愛蘭土の林檎の木の下で

granna.exblog.jp

カテゴリ:・Japanese( 110 )

いちじくの村〜Vezenobles〜にて

2009年9月に初めて訪れ、昨年に続いて、またフランスのいちじくの村
Vezenoblesへ行ってきました。
今回は10月最終の週末に開催された、村の年中行事であるfête de la figue
(いちじく祭り)で、日本料理とお茶のデモンストレーションをするのが目的。
仕事半分、楽しみ半分という感じの旅でした。
お祭り中に料理とお茶、それぞれ2回ずつのデモがあり、各回定員数を
大きく上回る申し込みがあったそうで、日本文化への感心の高さが
伺われました。

また今年は出雲市の多伎町が名産品のいちじく繋がりで招待されており、
その歓迎の意味もあって日本関係のイベントが組み込まれたのです。
私のデモの他に、出雲市を舞台にした映画『Railways』の上映もありました。
実はこのお話があったのは9月に入ってから。
準備期間は短かったのですが、大変いい経験をさせていただきました。

以前のブログでも紹介しましたが、ヴェゼノブレは今も中世の面影が
色濃く残る素敵な村です。
お祭りでは中世の衣装に実を包んだ大道芸人のグループがパフォーマンスを
披露したり、石畳の両脇にはさまざまなお店が連なっていました。
お祭りにちなんで、またこの地方の産物でもある、いちじくを使った
さまざまな食品が主流。
お菓子類はもちろん、ジャム、ヴィネガー、シロップなどはどれを買えば
いいか迷うほどたくさんあり、珍しいところではいちじく入ソーセージも。
またいちじく以外でも、フランスならではのフォアグラ入りのマカロンまで。
出雲市多伎町のいちじく加工品も特別販売されて賑わっていました。
日本のいちじくは品種も違うので、地元のものとはまた違った味わい。
甘さが控えめで、あっさりしていましたが、それぞれに良さがあります。

残念ながらお祭りの間は仕事をしていたので、ゆっくりまわることも、
パフォーマンスを見物することもできませんでしたが、お天気に恵まれ、
その賑やかで楽しい雰囲気は十分に味わうことができました。

e0149801_2573917.jpg
さて、私の講習の日本料理デモのメニューはこちら。
一汁三菜のちょっとごちそうな家庭料理がイメージです。

いちじくの胡麻酢
鰯のつみれ焼き
青菜(Blette)のおひたし
栗とキノコの混ぜごはん
かぶ(Navet)の味噌汁

できるだけその土地の食材を使い、季節感をもりこみました。
いくつかの日本食材は輸入物ですが、地元で買えるものだけを使い、
できるだけシンプルな料理法にすることもこころがけました。


e0149801_1112862.jpg
いちじくの胡麻酢は、2年前にここでいろんないちじくを食べた時にひらめいたお料理ですし、
栗は近くの山地でとれるものです。
また南仏プロヴァンスから来る鰯もとても新鮮でした。
おひたしは地元でもよく使われるBletteという菜っ葉で、
日本のフダンソウと似ています。
お味噌汁の蕪も、日本のものよりは肉質がしっかりしていますが、
かわらぬおいしさでした。

もちろん、今回は地元在住の日本人の方に通訳をしていただきました。
通訳が介在することには不安もありましたが、それはまったく心配不要でした。
言葉以上に伝えることができた手応えもあり、とてもいい経験になりました。
また、参加者からの質問や感想は、私にとっても大変参考になりましたし、
きちんととった一番だしの味見の時に、海のイメージがパアッと広がったと、
素晴しいコメントをくださった方もありました。
さすが美食の国フランス、繊細な味覚をお持ちの方がいらっしゃいます。

全体的に試食の評判は上々。いちじくの胡麻酢はあちらでは想像もつかない
お料理のせいか、評価は分かれましたが、好きな方の評価は高かったです。
村の観光局にもいい反響があったようで、喜んでいただけてほっとしました。
お料理を通じての国際交流、これからも機会があれば、続けていきたいと
願っています。
[PR]
by happytable-eire | 2011-11-03 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

