愛蘭土の林檎の木の下で

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やっと、今年のおでん

もう3月も終わるという頃になって、やっと今年もおでんを
炊くことができました。
おでん種の練り物は、1月頃から新鮮なお魚を見つけると買って、
作っては冷凍しておきました。
ただ、私にとっては何がなくともおでんには大根、なのですが、
今年はこれが問題でした。

一昨年までは時々LidlやTescoに出ていたのに、この頃は見ないし、
昨年は一度だけでしたが、Supervaluでも立派でみずみずしい大根が
買えたことがありましたが、今年は運悪くか、そういう機会には
出会いませんでした。
時々アジアマーケットをのぞいてはみましたが、しなしなで
見るも悲しいような大根ばかり。
二度ほど買ってはみたものの、炊いても炊いても柔らかく
ならなかったり、すが入っていて使い物にならなかったり。
頼みのマーケットのオーガニックのお店でも、いつも冬になると
たいてい置いていたのに、私が行った時に限ってか、
「いつもあるのに、今日はないの〜」と言われ、
ひそかに「先週もなかったやん」と思いながらも、「来週は
持ってきてね〜」と愛想良くお願いしていたのに・・・

というわけで、やっと、新鮮で柔らかい大根が手に入ったのが
もうすっかり春らしくなった、今頃になってしまったのです。
冷凍庫で待ちくたびれていた鰯のつみれと鯛のすり身ボールに、
厚揚げ、卵、こんにゃく、じゃがいも、にんじん、昆布で今年の
おでんが出来上がりました。
近所に住む日本人のお友達も呼んで、一緒に楽しんだのですが、
その時に聞いた面白い話。
なんと、彼女のおうちではおでんには大根は入らなかったそう。
その理由は、お母さんが炊いた大根が嫌いだから・・・
大人になって外でおでんを食べた時に、はじめておでんには
大根を入れるのを知ったのだそうです。
家庭の味って、本当にそれぞれ違うものなんですね。

練り物には、一昨年は Whiting、昨年はHakeを使いましたが、
今年は鯛に1cm角くらいに切った玉ねぎを加えてみました。
日本でよく買っていた宮城県石巻市の高橋徳治商店さんの
商品の中でも特に好きだった、鯛の玉ねぎボールを思い出して
のことです。
今までどうしても、ムチっとした食感が出なかったのですが、
ネットで調べてみると、揚げる温度が重要だとのこと。
100℃〜140℃の低温で、短時間で揚げるのだそうです。
これは含まれる酵素と関係があるのだと思いますが、詳しくは
わかりません。
少し固めでしたが、やや弾力のある食感が出たので、
これまでよりはずいぶんいい感じになりました。
ただ油が新しかったので色がつかず、色よく揚げるには、
油は古いものを使う方がいいようです。
柔らかくて弾力がある食感にはまだまだほど遠いですが、
毎年少しずつ進歩しています。

おでんの残り汁には、旨味がたっぷり。
2日後にはターナップを炊いて、お弁当のおかずにしました。
冷凍庫に少し残っていた鯛ボールも一緒に炊いたので、
練り物のストックもなくなり、またおいしい練り物作りに
挑戦しなければ。

先に書いた高橋徳治商店の練り物は、添加物を一切使わず、
地元の新鮮な魚だけで作られていて、絶品のおでん種でした。
共同購入を通じて買っていたのですが、そこのホームページで、
このお店が被災されたことを知りました。

22日現在、スタッフの方とは連絡が取れたそうですが、
工場も社屋も海岸近くにあるそうなので、大きな被害を
受けられたようだと書いてありました。
詳しい状況はまだわからないようですが、遠く離れた京都でも
こうやって被災地と繋がっていたのだと実感しました。
今後も情報をチェックして、このお店が復活してくださることを
祈りたいと思います。
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by happytable-eire | 2011-03-30 23:59 | ・Japanese | Comments(2)

発芽玄米

日本の大地震が起きてしばらくはぼおっとした日が続き、
気持ちはちょっと落ち着いてきましたが、なぜかお米やお豆、
味噌汁などが食べたくて仕方ありません。
情報を得ようと、ついついパソコンの前に座る時間が長くなり、
目が疲れて、肩や背中がこわばり、夜も眠りが浅いようです。
遠く離れていても日本の気と同調してるかのような体調の中、
きっと自分を取り戻そうとして、自然にそういうものを
体が求めているのだろうと思っています。

