愛蘭土の林檎の木の下で

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縄屋のお料理

昨年も紹介した、京丹後市弥栄町にある料理屋の「縄屋」さん、
今年の法事でも昼食をお世話になりました。
昨年は秋のお料理でしたが、今年は8月下旬だったので、
まだ夏らしいお料理をいただくことができました。
遅ればせながら紹介したいと思います。
いつもながら食いしん坊の私は、お料理を見たらすぐに
お箸を付けてしまい、まわりの人たちに「写真、写真」と
言われて慌てて撮る始末で、自分のお皿ではなく、他の人のを
撮らせてもらったことも・・・
でも、私をそんなにさせてしまうほどおいしく、目にも美しい
お料理が続いたのです。
はじめの3枚の写真は設定を間違えていたので、実物の色がまったく
出ていませんがお許しを。

前菜       胡瓜 さごし 人参 ヤングコーン 蒸し煮 
                赤紫蘇煮こごり  赤玉葱甘酢
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どの野菜も火の通り具合が絶妙で歯ごたえがいい。
赤紫蘇の爽やかな香りが夏らしく、野菜がおいしい一品でした。


椀        煮梅 白瓜 白ずいき 白木耳 澄まし仕立て
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これは、梅干しを水にさらして、出汁で炊いてあるそうです。
最高のだし汁に程よく酸味がきいていて絶品のおいしさ。
じわ〜っと身体にしみこんでいくような感じで、思わずため息がもれました。
また三種類の野菜の食感がそれぞれに個性があり、これも絶妙。
特に白ずいきの歯ごたえは他にはない感じ。
その取り合わせの素晴しさに感動しました。


造り       鯛 白いか さごし焼霜造り 山葵醤油
            鮪とモロヘイヤのすり流し
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モロヘイヤのすり流しと魚の組み合わせが私には新鮮でしたが、
これ、いけましたよ。
焼霜造りも香ばしさが絶妙でした。


焼       うなぎ白焼き わさび添え
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このお料理が全体では一番人気だったかも。
シンプルこの上ないお料理なのですが、うなぎの脂の落ち具合といい、
炭火で炙った皮目の香ばしさといい、最高の技術で仕上げられたお料理でした。


お凌ぎ      いちじく胡麻酢かけ
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私もよく作る一品ですが、胡麻酢のなめらかさ、上品さにやられました。
胡麻酢が程よくいちじくにからんでいて、目にも爽やかで美しい。


揚       鮎唐揚げ とうもろこしのかき揚げ
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この料理も料理人の技術を存分に味あわせてもらいました。
鮎は風干しされているそうで、塩味も程よくまわっていて、
何より揚げ加減が素晴しい。
見かけ以上に揚げ上がりが軽く、一瞬驚くほど。骨も当然、さくさく。
また、とうもろこしの甘さが軽い衣でまとめられ、これも絶妙でした。


御飯       白ご飯  お漬物
冷鉢       賀茂茄子 万願寺 南京煮こごり 
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土鍋で炊いたご飯のおいしさに、思わずおかわり。
かぼちゃは丸ごと炊いて、煮こごりを固めて切ってあります。
万願寺も賀茂なすもまさに夏の味覚。
さっと素揚げして出しにつけてよーく冷やしてあり、
白いご飯に合う一品でした。


デザート      桃アイス
溶ける前に食べたかったので、これは写真を撮るのをパス。
一口で桃の味が口一杯に広がり、幸せな気分になりました。
たぶん、丹後の地の桃を使われているのでしょうね。
色もやさしい桃色でした。

さてさて、縄屋さんのお料理を一緒に楽しんでいただけたでしょうか。
お料理を文章で伝えるのは本当に難しいですね。
昨年の記事でも書きましたが、遠くからわざわざ食事だけにでも
行きたいお店です。
ただ残念なのは、丹後の家からでも車でないと行きにくい場所なので、
お酒が飲めないこと。
一度は運転手付きで、おいしいお酒と一緒に堪能したいものです。