島豆腐とゆし豆腐

ダブリンは昨日から激しい雨が降り続き、今日も朝から一日中、
雨足がおさまることがありませんでした。
そしたらそこいら中で、浸水しているらしいのです。
道路が川や池のようになってしまっているとか。
道路が封鎖されたり、バスも止まって、帰宅に数時間もかかった
という話も。
幸いうちのあたりは被害はなかったのですが、それもそのはず、
今日一日で一ヶ月分の雨が降ったとか。
古い排水系では大量の雨を処理しきれずに、こういうことに
なるのでしょう。
地球温暖化の影響か、このところアイルランドも雨の降り方が
変わってきているようです。

そんな一日、友人と一緒に豆腐作りをしました。
今日の大きな目的は島豆腐作りに挑戦すること。
一緒に作った友人は沖縄に住んでいたので、彼女にとっては
なつかしい味。
私も島豆腐やゆし豆腐のことは前から聞いていて、興味が
ありました。
幸運にもつい先日、豆腐の木型などを譲ってもらったばかり。
500gの大豆は昨日から漬けて、道具も揃い、準備万端です。
ただ、前に作った時にいろいろメモしておいたノートが見つからず、
ネットで作り方を復習。ささっと作れるようになりたいものです。

漬けた大豆の半分は普通の豆腐にし、半分は島豆腐に。
島豆腐は何が違うかというと、その製法。
普通は生の大豆をミキサーでつぶし、それを炊いてから豆乳を
絞りますが、島豆腐は生のままで豆乳を絞り、それを炊いて
にがりを打ちます。
豆腐作りで一番大変な豆乳を絞るところで、炊きたて熱々なのと、
炊く前の状態という違い。
当然、熱くない方が楽かと思いきや、島豆腐の方が絞る時により
力は要りました。
シリコンミントを手にはめれば、熱くても結構楽に絞れるので、
手間はどっちもどっち。

まず先に普通の豆腐、そして島豆腐という順でつくりました。
普通は型に入れて固まったら、にがり抜きのために水にしばらく
さらしますが、島豆腐はそれもしないそうです。
その分、雑味も多いのですが、しっかりした大豆のこくが残り、
にがりの風味もしてワイルドな感じ。
出来上がりも滑らかどころか、ごつごつした表情。
厚みも半分ほどで、がっちりした感じです。
出来上がりの重さは、島豆腐は250gに対して、木綿豆腐は400g。
同量の豆なので、これは水分量の違いですから、それも納得。

島豆腐をチャンプルーにした時には、ごつごつした空洞に
食材の味がしみて、普通の豆腐で作るのとはまったく違うのだそう。
こういうのは、さすが地元で食べてたからこその感覚。
私もゴーヤチャンプルーが好きでよく作りましたが、島豆腐を
使ったことはありません。
できた島豆腐は、味見だけさせてもらって友人がお持ち帰り。
今夜の幸せな食卓を作ったことでしょう。
わが家では、木綿豆腐をあたたかい湯豆腐でいただきました。

e0149801_2271787.jpgさてさて、私にとっての今日のヒットは「ゆし豆腐」。
いわゆる島豆腐のおぼろ豆腐のことですが、にがりを打って、
かたまりかけた状態で、少し分けておきました。
友人によると、沖縄ではこれをお味噌汁に入れたり、沖縄そばにたっぷりかけて食べるそう。
さっそく、作ったあとのお昼のお味噌汁に入れてみました。
私はお味噌汁のお豆腐はあまり好きではなく、おぼろ豆腐を
入れる方が好きでした。
でも、おぼろ豆腐だと、お味噌汁全体にお豆腐が散ったように
なりますが、ゆし豆腐だとそれがなく、塊がちゃんと残り、
ぼこぼこした空洞に味がしみて、食感もしっかりあります。
ゆし豆腐のお味噌汁、これは高得点です。

出来上がったおからもおいしいだしをとって、人参、さやいんげん、
お揚げを加えて炊いて、そして最後にはたっぷりのネギで、
ほっこり味のおからの炊いたんになりました。