先日は玄米を炊こうとお昼前から水に浸けていたら、
急に出かけなければならなくなり、そのまま一晩おいて
朝になったら、玄米が発芽していました。
つまり「発芽玄米」になっていたわけです。
発芽玄米は日本では数年前から商品化されましたが、
なんてことはない、玄米なんですから水に浸けておけば
芽は出てあたりまえ、なんですね。

今使っている玄米は、Dublin Food Co-opで購入する
イタリア産のオーガニック玄米なのですが、これがなかなか
おいしいお米なんです。
小分けされている2キロの袋入りで買うと割高ですが、
Co-opの会員向けのまとめ買いで割安になるシステムを利用し、
25キロの袋で買って、友人たちと分けています。
玄米は保存もきくし、まわりに玄米を食べている人が
けっこういて助かっています。
高温乾燥されていると芽が出ないこともあるそうですが、
ちゃんと芽が出るということは、品質もいいのでしょう。

日本で使っていた炊飯器には発芽機能付きでした。
炊飯器で温度を一定に保ってくれるので、理想的な状態で
発芽するのが魅力です。
時々作っていましたが、けっこう長時間を取られるので、
毎日利用する炊飯器で作るのは、なんとも不便でした。
こちらへ来て以来、発芽玄米のことなんてすっかり忘れて
いましたが、今回、偶然に発芽したことで思い出しました。

水温を測ってみると20℃。室温もだいたい20〜22℃。
この温度で一日半でここまで発芽するならとても簡単です。
はじめはもう少し水温を高めておけばいいかもしれません。

発芽玄米は玄米以上に栄養が豊富だそうです。
また発芽時にできる酵素によって、でんぷん質やタンパク質が
分解されて甘みや旨味が増し、ミネラルの消化吸収が効率よく
行なわれるそうです。
そのため健康への効果は玄米より高いと言われています。
そして何より魅力なのは、白米と同じように炊くことができること。
私は白米も圧力鍋で炊くので、多少の時間の違いだけですが、
炊飯器で白米と同じように炊けるのは、ずいぶん楽ですね。

久しぶりの発芽玄米ご飯は、体にやさしい感じがします。
色も白っぽく、口当たりも柔らかくて消化がいいのがわかります。
私はどちらかというと、普通の玄米ご飯の方が好きですが、
玄米を食べつけてない方や、玄米の臭いが苦手な方には、
とても食べやすいと思います。
また、玄米のようによくよく噛まなくても大丈夫かも。
好みに合わせて白米と混ぜて炊くこともできますね。

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これからは気温も水温も上がってくるので、作るのも簡単になりそうです。
ネットを検索すると、作り方はいろいろ出ていますが、
水温の違いで発芽する時間が変わってくるだけで、水を替えるとか替えないとかも、
そう神経質にならなくてもいいように思います。
写真は右が発芽したもの。胚芽の部分がちょこっと膨らんでいるのがわかります。
この程度でも炊いたご飯は玄米ご飯とはぜんぜん違います。

体が自然に求めるものを食べていると、体調も大きく崩すことは
ありません。
おいしいものはいくらでも食べたい私ですが、時には体の声を聞いて、
調子を整えたいと思います。
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by happytable-eire | 2011-03-20 23:59 | ・Japanese | Comments(6)

Beef in Guinness

3月17日はアイルランドの祝日、St. Patrick’s Dayでした。
この日はアイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの
命日にあたります。
キリスト教を布教するのにシャムロックの三つ葉を
父・子・聖霊に見立てて三位一体を説いたことから、
シャムロックが彼のシンボルとなり、それがアイルランドの
国花になるほど、アイルランドの歴史上、重要な人物です。
この日はアイルランドはもちろん、世界中でパレードが行われ、
お祝いムードいっぱいですが、人ごみが苦手な私は、たいてい
家でおとなしく過ごします。

