愛蘭土の林檎の木の下で

granna.exblog.jp

カテゴリ:Baking( 44 )

Chiristmas Baking 2013

タイトルに“クリスマス“が続いてしまいました。
もう半月以上前のことなんですが、自分の覚え書きとして
書いておこうと思います。
時期がずれて間抜けですが、ご容赦を。

ご存知のように、敬虔なカトリックの国アイルランドでは、
クリスマスは一大行事。
11月の声を聞くと、すっかりクリスマスムードが高まり、
お店にもクリスマスものが並び始めます。
私のような宗教観のない者にとっては、
「ああ、またクリスマスか・・・」というのが正直なところ。
子どもも大きくなってしまったのもあって、こちらへ来てからは、
クリスマスが楽しみどころか、最近は苦痛にさえなっています。
クリスマス商品がこれでもかと並び、プレゼント商戦が
繰り広げられて煽られるほどに、白けた気分になってしまいます。

クリスマス用の焼き菓子は、これだけ市販のものが並んでいても、
やはり自分で作るという人もまだまだ多いようで、
お店にはドライフルーツのコーナーが設置されたりもします。
一昨年は体調がよくなかったのもあって、完全にパスしましたが、
私もやっぱり自分で焼かなくちゃ、という気分になります。
ただ、ミンスパイは好きなので、安さにつられてつい買ってしまいますが。

昨年のクリスマス前には2年ぶりにシュトーレンを焼きました。
以前にも一度シュトーレンのことを書きましたが、
あの時は自分が講習したレシピで作ったものでした。
昨年のはなんと、ビーガンバージョンのシュトーレン。

12月半ばに、FacebookのLA在住のお友達が紹介されているのを
見ました。
ビーガンレシピだったのですが、とても作りやすそうだったので、
興味がわきました。
シュトーレンといえば、たっぷりのドライフルーツはもちろん、
大量のバターを使うのが通常ですが、これはココナッツオイル
などを使っているので、とてもヘルシー。
先日来、近くのSUPERQUINN で見かけて気になっていた、
オーガニックのココナッツオイルを買ってきて、さっそく挑戦。

そして焼けたのがこれ。
生地もしっかりしていて、ココナッツオイルも主張しすぎず、
とても奥深い味わい。
元のレシピに、自家製のオレンジピールを加えたり、
菜種オイルの代わりにヘーゼルナッツオイルを使ったり、
アレンジはしましたが、それも成功でした。
e0149801_9503072.jpg



発酵時間も含めて、たった3時間ほどで焼けてこの出来なら、
私が使っていた、サワー生地とイーストの二段仕込みのものとは
比べ物にならない簡単さながら、大満足。
以前の記事でも書きましたが、私が目指すシュトーレンは、
京都の山奥、京北町の「ベッカライ・ヨナタン」のもの。
天然酵母や有機素材を使った滋味深い味にはかないませんが、
これもかなり後をひくおいしさでした。
この後、年末までに3回焼いて、日本にいる娘にも届けました。

そして、もうひとつのクリスマスベーキングは、やっぱり
ミンスパイ。
実は11月頃からバタバタしていたので、ミンスミートの仕込みを
すっかり忘れていたのであきらめていたんです。
クリスマスの数日前になって、9月に仕込んだCrème de Cassisを
思い出しました。
もうとっくに3ヶ月は過ぎているので、そろそろ漉して
熟成させなければなりません。
漉して残ったブラックカランツの実をどうしようかと考えていて、
ふと思いついたのが、これにドライフルーツを加えて、
ミンスミート代わりに使おうということでした。
ブランディーで漬けていたので、アルコール分はたっぷり。
適当にレーズン、オレンジピールやアーモンドを加えて、
ミンスパイを作ってみたら、大当たり!
ホンモノのミンスパイとは言えないかもしれませんが、
ベリー感がさわやかで、私好み。
ついつい食べ過ぎてしまうおいしさでした。

写真はクリスマスの朝に、姉のところへ持って行く前に
大急ぎで撮ったもの。 
あ、パウダーシュガーを振るのをすっかり忘れてた。

こうしてクリスマスも無事に終わり、2013年が幕を閉じました。
e0149801_950754.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2014-01-14 23:59 | Baking | Comments(0)