帰り際にご主人ともお話させていただきましたが、朴訥とした中に
芯の強さ、自分をしっかり持っていらっしゃる方だと思いました。
可愛らしい奥様とお二人で切り盛りされています。
まだまだお若いお二人、これからが楽しみなお店です。
本当にごちそうさまでした。

実はオリジナルでジャムやソースも作っていらっしゃって、
そのうちのバジルソースをひと瓶いただいてきました。
これも複雑な旨味があって、さすが料理人が作る特製ソースでした。
おすすめです。
それから雑誌『サライ』10月号に、お米のおいしいお店として
掲載されていて、代表的なお料理、こなれ寿司が紹介されている
そうです。
私も食べてみたーい。


魚菜料理 縄屋
京都府京丹後市弥栄町黒部2517
0772-65-2127 (要予約)
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by happytable-eire | 2011-09-21 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

夏の京都から

ここダブリンはすっかり秋、木の葉の色も紅葉し始めています。
でも、わたしと入れ違いに英国から京都へ戻った友人は、
京都の残暑に悲鳴を上げています。
今日の気温もまだ30度を超えるとか。
つい一週間前まで私もそこにいたのですが、もう遠い昔のことに
思えます。

日本にいる間は、やはりできるだけ日本らしい物が食べたくなります。
滞在中に食べた、そういうものを紹介します。

日本でしか食べられない新鮮な魚や豆腐、漬物、佃煮などはもちろんですが、
京都の和菓子はその美しさも素晴らしい。
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これは友人が買ってきてくれた幸楽屋さんの『金魚鉢』という冷菓。
金魚の目まできちんとついていて、完成までいったいどれだけの緻密な作業が
あるかと想像するだけですごい。
こんなこと和菓子職人さんしかできませんよね。
お味はというと、かなり甘めで一つ食べるのもきつかったですが、
十分に目で楽しませていただきました。
京都には老舗の虎屋にも金魚をかたどった『錦玉羹』という季節菓子があるそうです。
ネットで見るだけでも、こちらはさらに素晴らしい完成度です。


これは日本の秋の味覚、さんまの刺し身。ピカピカ銀色に光っています。
お盆開けに丹後の間人の魚屋さんに出ていて、思わず買ってしまいました。
さんまはアイルランドでは食べられないし、ましてや刺身にできるほど
新鮮なさんまなんて、京都でもなかなかありませんからね。
生姜がなかったのは残念でしたが,脂が口の中でとろけるようで、
冷えたビールをお供に、秋の味覚を堪能しました。
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さて、写真ではこれが何なのか、分かりにくいと思いますが、
「きごしょうの佃煮」と言ってもご存じない方が多いかもしれません。
「きごしょう」とは葉唐辛子のこと。
京都ではお盆開け頃から9月にかけて、ほぼ収穫が終わった唐辛子を
根こそぎ引っこ抜いたのが出回ります。
葉っぱだけを集めて袋詰めしたのもありますが、たいていはそのままで売っています。
私が見つけたのは、軒先で野菜を売っていらっしゃる地の農家さんのお家。
なつかしさのあまり、あと先考えずに思わず買ってしまいました。
でも買ったら最後、面倒な作業が待っています。

まず高さ1メートル程ある唐辛子の木から葉っぱをちぎって集めます。
まだ小さい唐辛子の実もたくさん残っていますが、それも一緒に。
子どもの頃は、この作業を母にやらされました。
葉っぱをちぎる指が、ほんのり唐辛子の匂いに染まります。

次は堅そうな葉っぱをのぞいてよく洗い、熱湯でさっとゆがいてあくを抜きます。
ちょっと水に放してぎゅっと絞り、ザクザクと粗く刻んで、醤油と酒を
加えただし汁でコトコトと炊きます。
私は、濃いめの味付けで佃煮にしてしまうより、薄味でさっと煮て、
まだ緑が残るくらいのほうが好きです。
最後に頂き物のちりめん山椒を加えて、きごしょうそのもののほんのりした
苦みを味わいます。
ああ、これこそ夏の、そして京都の味。
白いご飯にのせれば、あとは何も要りません。
それにしても、収穫が終わったあとの葉っぱまで食べる、京都人の始末と
食い気の感性には感心させられます。