Bacon and Cabbageなど伝統的な料理を食べる習慣もあるそうで、
やはりアイルランドらしい料理にしようと、Beef in Guinnessを
作りました。
というか、買い物に行かなくても材料が揃っていたのがその理由。
ギネスシチュウとも呼ばれるこの料理は、その名の通り、
牛肉をギネスビールでじっくりと煮込んだもの。
アイリッシュパブでは定番の料理というのもうなずけます。

この料理を初めて作ったのは、結婚してすぐ、ダブリンに
住んでいた時のことです。
兄からプレゼントしてもらった、アイルランド料理のバイブル
『The Ballymaloe Cookbook』のレシピ通りに、奮発して
すごい意気込みで作ったのですが、私にはギネスの苦みが強すぎ、
食べられませんでした。
その上、大量にできたので困ったのを思い出します。

それ以来、何度も作って来た料理ですが、日本では牛肉も
ギネスビールもこちらに比べるとずいぶん高いので、
そうそう気軽に作れる料理ではありませんでした。
今年になってやっと、自分でもおいしいと思えるのが
作れるようになり、この冬は本当によく作りました。
この料理は絶対に夏より冬に食べたい料理です。

Tamasin Day-Lewisの『Tamasin’s Kitchen Bible』掲載の
“Braised Beef with Guinness”のレシピを参考にしたのが
良かったようです。
とてもシンプルな料理なので、これまでのレシピとも
大きく違うことはないのですが、食材とギネスビールの
分量のバランスがいいということなのでしょう。
“Braised”というのは油で軽く炒めた食材をゆっくり煮込む料理法。
シチュウよりは水分が少ない感じですね。

キャセロールにオリーブオイルオイルをひき、大きく切った
牛肉に焼き目をつけて取り出し、食べやすい大きさに切った野菜と
にんにくを加えて、しっかり炒めます。
元のレシピでは玉ねぎと人参だけですが、私は必ずセロリ、
そしてターナップやマッシュルームも加えたりします。
小麦粉を振り入れてさらに炒めたところへ、トマトピューレを加え、
牛肉を戻します。
そしてそこへギネスビールをゆっくり注ぎます。
全体をよく混ぜたら、ブーケガルニを食材の下に入れて、
煮立ったらホイルかペーパーで覆って、その上にふたをして、
150度のオーブンで約1時間半煮込みます。
これでお肉とろとろの煮込みができあがります。
牛肉とギネスビール、両方のおいしさが引き立て合って、
適度な苦みとまったりとしたコクがたまりません。

ポイントはブーケガルニにオレンジピールを2本加えること、
さらに私は干しイチジクを2個ほど加えます。
このドライフルーツの甘みが、ギネスビールの苦みを抑え、
深みを与えてくれます。
そして付け合わせにはマッシュドポテトが欠かせません。
ギネスシチュウというと、じゃがいもも一緒に煮てある
ことが多いですが、私は別に添えるほうが絶対においしい、
と思います。

アイルランドの牛肉は草食で育つので、脂肪分が少ない赤身肉が
多いです。
それで私がよく使うのが、Brisketとよばれる部位。
Brisketのお肉は適度に脂肪も入っていて、やや硬めですが、
煮込みに向いていると思います。値段が安いのもうれしい。
お買い得な時に買って冷凍しておくと、いろいろ使えて便利。
あとは常備野菜と買い置きのギネスビールがあれば安心。
実はこの料理のために、ギネスの缶を1〜2本、
夫に見つからないように食品棚に隠してあるんです。

先週は寒さが戻っていましたが、ダブリンはもうすっかり春。
満開の桜も見られます。
Beef in Guinness を次に作るのは、秋になるかな。


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by happytable-eire | 2011-03-17 23:59 | ・Irish and others | Comments(6)

東北地方大地震

3月11日、日本で大変な地震と津波の大災害が起きて以来、
この一週間は、心ここにあらずという感じでした。
あの朝、訪れていた兄の家のテレビから流れてきた光景に
頭が真っ白になり、体が震えました。
続いて起こった原発の事故には「ついにこの日が来たか」と
打ちのめされてしまいました。