Non-butter Scones

スコーンといえば、粉にバターを切り込んで、
ミルクでまとめて型で抜いて焼く、英国伝統のお菓子。
私にはもうずっと使っているレシピがありますが、
もともとのレシピがどこのものだったのかも、
もう憶えていないほど、なじんだレシピです。
使う素材に合うよう、配合も変えて作り上げました。
周りはカリッとしながら、中はしっとりふんわり、
口溶けがいい生地。
スコーンというと、もそもそした食感のものも多く、
あまり好きじゃないという人が結構おられますが、
自分で言うのもなんですが、私のスコーンは本物でした。
京都の楽天堂さんで売っていただいていた時も、
けっこうな人気だったと思います。
割れ目から上下半分に割って、温めてバターやジャム、
クリームをつけていただけば、ティータイムに最高。
私にとってスコーンは自慢の一品でした。

ところがアイルランドへ来て以来、そのレシピでは
気に入ったスコーンが安定して焼けなくなっていました。
これまでも、その試行錯誤については何度か書きました。

スコーンはシンプルな分、素材の質がストレートに
味に出ます。
小麦粉、バター、ミルク、ここで手に入る材料の質が
日本のものと比べて低いとは、とうてい思えないので、
レシピが材料に合っていないということなのでしょう。

先日、買ったまま忘れてしまって消費期限が過ぎた
生クリームがありました。
封が切っていなかったので、傷んではいないのですが、
容器がややふくらんで、発酵がすすんでいるようでした。
アイルランドの乳製品はで高品質。
牛乳は日本のほとんどのもののように、高温殺菌していないので、
ちゃんと 自然に酸っぱくなってしまうことも多いです。
生クリームも同じで、自然に発酵してしまうことがあります。
こういう時はそのままホイップすることはやめて、
料理やベーキングに使えば、発酵のコクも出て、
かえって風味が出ることも多いです。
(雑菌が混入して腐敗していたら、苦くなるのでわかります。
こういう時は、即廃棄。)

そこでふと思い出しました。
私が初めて教わったスコーンのレシピは、生クリームを使い、
バターを使うものではなかったこと。
私の料理の基礎を作ってくれた安田倶子先生の教室でのことで、
今から思うと、こちらのスコーンとはかなり違いますが、
日本で当時売られていた、もそもその(Afternoon Teaのとか)
スコーンよりは、数段しっとりとしておいしかったのです。

生クリームでスコーンを作ってみよう!
当時のレシピは全く憶えていないので、勘で適当に配合。
上部に厚さ2cmくらい固まっている乳脂肪分もたっぷり入れて
牛乳と混ぜ、生地を作って焼いてみました。
結果は上出来。
しっかりコクもあって、しっとりおいしいスコーンが焼けました。
見ての通り、まわりはカリッとした焼き上がり。
こねる時はちょっとコツが必要ですが、簡単だし、悪くないかも。
こちらの生クリームは小さいのでも250mlや300ml入り。
料理などに使って、半分ほど余ってしまうことも多々あります。
そんな時の利用法としても重宝です。

日本では、ナチュラルな生クリームがなかなか買えなくなりました。
植物性のは言うに及びませんが、乳脂肪のでも、保存料や安定剤が
添加されているものがほとんど。
実は日本の多くのケーキ屋さんで使用されている生クリームは、
ほとんどそういうものです。
ホイップクリームを絞り出した時の形状を数日保ち、
かつ日本の温かい気候の中でも傷まないようにするには、
そういう添加物が必要なのでしょうね。
たしかに日本のスイーツのレベルはますます高くなり、
デコレーションの美しさなど、ここのものとは比べ物に
なりませんが、こちらの残念なデコレーションも、
本質を考えると許せてしまうところもあります。

生クリームについてのうんちくはさておき、ノンバターのスコーン、
手軽さと残り物利用のために、私のスコーンを焼く回数が増えるかも。
e0149801_21463490.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2013-06-21 23:59 | Baking | Comments(0)

抹茶のスフレロール

3日の日曜日は、味噌作りワークショップの第一回目でした。
このシリーズは、アイルランドにお住まいの日本人に向けてのもの。
私が思っていたよりもずっと多くの方がお申し込みくださいました。
人数は多い方が、わずかでも麹の送料の割当が安くなるので、
本当にありがたいことでした。
一回目は無事に終了し、参加くださった方も楽しんでくださった様子。
写真が撮れなかったので、味噌作りの様子は次回の更新で。