今まで気にしたことなかったのですが、「きごしょう」って「木胡椒」と
書くんですよね。
「胡椒」は「柚子胡椒」と同じで唐辛子のことを指してるのだと、
今年初めて気がつきました。
「葉唐辛子」と呼ぶこともありますが、やっぱりきごしょうのほうが
風情があっていいですね。
夏の京都の暑さは大変でしたが、こんなふうに、この季節こその味もあり、
そういう意味では夏も悪くないと思うのでした。
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by happytable-eire | 2011-09-16 23:59 | ・Japanese | Comments(2)

Banana Muffins for boys' class

長々と、2ヶ月以上も更新をお休みしてしまってごめんなさい。
こんなに長い間さぼっていたことに言い訳のしようもありませんが、
長ーい夏休みだったということで、お許しください。
そんな中でもコメントをくださった方、時々のぞいてくださっていた方、
本当にありがとうございました。

簡単に言うと、8月はまるまる日本に戻っていました。
昨年9月に亡くなった祖母の初盆と一周忌が主な用事でしたが、
昨年のように急ではなく、計画しての帰国となると、かえって前々から
準備することがいろいろあり、帰国前から頭がいっぱいでした。
準備万端整えようとと思っていても、なかなかそうはいかないものですけど。

というわけで、3年ぶりに日本の暑ーい夏を過ごしてきました。
行く前には、日本の友人からは台風後は過ごしやすい8月になっていると
聞かされていたのですが、私が到着した日から暑さが戻ったとか。
関西空港の外に出た途端に蝉の大合唱に迎えられ、日本の夏を実感!
今年は特に涼しい夏だったアイルランドから、盛夏まっただ中の日本への
移動でしたが、夏バテもなく元気に過ごせました。
短い滞在期間の間に都合をつけて、おいしい料理やお酒に誘ってくれた、
日本の友人たちにも感謝です。

仏事の為に丹後で過ごしたお盆の間以外は、こんなに外食したのは
人生で初めてというくらい、外食が続きました。
その間のネタはまた追々、紹介していきたいと思いますが、
まずは今日から新しく始まった仕事のことでブログを再スタートします。

実はダブリンのある学校で、15〜16歳の男の子たちにお料理を教える
お仕事をいただきました。
自分の興味で選択出来る授業の一つで、料理のクラスを週一回、
担当させていただきます。ここ10年以上、料理を教えてきましたが、
高校生相手は初めての経験。
彼らがどのくらい出来るものなのか、手探り状態からのスタートですが、
特にカリキュラムもなく、私の好きなようにやっていいとのことで、
ちょっとおもしろくなりそうです。
レシピの内容より、料理の楽しさをどう伝えるかがポイントでしょうか。

さてさて、どうなることかと思いましたが、息子よりちょっと若い男の子たち、
可愛いものです。ちゃんと言うことも聞いてくれるし、ひと安心。
初回は様子を見る為に、簡単なBanana Muffinsを焼いてみました。
まずデモンストレーションをして、その後2人組になって実習。
調理のスピードや出来上がりは、チーム間に大きな差はありましたが、
1組をのぞいてはかなり満足な焼き上がり。
ただ終わってから残った食材を片付けていたら、必要なだけ準備していた
バナナが1本残っていて、多めにあった卵が1個足りません。
うまくいかなかった組は計量間違いではなく、材料をミスっていたと判明。
教える中でいろんな経験をしてきましたが、こんなまったく想定外のことも
起こるものですね。
これからしばらくは、メニューと試作、レシピ作りに追われそうですが、
若いアイリッシュたちに、より良く食べる術を身につけて欲しいと思うので、
微力ながら頑張りたいと思います。
さて、来週は何を作ろうかな〜
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by happytable-eire | 2011-09-13 23:59 | Life in Ireland | Comments(2)