ちなみに沖縄ではおからは売ってないのだそう。
島豆腐のおからは生の状態だから?
その昔は沖縄では、どの家でも豚を飼っていたそうなので、飼料に
なったと考えられますが、どう利用されてるのかも興味があります。

私が育った家の近所にあったお豆腐屋さんでは、おからが大きな
三角おにぎりのようなかたちに絞られて並んでいたなあ。
その頃は、おからは京都人の食卓には欠かせないものでした。

大豆を炊く時の独特の青臭い香りも、郷愁を誘います。
これは自家製豆腐作りで味わえる、大きなおまけかもしれません。
[PR]
by happytable-eire | 2011-10-24 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

鯖のきずしと塩糀漬け

書き始めてふと「きずし」って漢字ではどう書くんだっけと思い、
調べてみたら、「生寿司」「生鮨」でした。
関東では「しめさば」と呼ぶほうが一般的らしいです。
また、鯖だけでなく他の青魚を同じように料理しても「きずし」と
いうようです。でも、私の中では「きずし」といえば鯖。
子どもの頃から、父の酒のあてに出てくるのをばくばくつまんで
いました。

この火曜日に久々にHowthで魚を買いました。
日曜日の漁が休みなので月曜日は新しい魚がなく、火曜日には
新しいのが入荷するので、お魚を買うにはいい日なのです。
パエリア用にエビと切り身のミックス、そして鯖。
小ぶりでしたが、とびきり新鮮に見えたので、とりあえず4尾で
2ユーロちょっとという安さでした。

家に帰ってさっそく、冷凍にしてあったスモークのハドック、
チョリソーなどを加えて、久々のパエリア。
で、夕食後に重い腰を上げて、鯖をさばきました。
新鮮なうちに処理しないともったいないですからね。
見かけ通り、内蔵を触っても手が臭わないほど新鮮な鯖を見て、
やる気がむくむくわいてきました。
これなら生で食べられると確信があったので、きずしにトライ。

e0149801_2332020.jpg三枚におろした身に多めの塩をして、冷蔵庫で一晩。
翌朝、塩を洗って小骨を抜いて、酢につけてしめます。
身がうっすら白くなってきたら、うす皮をむいて出来上がり。
夕食を待ちきれずに、薄く切って食べてみました。
かなり適当に作ったけど、おいしい!
鯖は見事に新鮮で、中心はうっすらピンク色。
塩も酢も「ええ加減」でした。
夕食の分を残して、あとは冷凍にしました。
大事をとって、寄生虫対策です。
夕食の時には、お醤油とわさびも添えましたが、そのままでもいけます。

息子からは、これで鯖寿司にして、とリクエストされました。
京都の肉厚のどっしりした鯖寿司のようにはとてもなりませんが、
一口サイズの可愛いのならできそうです。
これは次に新鮮な鯖に出会った時の課題ということで。

さてさて、きずしを作った残りの鯖も、おいしくいただきました。
ただものではない、絶品と言っていい、塩麹漬け焼きです。
塩麹、最近日本でブームになっている調味料です。
遅まきながら、夏に日本で買って帰って来たのを、いろいろと
試しているところで、使い方や使う量を試行錯誤中です。
まだもうひとつつかみきれていないうちに、残り少なくなって
きてしまったのですが、豚肉や豆腐を漬けて焼いたのも、
とってもおいしかった。

鯖には軽く塩をして、ジップロックに並べてほんの少量ずつ
塩こうじを振りかけてなじませ、空気を抜いて一日おいただけ。
私にとってはいつでも簡単に手に入る調味料ではないので、
少量で効率よく味をしみこませるには、ジップロックが有効です。
あとは高温のグリルでさっと両面を焼くだけ。
塩焼きよりもずっと旨味がのり、ほんのりとした甘みも出て、
鯖とは思えないおいしさになりました。

