愛蘭土の林檎の木の下で

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島豆腐とゆし豆腐

ダブリンは昨日から激しい雨が降り続き、今日も朝から一日中、
雨足がおさまることがありませんでした。
そしたらそこいら中で、浸水しているらしいのです。
道路が川や池のようになってしまっているとか。
道路が封鎖されたり、バスも止まって、帰宅に数時間もかかった
という話も。
幸いうちのあたりは被害はなかったのですが、それもそのはず、
今日一日で一ヶ月分の雨が降ったとか。
古い排水系では大量の雨を処理しきれずに、こういうことに
なるのでしょう。
地球温暖化の影響か、このところアイルランドも雨の降り方が
変わってきているようです。

そんな一日、友人と一緒に豆腐作りをしました。
今日の大きな目的は島豆腐作りに挑戦すること。
一緒に作った友人は沖縄に住んでいたので、彼女にとっては
なつかしい味。
私も島豆腐やゆし豆腐のことは前から聞いていて、興味が
ありました。
幸運にもつい先日、豆腐の木型などを譲ってもらったばかり。
500gの大豆は昨日から漬けて、道具も揃い、準備万端です。
ただ、前に作った時にいろいろメモしておいたノートが見つからず、
ネットで作り方を復習。ささっと作れるようになりたいものです。

漬けた大豆の半分は普通の豆腐にし、半分は島豆腐に。
島豆腐は何が違うかというと、その製法。
普通は生の大豆をミキサーでつぶし、それを炊いてから豆乳を
絞りますが、島豆腐は生のままで豆乳を絞り、それを炊いて
にがりを打ちます。
豆腐作りで一番大変な豆乳を絞るところで、炊きたて熱々なのと、
炊く前の状態という違い。
当然、熱くない方が楽かと思いきや、島豆腐の方が絞る時により
力は要りました。
シリコンミントを手にはめれば、熱くても結構楽に絞れるので、
手間はどっちもどっち。

まず先に普通の豆腐、そして島豆腐という順でつくりました。
普通は型に入れて固まったら、にがり抜きのために水にしばらく
さらしますが、島豆腐はそれもしないそうです。
その分、雑味も多いのですが、しっかりした大豆のこくが残り、
にがりの風味もしてワイルドな感じ。
出来上がりも滑らかどころか、ごつごつした表情。
厚みも半分ほどで、がっちりした感じです。
出来上がりの重さは、島豆腐は250gに対して、木綿豆腐は400g。
同量の豆なので、これは水分量の違いですから、それも納得。

島豆腐をチャンプルーにした時には、ごつごつした空洞に
食材の味がしみて、普通の豆腐で作るのとはまったく違うのだそう。
こういうのは、さすが地元で食べてたからこその感覚。
私もゴーヤチャンプルーが好きでよく作りましたが、島豆腐を
使ったことはありません。
できた島豆腐は、味見だけさせてもらって友人がお持ち帰り。
今夜の幸せな食卓を作ったことでしょう。
わが家では、木綿豆腐をあたたかい湯豆腐でいただきました。

e0149801_2271787.jpgさてさて、私にとっての今日のヒットは「ゆし豆腐」。
いわゆる島豆腐のおぼろ豆腐のことですが、にがりを打って、
かたまりかけた状態で、少し分けておきました。
友人によると、沖縄ではこれをお味噌汁に入れたり、沖縄そばにたっぷりかけて食べるそう。
さっそく、作ったあとのお昼のお味噌汁に入れてみました。
私はお味噌汁のお豆腐はあまり好きではなく、おぼろ豆腐を
入れる方が好きでした。
でも、おぼろ豆腐だと、お味噌汁全体にお豆腐が散ったように
なりますが、ゆし豆腐だとそれがなく、塊がちゃんと残り、
ぼこぼこした空洞に味がしみて、食感もしっかりあります。
ゆし豆腐のお味噌汁、これは高得点です。

出来上がったおからもおいしいだしをとって、人参、さやいんげん、
お揚げを加えて炊いて、そして最後にはたっぷりのネギで、
ほっこり味のおからの炊いたんになりました。