甘酒は作業に入る前に、そして作業が終わったらお昼ご飯です。
メインは私が昨年作ったお味噌を使ったお味噌汁。
お味噌の旨味を味わってもらうために具はシンプルにして、
簡単なお惣菜とお漬け物とうちが食べている七分つきご飯の一汁三菜。

そしてお菓子は抹茶のスフレロールを準備しました。
ここ数ヶ月、ちょっとはまっているお菓子です。
レシピは小嶋ルミさんの『知りたがりの、お菓子レシピ』のスフレロール。


この本は技術的には懇切丁寧に書いてあり、初心者向けでもありますが、
卵まで1グラム単位になっていると、ちょっと臆してしまうかもしれません。
レシピは全体に甘さがかなり控え目なので、私は砂糖を増やしたり、
グラム単位の量を加減したりと、かなり適当にやりますが、
それでも確かにおいしい、日本人好みのお菓子のレシピです。

スフレの作り方で生地を作るので、ふんわりした食感が楽しめます。
抹茶が入ると少し生地はしまりますが、それでも普通のスポンジよりは
バターの味もしっかりしながら、きめ細かく柔らかく焼けます。
色よく焼けたので、上面を外側にして巻いてみたら、落ち着いたイメージで、
より和風な感じがします。
漆の菓子皿にのせてみたらますます”和”。
中はシンプルに生クリームのみ。

日本のロールケーキブームはこの10年ほどでしょうか。
シンプルでノスタルジックなイメージも時代のニーズと合ったのか、
有名店のものは行列ができるとか、なかなか買えない時期もありました。
(すみません、今の状況は分かりませんが、ちょっと落ち着いてる?)

私はそういう流行ものを追っかけることがまずないので、
いただく機会があればありがたくいただくくらい。
大阪で有名な堂島ロールは何度かいただいたことがありますが、
私にはクリームの量がちょっと多過ぎました。

「ロールケーキ」というのは意外にも実は和製英語。
英語では"Swiss Roll"(スイスロール)、またはフランス語の"Roulade"
(ルーラード)をそのまま使います。
でもスイスロールと日本のロールケーキはこれまた違うんですよね。
こちらのロール系は生地が甘く、クリームには甘みを付けないことのが
日本のとの一番の違いだと、アイリッシュに食べてもらった時に
説明して気づきました。
フォークがすっと入る、しっとり柔らかく甘さを押さえた生地に
ほんのり甘いクリーム、これこそが日本のロールケーキですよね。

夜のお客様にも大好評だったし、このロールケーキのマイブームは続きそうです。
e0149801_23503740.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2013-03-04 23:59 | Baking | Comments(0)

砂糖漬け野菜入りパウンドケーキ

先日のお客様の時、デザートというよりお茶うけに出したのが、
砂糖漬け野菜を焼き込んだパウンドケーキ。
日本から帰る時に大阪の友人がくれたお土産が、大阪八尾市にある
『桃林堂』というお店の『五智果』という野菜と果物の砂糖漬け。
見事に砂糖漬けにされた野菜や果物が、細長い箱に美しく
パッケージされ、何となくもったいなくて開けられないままに
いました。
e0149801_118588.jpg


もったいなかったのもあるのですが、このままいただくよりも、
この美しさと野菜の風味を生かせないかと考えて、
ケーキに入れてみようかと思いついたのでした。
まったくの思いつきで、ちゃんと味の想像がついたわけでは
なかったのですが、思いついたからにはトライしてみなくては。
『五智果』の内容は季節によって変わるようですが、
いただいたのに入っていたのは、蓮根、蕗、ごぼう、人参、生姜、

洋梨、金柑、オレンジ、いちじくでした。
特にいちじくはしっとりと柔らかく、干しいちじくとはまったく違う、
初めての食感。見事に和菓子になっています。

それぞれを味見して、バランスを考えて、金柑といちじくは残し、
その他のを1cm角くらいに刻んで、シンプルなパウンドケーキに
加えて焼き込みました。
バター、砂糖、卵、粉が同量ずつの基本的なレシピですが、
砂糖はソフトブラウンシュガーで、砂糖漬けの甘みも考えて
やや控え目に。
あまりフワフワとしたケーキにはしたくなかったので、
粉にはベーキングパウダーは加えずに、バターと砂糖を合わせた
ところに空気をしっかり含ませて、焼きました。
また、焼き上がった後はホイルに包んで、野菜の風味を生地に
移すようにしてみました。