ここでいくら言葉を尽くしても、今の複雑な思いを表現
することはできません。
これだけのことを書けるようになるにも、一週間が必要でした。
ただ、犠牲になられた方の冥福と被災されている方への無事を
お祈りするばかりです。
それと同時に、この遠く離れたアイルランドからですが、
日本の復興の役に立てることを精一杯やっていくつもりです。

現在アイルランドに住む日本人も、皆同じ気持ちを持って
動き始めています。
昨日はSt.Patrick’s Dayのパレードなどでにぎわっていた
ダブリンの街でも、多くの日本人がアピールのビラまきや
メッセージを書いてもらう活動に集まったと聞いています。

私たちはここに平穏な生活があることに感謝しつつ、
日本のことをいつも心に思い、そして普段通りの生活を
きちんと送りたいと思います。

日本でこのブログを見てくださっている皆さま、声を聞かせて
いただけるとうれしいです。

私は料理をすることで自分を取り戻せます。
このブログはゆっくりでも綴っていきたいと思います。
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by happytable-eire | 2011-03-16 23:59 | etc. | Comments(3)

「It’s Pancake Tuesday, today!」

お昼頃にこんなテキストメッセージが入りました。
誰かと思えば息子です。つまり、
そのまま「今日はパンケーキの日」ですが、つまりは
「作って」という意味。
「So?(で?)」と返しましたが、やっぱり作ってしまいました。
私だって数日前まで憶えていたんですよ。
どこへ買い物に行っても、パンケーキミックス、瓶入のレモン汁、
蜂蜜、Nutellaなどを集めたコーナーがありますし、出来上がった
パンケーキも大安売りしています。
ただ今日はすっかり頭から抜けていたのは確かなので、
息子に感謝しておきましょう。
パンケーキはパンを切らしている時にもよく作りますが、
「パンケーキを食べる火曜日」は年に一度しか来ませんからね。

普段はパンケーキなんて、小麦粉と卵とミルクをテキトーに混ぜても、
そう失敗することもないのですが、今日はきちんとレシピに添って
作ることにしました。
選んだのはHugh Fearnley-Whttingstallの『River Cottage Everyday』の
表紙にも使われているレシピ。
彼の人気シリーズ、River Cottageの昨年度版です。

これは特に彼の毎日の生活に根付いているレシピを集めていて、
まさに地が足についた感じのレシピばかり。
基本に忠実、でも彼なりのテイストも加味されていて、
何より作りやすいレシピが多いのがいいところ。
挿入されているイラストに遊びがあって、本の装丁も可愛いので
お気に入りの本です。

このレシピのタイトルは「Perfect Pancakes」。
彼が少なくとも週に一度は食べるというパンケーキです。
そして、完璧と彼が言い切るゆえんは、その薄さにありました。
小麦粉125gと塩ひとつまみを合わせてふるって中心をくぼませ、
軽く割りほぐしたMサイズの卵1個、ミルク少々を加えて
泡立器で混ぜていきます。(この分量は元のレシピの半量)
まとまってきたら、またミルクを少し加えて外側の粉と混ぜて、
全部のミルク300ccが混ざったら生地の出来上がり。

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ここで生地の柔らかさをチェックするのが重要なポイント、だと書かかれています。
生クリームのシングルクリームの柔らかさ、と彼は表現していて、まだ堅すぎるようなら、
ここでミルクをもう少し加えます。
シングルクリームとは、コーヒーなどに使われる脂肪分が低めの生クリームです。
そして最低30分寝かせることもポイントのひとつ。
寝かせることで多少ブツブツしている生地も、なめらかにトローリとしてきます。
そして焼く前にもう一度柔らかさのチェック。
今日は私ももう少しミルクを加えました。
後はよく熱したノンスティックのフライパンに薄くのばして1分ほどでひっくり返して、また1分。

この焼き時間で、いかに薄いかがわかると思います。
でも、これがクレープかと言うと、そうではないんですね。
あくまでもパンケーキはパンケーキ。
クレープよりは卵が少ない感じです。

表紙の写真も、彼ができたパンケーキにレモンを搾っているところ。
パンケーキにはキャスターシュガーがふりかけられています。
これぞ正統派パンケーキの食べ方のようです。
直径15cmほどの小さなフライパンで焼いたので、ひとりで4枚も
食べてしまいました。
レモン汁と蜂蜜をかけてもおいしかったです。
というわけで、今日の写真は私の昼食となったパンケーキを
本の写真と似たコーディネイトで撮ってみました。