ちなみに沖縄ではおからは売ってないのだそう。
島豆腐のおからは生の状態だから?
その昔は沖縄では、どの家でも豚を飼っていたそうなので、飼料に
なったと考えられますが、どう利用されてるのかも興味があります。

私が育った家の近所にあったお豆腐屋さんでは、おからが大きな
三角おにぎりのようなかたちに絞られて並んでいたなあ。
その頃は、おからは京都人の食卓には欠かせないものでした。

大豆を炊く時の独特の青臭い香りも、郷愁を誘います。
これは自家製豆腐作りで味わえる、大きなおまけかもしれません。
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by happytable-eire | 2011-10-24 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

鯖のきずしと塩糀漬け

書き始めてふと「きずし」って漢字ではどう書くんだっけと思い、
調べてみたら、「生寿司」「生鮨」でした。
関東では「しめさば」と呼ぶほうが一般的らしいです。
また、鯖だけでなく他の青魚を同じように料理しても「きずし」と
いうようです。でも、私の中では「きずし」といえば鯖。
子どもの頃から、父の酒のあてに出てくるのをばくばくつまんで
いました。

この火曜日に久々にHowthで魚を買いました。
日曜日の漁が休みなので月曜日は新しい魚がなく、火曜日には
新しいのが入荷するので、お魚を買うにはいい日なのです。
パエリア用にエビと切り身のミックス、そして鯖。
小ぶりでしたが、とびきり新鮮に見えたので、とりあえず4尾で
2ユーロちょっとという安さでした。

家に帰ってさっそく、冷凍にしてあったスモークのハドック、
チョリソーなどを加えて、久々のパエリア。
で、夕食後に重い腰を上げて、鯖をさばきました。
新鮮なうちに処理しないともったいないですからね。
見かけ通り、内蔵を触っても手が臭わないほど新鮮な鯖を見て、
やる気がむくむくわいてきました。
これなら生で食べられると確信があったので、きずしにトライ。

e0149801_2332020.jpg三枚におろした身に多めの塩をして、冷蔵庫で一晩。
翌朝、塩を洗って小骨を抜いて、酢につけてしめます。
身がうっすら白くなってきたら、うす皮をむいて出来上がり。
夕食を待ちきれずに、薄く切って食べてみました。
かなり適当に作ったけど、おいしい!
鯖は見事に新鮮で、中心はうっすらピンク色。
塩も酢も「ええ加減」でした。
夕食の分を残して、あとは冷凍にしました。
大事をとって、寄生虫対策です。
夕食の時には、お醤油とわさびも添えましたが、そのままでもいけます。

息子からは、これで鯖寿司にして、とリクエストされました。
京都の肉厚のどっしりした鯖寿司のようにはとてもなりませんが、
一口サイズの可愛いのならできそうです。
これは次に新鮮な鯖に出会った時の課題ということで。

さてさて、きずしを作った残りの鯖も、おいしくいただきました。
ただものではない、絶品と言っていい、塩麹漬け焼きです。
塩麹、最近日本でブームになっている調味料です。
遅まきながら、夏に日本で買って帰って来たのを、いろいろと
試しているところで、使い方や使う量を試行錯誤中です。
まだもうひとつつかみきれていないうちに、残り少なくなって
きてしまったのですが、豚肉や豆腐を漬けて焼いたのも、
とってもおいしかった。

鯖には軽く塩をして、ジップロックに並べてほんの少量ずつ
塩こうじを振りかけてなじませ、空気を抜いて一日おいただけ。
私にとってはいつでも簡単に手に入る調味料ではないので、
少量で効率よく味をしみこませるには、ジップロックが有効です。
あとは高温のグリルでさっと両面を焼くだけ。
塩焼きよりもずっと旨味がのり、ほんのりとした甘みも出て、
鯖とは思えないおいしさになりました。

塩糀、2年ほど前から噂には聞いていましたが、こうやって
実際に使ってみると、ほんとうに使える調味料です。
糀によって生まれる旨味で、食材をグレードアップしてくれます。
糀さえあればあとは塩と混ぜるだけで、簡単に家庭でも作れるし、
最近は市販のものもいろいろ出ているようです。
私が使っているのは
こちら
の商品。
京都では楽天堂が取り扱っています。