塩糀、2年ほど前から噂には聞いていましたが、こうやって
実際に使ってみると、ほんとうに使える調味料です。
糀によって生まれる旨味で、食材をグレードアップしてくれます。
糀さえあればあとは塩と混ぜるだけで、簡単に家庭でも作れるし、
最近は市販のものもいろいろ出ているようです。
私が使っているのは
こちら
の商品。
京都では楽天堂が取り扱っています。

うーん、こうなるとますます糀作りに挑戦の理由ができてきました。
実は秘かに準備中。
乞うご期待!
[PR]
by happytable-eire | 2011-10-20 23:59 | ・Japanese | Comments(2)

縄屋のお料理

昨年も紹介した、京丹後市弥栄町にある料理屋の「縄屋」さん、
今年の法事でも昼食をお世話になりました。
昨年は秋のお料理でしたが、今年は8月下旬だったので、
まだ夏らしいお料理をいただくことができました。
遅ればせながら紹介したいと思います。
いつもながら食いしん坊の私は、お料理を見たらすぐに
お箸を付けてしまい、まわりの人たちに「写真、写真」と
言われて慌てて撮る始末で、自分のお皿ではなく、他の人のを
撮らせてもらったことも・・・
でも、私をそんなにさせてしまうほどおいしく、目にも美しい
お料理が続いたのです。
はじめの3枚の写真は設定を間違えていたので、実物の色がまったく
出ていませんがお許しを。

前菜       胡瓜 さごし 人参 ヤングコーン 蒸し煮 
                赤紫蘇煮こごり  赤玉葱甘酢
e0149801_21183857.jpg
どの野菜も火の通り具合が絶妙で歯ごたえがいい。
赤紫蘇の爽やかな香りが夏らしく、野菜がおいしい一品でした。


椀        煮梅 白瓜 白ずいき 白木耳 澄まし仕立て
e0149801_2119727.jpg
これは、梅干しを水にさらして、出汁で炊いてあるそうです。
最高のだし汁に程よく酸味がきいていて絶品のおいしさ。
じわ〜っと身体にしみこんでいくような感じで、思わずため息がもれました。
また三種類の野菜の食感がそれぞれに個性があり、これも絶妙。
特に白ずいきの歯ごたえは他にはない感じ。
その取り合わせの素晴しさに感動しました。


造り       鯛 白いか さごし焼霜造り 山葵醤油
            鮪とモロヘイヤのすり流し
e0149801_2119335.jpg
モロヘイヤのすり流しと魚の組み合わせが私には新鮮でしたが、
これ、いけましたよ。
焼霜造りも香ばしさが絶妙でした。


焼       うなぎ白焼き わさび添え
e0149801_2120975.jpg
このお料理が全体では一番人気だったかも。
シンプルこの上ないお料理なのですが、うなぎの脂の落ち具合といい、
炭火で炙った皮目の香ばしさといい、最高の技術で仕上げられたお料理でした。


お凌ぎ      いちじく胡麻酢かけ
e0149801_21202845.jpg
私もよく作る一品ですが、胡麻酢のなめらかさ、上品さにやられました。
胡麻酢が程よくいちじくにからんでいて、目にも爽やかで美しい。


揚       鮎唐揚げ とうもろこしのかき揚げ
e0149801_21213930.jpg
この料理も料理人の技術を存分に味あわせてもらいました。
鮎は風干しされているそうで、塩味も程よくまわっていて、
何より揚げ加減が素晴しい。
見かけ以上に揚げ上がりが軽く、一瞬驚くほど。骨も当然、さくさく。
また、とうもろこしの甘さが軽い衣でまとめられ、これも絶妙でした。


御飯       白ご飯  お漬物
冷鉢       賀茂茄子 万願寺 南京煮こごり 
e0149801_2122375.jpg
土鍋で炊いたご飯のおいしさに、思わずおかわり。
かぼちゃは丸ごと炊いて、煮こごりを固めて切ってあります。
万願寺も賀茂なすもまさに夏の味覚。
さっと素揚げして出しにつけてよーく冷やしてあり、
白いご飯に合う一品でした。