さて出来上がりは、切り分けた時の人参やオレンジの赤や、
蕗の緑など、自然の色合いがきれい。
それぞれの野菜の主張は強すぎず、でも食べた時になんとなく
野菜の風味がやさしく感じられます。
ごぼうはアクがきれいに抜かれ過ぎてて、せっかくの強い風味が
消えていたし、洋梨もあまり何かわからない感じでしたが、
他のと一緒になると、それぞれの味と風味が相互作用し合うのか、
全体に不思議とまとまった味の、和風のケーキに仕上りました。
指でつまめるくらいの大きさに切り分けて、朱塗りのお盆に
盛りつけたら、とても上品。

『五智果』とは五つの色も意味するようですが、まさにその名通りの
仕上がりでした。
こんな贅沢なケーキ、なかなか焼ける物ではありませんが、
野菜の砂糖漬けの良さを十分楽しめたと思います。
このケーキ、2日目のほうがしっとりと全体の味がよりなじんで、
野菜の風味ももっと楽しめました。

「大阪にはこれ、というお土産がなかなかあらへんのんやけど」と
言いながら、これをくれた友人に感謝。
いえいえ、日本の和菓子の職人技を感じさせる素敵な一品でした。
e0149801_1154772.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2012-10-31 23:59 | Baking | Comments(2)

米ぬかクッキー

今年に入って、白米は買わなくなり、25キロの袋で買う
オーガニックの玄米を七分つきにして食べていることを
先日のブログに書きました。
おいしくてついつい食べ過ぎてしまうほどなのですが、
意外にたくさんできて、たまってしまうのが米ぬかです。

玄米を白米に精米すると、重量で約1割の米ぬかが出ます。
え、そんなに?と思う量ですが、実際に自分で精米していると、
その量を実感します。
漬物のぬか床にしてようかと、先日から2-3回分ずつ炒って
ためていたのですが、この夏はまた日本なので、ぬか床を
長期においておくわけにもいかないことに気づきました。

子どもが行っていた幼稚園は玄米正食の給食があり、
お母さんたちが交替で手伝いに行っていたのですが、
食器を洗うのは、ぬかを布に包んだものでした。
それも意外にきれいになりましたよ。
でも食器洗いは私の一番嫌いな家事なので、これは食洗器まかせ。

それなら他の方法で消費しようと、クッキーを焼いてみました。
米ぬかは米油が取れるほど、脂肪分を含んでいるので、
長期に保存すると酸化して、身体にもよくありません。
出来るだけ手軽に素早く消費したいもの。
出来立ての米ぬかと薄力粉を合わせ、砂糖、スパイスも加えて
よく混ぜておきます。
今回はシナモンとジンジャーパウダー。
そこへ豆乳と菜種油を合わせたのを加え、生地をまとめます。
うちの子どもがアレルギーで乳製品が食べられなかった時に、
使っていたレシピを元にしました。

薄くのばして、型抜きをしようと思ったら、柔らか過ぎて
扱いにくかったので、丸めた生地を押さえてつぶすことに
しました。
ガラス製のミルクピッチャーの彫り模様がある底に
薄くバターを塗って、砂糖をつけてから生地を押さえると、
丸く伸びて、かつ、うっすら模様もついて、砂糖も均一につきます。
この方法は、私が10歳の頃に初めて教えてもらったクッキーの
レシピから。
バター、砂糖、卵、小麦粉、バニラエッセンスだけの、超基本レシピ
でしたが、小学生の頃は、暇さえあれば焼いたものです。

さて、焼けた米ぬかクッキーは家族にもなかなか好評。
バターを使わずに焼いたので、さっくりというより、
軽くカリッと歯ごたえもあって、小腹が空いた時にいい感じ。
ジンジャーとシナモンの香りも程よく効いています。
米ぬかクッキーって、ダイエット食品としても人気があるようですね。

