっと落ち着いていて、話もちゃんと聞いてくれるし、
とってもやりやすくなっています。
前回の授業ではハンバーガーを作ったのですが、炒めた玉ねぎと
ペッパーをバーガーと一緒にはさむレシピにしました。
野菜嫌いの子が多いのには驚きますが、一人のレポートに
「炒めた野菜って、なかなかおいしいことを知った」という
コメントを見て「よっしゃ!」とうれしくなりました。
話が横道にそれましたが、こんな感じで男の子の料理クラスを
楽しんでやっています。

実はこの日は、早朝にも息子のためにパンケーキを焼いたんです。
彼にとってもこの日のパンケーキは、やはり『MUST』らしいのです。
焼いたのはレシピの確認がてら、アメリカンタイプだったのですが、
授業で残った生地を焼いて持って帰って来たのを、夕食後にも
きっちり食べていました。

アイルランドへ移って4度目のパンケーキの日は、アメリカ式の
一日となりました。

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by happytable-eire | 2012-02-22 23:59 | ・Irish and others | Comments(2)