デザート      桃アイス
溶ける前に食べたかったので、これは写真を撮るのをパス。
一口で桃の味が口一杯に広がり、幸せな気分になりました。
たぶん、丹後の地の桃を使われているのでしょうね。
色もやさしい桃色でした。

さてさて、縄屋さんのお料理を一緒に楽しんでいただけたでしょうか。
お料理を文章で伝えるのは本当に難しいですね。
昨年の記事でも書きましたが、遠くからわざわざ食事だけにでも
行きたいお店です。
ただ残念なのは、丹後の家からでも車でないと行きにくい場所なので、
お酒が飲めないこと。
一度は運転手付きで、おいしいお酒と一緒に堪能したいものです。

帰り際にご主人ともお話させていただきましたが、朴訥とした中に
芯の強さ、自分をしっかり持っていらっしゃる方だと思いました。
可愛らしい奥様とお二人で切り盛りされています。
まだまだお若いお二人、これからが楽しみなお店です。
本当にごちそうさまでした。

実はオリジナルでジャムやソースも作っていらっしゃって、
そのうちのバジルソースをひと瓶いただいてきました。
これも複雑な旨味があって、さすが料理人が作る特製ソースでした。
おすすめです。
それから雑誌『サライ』10月号に、お米のおいしいお店として
掲載されていて、代表的なお料理、こなれ寿司が紹介されている
そうです。
私も食べてみたーい。


魚菜料理 縄屋
京都府京丹後市弥栄町黒部2517
0772-65-2127 (要予約)
[PR]
by happytable-eire | 2011-09-21 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

夏の京都から

ここダブリンはすっかり秋、木の葉の色も紅葉し始めています。
でも、わたしと入れ違いに英国から京都へ戻った友人は、
京都の残暑に悲鳴を上げています。
今日の気温もまだ30度を超えるとか。
つい一週間前まで私もそこにいたのですが、もう遠い昔のことに
思えます。

日本にいる間は、やはりできるだけ日本らしい物が食べたくなります。
滞在中に食べた、そういうものを紹介します。

日本でしか食べられない新鮮な魚や豆腐、漬物、佃煮などはもちろんですが、
京都の和菓子はその美しさも素晴らしい。
e0149801_221030.jpg

これは友人が買ってきてくれた幸楽屋さんの『金魚鉢』という冷菓。
金魚の目まできちんとついていて、完成までいったいどれだけの緻密な作業が
あるかと想像するだけですごい。
こんなこと和菓子職人さんしかできませんよね。
お味はというと、かなり甘めで一つ食べるのもきつかったですが、
十分に目で楽しませていただきました。
京都には老舗の虎屋にも金魚をかたどった『錦玉羹』という季節菓子があるそうです。
ネットで見るだけでも、こちらはさらに素晴らしい完成度です。


これは日本の秋の味覚、さんまの刺し身。ピカピカ銀色に光っています。
お盆開けに丹後の間人の魚屋さんに出ていて、思わず買ってしまいました。
さんまはアイルランドでは食べられないし、ましてや刺身にできるほど
新鮮なさんまなんて、京都でもなかなかありませんからね。
生姜がなかったのは残念でしたが,脂が口の中でとろけるようで、
冷えたビールをお供に、秋の味覚を堪能しました。
e0149801_2212865.jpg


e0149801_2282485.jpg
さて、写真ではこれが何なのか、分かりにくいと思いますが、
「きごしょうの佃煮」と言ってもご存じない方が多いかもしれません。
「きごしょう」とは葉唐辛子のこと。
京都ではお盆開け頃から9月にかけて、ほぼ収穫が終わった唐辛子を
根こそぎ引っこ抜いたのが出回ります。
葉っぱだけを集めて袋詰めしたのもありますが、たいていはそのままで売っています。
私が見つけたのは、軒先で野菜を売っていらっしゃる地の農家さんのお家。
なつかしさのあまり、あと先考えずに思わず買ってしまいました。
でも買ったら最後、面倒な作業が待っています。