玄米をもっと食べたいけれど、水につけておいたり、炊飯時間も
長くかかるので、ついつい回数が減っています。
玄米に含まれる豊富な栄養素は、全体の10%のぬかの部分に
95%が含まれるとか。
白米を食べていても、米ぬかを食べて補給するというのは、
栄養面だけを考えると、とてもいいことです。
もちろん、玄米を食べるということには、栄養うんぬん以上の
ものがあるので、米ぬかを食べればいいというわけでは
決してありませんが・・・

もうちょっと試行錯誤が必要ですが、米ぬかクッキーが
たまる一方の米ぬか消費に一役買ってくれそうです。
e0149801_8452991.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2012-03-14 23:59 | Baking | Comments(2)

Brownies

今日は教えている学校の料理クラスの日。
メニューはマカロニチーズとブラウニーという、
アイリッシュの子どもなら、誰もが喜ぶ2品です。
今日は私がデモをせずに、自分たちでレシピを読んで、
レシピに添って作るのが指導目標の一つ。
簡単なことだと思えますが、これが子どもたちにとっては、
そう簡単なことではありません。
レシピも読まずに聞いてくるので、「レシピを読みなさい」と
何度も言わなくてはなりません。
それでも、グループにリーダーシップをとれる子がいると、
うまく指示をして手際よく進めてくれます。
作って、食べて、後片付けが全部終了するまで約1時間半。
今日はどのグループも二品とも上手にできて、大満足。
たいへんよくできました◎!

一つのグループはブラウニーを7-8cm角くらいに切り分けて、
アイリッシュサイズのジャンボブラウニーにかぶりついていました。
欲を言えば、ちょっと焼き過ぎでしたが、これはオーブンのせいもあり、
なかなか難しいところです。
実は実習に使っているのは、学校にある施設のケータリング用の厨房。
オーブンも含めて何もかもが大型で、使い勝手も悪く、教えるのには
まったく適していません。
一部の先生方が、調理実習室の設置を働きかけてくださっているので、
それが実現するまでは仕方ありませんが。

ブラウニーはアメリカンケーキの代表のイメージがありますが、
ヨーロッパでも日本でも、その名はしっかり根付いているようです。
ウィキペディアによると、120年ほど前のシカゴ万国博覧会の時に、
ケーキ一切れよりも小さく、ランチボックスから気軽に出して
食べられるようなデザートとして考案されたものだそう。
見かけそのままの名前も、何となく愛らしい響きがあって、
万人に愛されているお菓子のひとつです。
チョコレートブラウニーともいうけど、チョコレートじゃない
ブラウニーってあり得ないですよね。

私がブラウニーに持っているイメージは、ケーキほどふわふわでなく、
しっとりした密な食感と、手軽に食べられるカジュアルさ。
高さはせいぜい2cmで、正方形に切り分けるというところでしょうか。
実は、これまで自分では余り焼くことのなかったお菓子で、
「これ」といった自分なりのレシピは持っていませんでした。
実は前期のクラスで作った時は、試作を何度もする時間がなく、
前の先生が使っていたレシピをそのまま拝借しました。
そしたら、甘いこと甘いこと。
また、そのレシピで製菓用のダークチョコレートを使ったら、
油分が多すぎ、べたっとした感じになりました。
やっぱり手を抜くとダメですね。

e0149801_1103168.jpgというわけで、今回はちゃんと試作をして、レシピを修正しました。
砂糖は30%カットして、インスタントコーヒーを加えて、風味をプラス。
最近は普通の板チョコレートで、ココアの含有量が70%以上のものが
たくさん出回っていて、製菓用のものよりも安かったりするので、そちらを使う方が簡単。
授業に使うレシピは出来るだけシンプルにすることを心がけています。
表面はさくっとしながら、中はちょっと柔らかめに焼き上げ、お皿はあえて、いかにも英国風のに盛りつけて撮ってみました。
これはくるみも入らないプレーンなブラウニーです。

余談ですが、今日のマカロニチーズには、ブロッコリーを加えるレシピに
してみました。
どのグループも下準備まではしたのに、最終的にブロッコリーを加えた
のは、3グループのうち1グループのみ。
彩りのパセリまで外してました。
はぁ〜、あの子たちに野菜のおいしさを知ってもらうのは、なかなか
簡単なことではありません。
さて、来週は生地から作るピッツァです。
[PR]
by happytable-eire | 2012-03-13 23:59 | Baking | Comments(0)