うーん、こうなるとますます糀作りに挑戦の理由ができてきました。
実は秘かに準備中。
乞うご期待!
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by happytable-eire | 2011-10-20 23:59 | ・Japanese | Comments(2)

Darina Allen のミニトークショー

先週の木曜日から3日間、 Cloughjordanのエコヴィレッジを訪れていました。
13日木曜日にエコビレッジのコミュニティファームの主催で、
アイルランドのコークにあるBallymaloe Cookery Schoolから
Darina Allenさんがミニトークに来られていたのです。
コミュニティファームの中心メンバーとの繋がりから、
ファームのプロモーションに一役買われたそうなのですが、
お話を聞いて、元気をもらってきました。
1983年にBallymaloe Cookery Schoolをスタートしたいきさつから
今に至る道のり、そして彼女と料理学校としての哲学を、テンポよく
楽しく話してくださいました。
料理学校の経営に、テレビの料理番組への出演、料理本の執筆と
まさにBallymaloeの顔として長年活躍して来られただけのことはあります。
とてもエネルギッシュで、頭の回転も速く、ビジネスマインドも
持ち合わせた方でした。
でも、気取らず親しみやすい人柄も、また魅力的でした。

今のようにさまざまなテレビ番組に人気シェフが登場するようになる前は、
アイルランドで一番有名な料理家だった方です。
私自身は彼女の出演されていた番組は見たことがありませんし、
本は一冊しか持っていませんが、彼女のお姑さんにあたるMyrtle Allenさん
が書かれた『Ballymaloe Cook Book』は私のアイルランド料理のバイブル。
Darinaさんの最新刊“Forgotten Skills of Cooking”には
前から興味があり、当日はその本を会場で買ったらサインが
もらえたのですが、グズグズしている間に売り切れて残念。

お話の中でとても共感したのは、土作りについてのお話でした。
私たちが健康でいるためには、健康に育った動物や野菜が不可欠で、
それらは健康な土なくしては育たない、ということです。
Ballymaloe Cookery Schoolのウェブサイトの”Philosophy”にも
書かれていることですが、同行されていた
ご主人のTimさんとともに、それを心から信じて実践しておられる姿が
うかがえました。

Ballymaloeはもともとがオーガニックファームで、料理学校だけ
ではなく、レストランや宿泊施設で使う野菜を生産しています。
不足分やその他の食材については、地元の厳選した生産者と提携
してまかなっているそうです。何とその数は150軒を越えるとか。
アイルランドの地の生産物に誇りを持ち、お互いを支え合う姿は
まさにコミュニティ経営の基本。
エコビレッジのファームのプロモーションにもうってつけのお話でした。
Cloughjordanはほんとうに小さな街(村?)ですが、会場のホールには
街の外からも多くの方が来られていて、とてもいい雰囲気でした。

実は私のエコビレッジに住む友人が、トーク前にDarinaさん一行に
お食事を差し上げるという大役をおおせつかり、そのお手伝いも兼ねて
行ったのですが、幸運にもそのテーブルにもつかせていただき、
短い時間でしたが楽しいひとときでした。
前にも書いたことがありますが、その友人は大変なお料理上手。
ファームで取れる野菜、牛乳、卵などを使ったベジタリアン料理
でのおもてなしでした。
レシピを一通り教えてもらってきたので、近いうちに作ってみなくては!

ファームで取れる野菜屋牛乳は、ビレッジ内にあるコテージに集めてあり、
必要なだけ持って行けるシステムです。
現在のところ野菜は過剰気味で、メンバーを増やす必要があるとか。

翌日はエルダーベリーやローズヒップ、スローなどを摘んで
シロップやジャム作りをする予定でしたが、一番の目的だった
エルダーベリーがまだ十分に熟していなくて断念。
雨も降り出したので摘むのはあきらめて、のんびりしました。

余談ですが、Cloughjordanにほど近いMoneygallという小さな街は、
オバマ大統領が5月の来愛時に彼の祖先の出身地として訪問されて
一気に有名になりました。
行き帰りにいつも通るのですが、何と”OBAMA CAFÉ”がオープンして
いました。窓際にはオバマグッズが飾ってあります。
何とも微妙な感じですが、観光客でも来るんだろうか??
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by happytable-eire | 2011-10-17 23:59 | Life in Ireland | Comments(2)