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夕方に用事で出かけたので、息子のためには生地のままでおいておきました。
パンケーキはやっぱり焼きたてが一番ですから。
帰宅すると、残っていた生地はきれいになくなっていて、
焼いたのも1枚も残っていませんでした。
あと10枚は焼けたはずだと思うんだけど・・・
夕食の食卓についた夫に「パンケーキは?」と聞かれ、
残しておかなかった息子が謝っていました。

この薄さを英国式の完璧なパンケーキというなら、
私がテキトーに作るのは、アメリカンタイプに近いかな。
ふわふわのは好きではないけれど、もう少し厚みがあって、
食べごたえのある感じ。
卵の入らない、そば粉のパンケーキも好きです。

そういえば最近、パンケーキを作ることが減っていましたが、
またいろいろ作ってみたくなりました。
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by happytable-eire | 2011-03-08 23:59 | ・Irish and others | Comments(4)

京都の和菓子

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もう数週間前になりますが、京都在住のアイリッシュの友人が、ダブリン空港から故郷への移動の前にうちへ寄ってくれました。
その時にお土産に持ってきてくれたのが、京都「鼓月」の和菓子。春らしいお菓子を集めた詰め合わせでした。
「苺かれん」「つみつみ」「花すだれ」の三種のお菓子で、桜やよもぎの風味という定番に加えて、苺が取り入れられるようになったのは、
苺大福のヒットからでしょうか。

で、食べた時に何より驚いたのがこの包み紙でした。
巾着型は丸い紙に包んでぎゅっと絞ってあるのが想像ついた
のですが、驚いたのはあとのふたつ。
両方とも開くと正方形の紙。
思わず「おおっ」と声が出るほど感激してしまいました。

特に「苺かれん」は苺をかたどって染め分けた紙の中に
ちゃんとお菓子が包まれていて、苺の形に折ってあります。
折り紙の感覚です。
中身は苺ミルク味のくずもちのようなお菓子。
柔らかい状態を固めるための型の役目も、この包み方によるもの。
中身の味よりも、このお菓子丸ごとの企画力に感心しました。
正直言って、はじめに見たときは可愛らしさが押し出され過ぎな
印象を受けたのですが、それ以上の驚きがありました。
これはまさに日本ならではの美意識から生まれたものです。

昔から言われることですが、京都の良さは伝統を守り伝える
頑固さに加えて、革新的な新しさも受け入れるところ。
大げさかもしれないけれど、それはこんなところにも現れている
ような気がしました。

「鼓月」という和菓子屋さんは、HPを見ると創業が昭和20年
というから、65年以上続いているお店です。
創業400年以上なんていう老舗和菓子屋もある京都では、
まだ新しいうちにはいるでしょうけれど、ここのお菓子には
小さい頃から親しんできました。
お店の看板商品である「華」や「千寿せんべい」は贈答品として
よくいただいたものです。
うちの父は糖尿病のくせして千寿せんべいが特に好きだったなあ。
高級品ではないけれど、贈答品としては価格も手頃で使いやすい
のでしょう。
全国に名を馳せる有名店から、知る人ぞ知る小さい老舗、そして
庶民的な街の和菓子屋さんまで、時と場合に応じて選べる
層の厚さが京都にはあるんです。
大げさかもしれないけれど、京都の懐の深さを、こんな包み紙から
感じてました。

ずっと日本にいたら、こういうことも見逃していたかも。
日本の良さ、京都の良さを感じる機会は、海外に住んで確実に
増えています。
この感覚は大切にしたいと思うこのごろです。

ちなみに京都では「三代住まないと京都人ではない」といわれることが
ありますが、そうなると父親も、母方の祖父母も丹後地方出身の私は、
京都人とは言えないわけで・・・
「よそさんには、わからしまへんやろうけど…(微笑)」的な態度には、
住んでても違和感たっぷりだった私です。
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by happytable-eire | 2011-03-04 23:59 | ・Japanese | Comments(4)