Ciabatta

最近よく買うようになったのが、イタリアのリーンなパン、
チャバッタ。
日本ではまだあまり一般的にはなっていないパンだけれど、
横にスライスして具をはさんで食べるのにもよく、
もちっとした食感も私好み。

よく買うようになったのは、息子のランチのサンドイッチ用。
いわゆる普通の市販の食パンに飽きてきたらしく、
食パンが続くと不満が出ます。
パンでバリエーションをつけようというわけです。

意外に思われるでしょうが、アイルランドにはおいしいパンが
あまりないんです。
ソーダブレッドは別ですが、イースト系のパンのレベルは低いです。
地元の小さなベーカリーはどんどん姿を消し、スーパー併設の
ベーカリーでは、冷凍パン生地を焼いているだけなので、
どこの店のパンも同じような味。
わざわざ足を運んででも買いに行きたいと思えるほどの、
おいしいベーカリーは本当に数少ないのです。
特に私が好きな、おいしいバゲットはめったにありません。
まずいバゲットを買うくらいなら、チャバッタの方がまだ失敗が
ないことに気がついたのです。

私の地元、京都はおいしいベーカリーが多いので有名。
京都の人は特にリーンなパンを好むそうです。
京都の家のすぐ近くの今出川通は、「ベーカリー激戦通」と
呼ばれるほど、有名なお店が連なっています。
特に好きだったのはフランス系のリーンなパンがおいしい
『Le Petit Mec』ですが、何と東京にも進出したとか。
パンには少々うるさかった私にとっては、恵まれた環境
だっただけに、こちらのベーカリー事情にはがっかり。
それが自分でパンを焼くことにもつながっていたのですが、
2年前からのいわゆる『○十肩』でパンがこねられなくなって、
すっかりパン作りから遠ざかっていました。
一旦よくなっていたのですが、最近また再発し、どうも力が
はいらなくなっています。
先日ふと、チャバッタのレシピを見てみたら、なんと!
こねなくてもいいらしい。これならできる!
中種法で作るレシピもありますが、とりあえず長時間発酵で
さっそくトライしてみました。

特徴は水分量が多いこと。
粉の重量に対して水100%というレシピもあって驚きました。
何度かやってみて、水分量90%がいい感じです。
粉にも強力粉に薄力粉を配合して、塩とごく少量のイースト、
オリーブオイル、水を加えてよくかき混ぜるだけ。
発酵時間は10〜18時間とレシピによって幅がありますが、
これは室温などの環境によっても変わるので、目安として
大きな気泡がぶくぶくと出てくるまで、ただただ放置。
今のここの室温なら長時間発酵にちょうどいい感じです。
私は鍋カバーをかけて、大きな温度変化を防いでいます。

あとはベタベタの生地を何とか成型して、2時間ほどかけて
二次発酵させ、210℃で焼き上げます。
生地が柔らかく、成型は難しいですが、オイルを塗ったラップ
などをうまく使ってまとめます。
「ciabatta」というのは、イタリア語でスリッパを意味する
そうなので、もともとぺったりした形なんですね。
釜伸びもあほとんどしませんが、クラストはカリッと、クラムは
しっとりもちもち、気泡がたくさんあって、口溶けもいい。

昨日はちょうどランチタイムに焼き上がったので、
マッシュルーム、トマト、チーズを入れたオムレツをはさんで
食べました。
イタリアのパンだけに、オリーブオイルをつけて食べると
おいしいし、ガーリックトーストにもいい。

私の肩が治るまで、しばらくチャバッタにお世話になります。

昨日のレシピ (30cmくらいのが2本)
Strong flour 400g, Plain flour 100g,
Fast action yeast 1g, Salt 8g
Olive oil(EV)20g, Water 450cc
e0149801_1154677.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2012-03-08 23:59 | Baking | Comments(2)

Mince Pie 2011

ああ、もう12月だなあと思ったらあっという間にクリスマス。
師走の慌ただしさはどこも同じですが、日本の区切りのお正月よりも、
アイルランドの区切りのクリスマスは一週間近く早いせいで、
余計に12月を短く感じるのかもしれません。

さてクリスマスといえば、必ず焼くのがミンスパイ
昨年使った一年熟成のミンスミートがまだ少し残っていて、
さらに熟成が進んでいたのですが、今年は新しいバージョンに挑戦。
先日テレビでやっていた、英国の料理研究家Nigella Lawsonの
クリスマス料理の番組で見たミンスミートにヒントをもらいました。

まず、フレッシュのクランベリーと砂糖を鍋に入れて火にかけ、
クランベリーがはじけてきたら、ミンスミートを加えました。
割合も適当でしたが、クランベリーはかなり酸っぱいので、
混ぜてから甘さを調整。ポートも少しだけ加えました。
いつものミンスミートより甘さも控えめで、クランベリーの酸味が
さわやかです。
生のクランベリーを使っているので、まったりと熟成していた
ミンスミートにフレッシュ感が加わって、とてもいい感じ。
これはなかなかうまくいきました。

元のNigella Lawsonのレシピでは、クランベリーを煮たところに
ドライフルーツやスパイス、お酒もたっぷり加えますが、
熟成させることなくそのまま使う即席のミンスミートです。
興味のある方はこちらでチェックしてみてください。

今年はミンスパイの生地もひと工夫。
アーモンドの粉とシナモンを加えてみたのですが、これもなかなか
うまくいって、さっくりと軽い仕上がり。
シナモンはほんのりと香りますが、もう少し多めに加えても
いいかもしれません。
ただ水を加え過ぎて生地が少し柔らかめだったので、のばした時に
扱いにくく、焼き上がりがかなり不細工。
でも、先日うちでお茶した時に食べてくれたアメリカ人の友人が、
これまで食べた中で最高においしいミンスパイだと褒めてくれた
ので、味で勝負はできたようです。

クランベリーを混ぜなかった、二年熟成のミンスミートの方も、
王道のおいしさ。
実は時々、様子を見てはお酒を加えたりしていたので、
甘さだけでなく、大人の味です。
家族にも両方とも大好評でした。

e0149801_12123873.jpg思えば昨年は11月末から大雪で、12月の前半はほとんど家に閉じこもり切りでした。
一旦消えた雪も、クリスマス前に再度降り、買い物も大変だったし。
今年は今のところ暖かすぎるほどの冬ですが、クリスマスは確実に3日後。ホワイトクリスマスにはなりそうもありません。

さて今年のミンスパイは、写真で見てもやっぱり不細工ですが、私は特にお気に入り。
先日、マーケットで買ったばかりのアンティークのお皿に並べてみたのですが、色と図柄がちょっとクリスマスっぽい?
裏のマークから調べて見ると、50〜60年くらい前のもののようです。
このところ、フリーマーケットで古いキッチンツールやテーブルウェアを捜すのが楽しくなっています。
また、ぼちぼちと登場させますね。
[PR]
by happytable-eire | 2011-12-21 23:59 | Baking | Comments(0)

タタン風アップルケーキ

タルトタタン(Tarte Tatin)は有名なフランスのお菓子。
フランスのロワール地方でホテルを経営していたタタン姉妹が
失敗して焦がしかけたアップルパイをひっくり返して出したのが
評判になったとか言われていますが、これも諸説あるようです。

私はキャラメル味が大好きで、りんごがしっかりキャラメライズ
された甘くてほろ苦い味は、ツボにはまります。
ただ本当においしいタルトタタンにはめったにお目にかかれません。
タルト地(パイ生地のこともありますが)がりんごとしっくり
なじんでなかったり、生地がべっとりしてたりしたらもう最悪。
そんなわけで、数年前にふとやってみたのが、タルト地をケーキに
することでした。
これが大成功で、それ以来はタタン風アップルケーキとして、
京都でやっていた料理教室でも講習したことがあります。

りんごをいい具合に焼きながら、しっかりキャラメライズするのは
けっこう難しいのですが、私はそれもオーブンでやってしまいます。
キャラメルソースを作って型に流し、そこに大きく切ったりんごを
しっかり詰めてバターを散らして焼き、りんごがしっかり焼けて
から、その上にバターケーキ地をのせて焼きます。
焼いて一日置くとりんごとケーキがよりなじみますが、
焼きたてにアイスクリームを添えて食べるのも、いいものです。

ただ、このケーキを作る時は生食用のりんご(eating apple)を
使わなくてはいけません。
日本では紅玉を使っていましたが、こちらのクッキングアップルは
火が通るととぐずぐずになってしまうので適しません。
先日、Granny Smithというりんごを使って作ったら、クッキング
アップルほどではありませんが、かなり形が崩れてしまいました。
おかげで種類の違うりんごで焼き直しするはめになりました。
日本でもGranny Smithが手に入ると、料理によく使いましたが、
食べるにも酸味がおいしくて、お気に入りのりんごでした。
もちろん、型くずれしたのはもう一度しっかりつぶして煮て、
ビン一杯のキャラメル味のアップルソースとなりました。
パンケーキに添えたり、お肉のソースとしても使えそうです。

そうそう、これを同じレシピで柿でやってみたことがあります。
柿とキャラメルソースの組み合わせが、私は結構いけると思った
のですが、教室ではあまり評判は良くなかった記憶が・・・
やっぱり、これはりんごが一番かもしれません。

今回は丸型で焼きましたが、エンゼル型で焼いてもいいです。
りんごが型にいい具合におさまり、生地への火通りもよく、
私はよく使いました。

このケーキ、キャラメルの苦みとりんごの酸味で、まったく
甘ったるさがないのですが、実はキャラメルソースにたっぷりの
砂糖が使われています。
そうは見えないところが怖いのですが、スイーツはやっぱり心を
癒してくれますよね。
濃いめのミルクティーをいれて、幸せなお茶の時間になりました。
e0149801_2018136.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2011-12-04 23:59 | Baking | Comments(2)

ミンスパイの謎??

先日からカメラがトラブっていました。
撮った写真をPCに取り込む時に使うケーブルを日本に
置いてきたので、取り込む度にSDカードを取り出して
PCに落としています。
電池の入れ替えとSDカードの入れ替えが同じ取り出し口で、
そこの蓋が開かなくなっていました。
どうも何かがひっかかってしまうようなのですが、以前にも
そういうことがあり、応急処置で何とか使っていましたが、また・・・
根本的に問題が解決されたわけではないのですが、
どうにかカードを取り出せたので、前回の記事の時に撮った
ミンスパイの写真をアップしました。

その時に、いただいたコメントを読み返して、ふと気がつきました。
ひょっとして、クミコムさんはミンスミートにミンスミートが入っている、
と勘違いされている?
「ミンスミートにミンスミートが入ってる」って、何のこっちゃ?
ですが、私がいうところのミンスミート(mincemeat)は、
ミンスパイに詰めるミンスミートで、ドライフルーツや木の実、
りんごなどで作っています。
クミコムさんがコメントの中でおっしゃっているミンスミートは、
「挽肉」のミンスミート(minced meat)なのではないでしょうか?
ミンスパイには挽肉は入ってませんよーというわけで、
ちょっと補足しますね。

ミンスパイはもともと、昔は挽肉を詰めていたそう。
徐々にドライフルーツを主体とするものに変化したのだそうです。
でも名前はそのまま、ミンスミートなんですね。
それがこういう誤解を呼ぶことになっているわけで・・・
英語の”mince"には刻むとか細かく切るという意味があり、
"meat"は肉という意味だけでなく、食べる部分(身)の意味もあるので
おかしくはないのですが、カタカナで書くと間違われても当然ですよね。

私は使いませんが、クラシックなレシピではミンスミートには
牛のSuetと呼ばれる牛脂を加えます。
市販のびん入のにも牛脂が使われているものがあります。
脂肪を加えることで保存性を高めるのと、元の挽肉を使っていたことの
名残だと思われますが、最近は健康上の理由からも敬遠されがち。

牛脂といえば、クリスマスプディングにも入れるのがお決まりでしたが、
これも最近は軽めのものが好まれる傾向があるようです。
英国のカリスマシェフHeston Blumenthalが、英国の高級食材店の
Waitroseで彼の特製クリスマスプディングを売り出したところ、
あっという間に売り切れてしまい、販売価格13.99ポンドの商品が、
今やオークションで100ポンド以上に跳ね上がっているとか。
写真で見ると真ん中にオレンジをまるごと砂糖漬けにしたのがドーンと
入っていて、たしかにおいしそうです。
でもクリスマスプディングに100ポンド以上とは、ちょっと、ねぇ。
日本人の私にはどうしても理解できない感覚です。
[PR]
by happytable-eire | 2010-12-14 23:59 | Baking | Comments(2)