まず高さ1メートル程ある唐辛子の木から葉っぱをちぎって集めます。
まだ小さい唐辛子の実もたくさん残っていますが、それも一緒に。
子どもの頃は、この作業を母にやらされました。
葉っぱをちぎる指が、ほんのり唐辛子の匂いに染まります。

次は堅そうな葉っぱをのぞいてよく洗い、熱湯でさっとゆがいてあくを抜きます。
ちょっと水に放してぎゅっと絞り、ザクザクと粗く刻んで、醤油と酒を
加えただし汁でコトコトと炊きます。
私は、濃いめの味付けで佃煮にしてしまうより、薄味でさっと煮て、
まだ緑が残るくらいのほうが好きです。
最後に頂き物のちりめん山椒を加えて、きごしょうそのもののほんのりした
苦みを味わいます。
ああ、これこそ夏の、そして京都の味。
白いご飯にのせれば、あとは何も要りません。
それにしても、収穫が終わったあとの葉っぱまで食べる、京都人の始末と
食い気の感性には感心させられます。

今まで気にしたことなかったのですが、「きごしょう」って「木胡椒」と
書くんですよね。
「胡椒」は「柚子胡椒」と同じで唐辛子のことを指してるのだと、
今年初めて気がつきました。
「葉唐辛子」と呼ぶこともありますが、やっぱりきごしょうのほうが
風情があっていいですね。
夏の京都の暑さは大変でしたが、こんなふうに、この季節こその味もあり、
そういう意味では夏も悪くないと思うのでした。
[PR]
by happytable-eire | 2011-09-16 23:59 | ・Japanese | Comments(2)

チャリティディナー The Flavour of Japan

この一ヶ月近く、全く更新できずに失礼しました。
忙しかった理由は、6月20日にDublin の南のDalkeyで
東日本震災支援チャリティイベントを開催したから。
タイトルを「日本の味〜The Flavour of Japan〜」として、
アイルランドの方にホンモノの日本の味を知ってもらい、
また日本の被災地の実情を伝えて支援をアピールするのが
目的だったのですが、来て下さった約40名のお客様には
おいしい料理とお酒で、楽しい時間を過ごしていただけたと
思っています。
会場は6月初めにオープンしたThe Corner Note Café。
オーナーのMary Cavistonさんが、お休みの一日を私たちの
チャリティディナーに快く提供してくださいました。

料理はタイトル通り、日本独特の味や香りを目一杯楽しんで
いただけるように心がけました。
特に前菜としてお出しした「日本の味弁当」は、13品を
少しずつ盛り合わせ、箱の美しさも相まって、お客様からは
感嘆の声があがりました。
日本人には当たり前の料理を箱に詰めるというスタイルですが、
箱を開ける時のワクワク感を感じていただけたと思います。
“Bento Box”という言葉は、ずいぶん知られてきていますが、
今回使ったのは日本から取り寄せた白木の正方形だったので、
こちらの日本料理店で良く使われている松花堂タイプとは
ずいぶん違います。
料理屋さんのお重やお持ち帰り等に利用されているものですが、
召し上がっていただいた後は、お持ち帰りいただき、それも大変
喜ばれました。

主菜は、高級魚のモンクフィッシュ(あんこう)の三種盛り。
料理法のバリエーションとそれぞれにあった和の香りのソースで
召し上がっていただきました。

もちろん、これだけの仕事を私だけの力でできるはずもなく、
当日はアイルランド国内で活躍する2人の日本人シェフ、
宮崎さんと奥野さんが力を貸してくださいました。
また野菜の下ごしらえなどの手伝いにも友人が来てくれました。
当日、キッチンの指揮を執ってくださった宮崎さんは、普段は
Co. WestmeathのTemple Retreat & Spa内レストランの
ヘッドシェフ。
幅広い経験の上に実力とセンスも抜群の素晴らしい料理人です。
彼らのプロの技術に触れることができ、一緒に仕事ができただけで
私も学ぶことがたくさんあり、楽しい料理仕事になりました。

当日はお料理以外にも、たくさんの友人が手を貸してくれました。
チラシのデザイン、英語のコピーも素晴らしいものになりましたし、
会場を華やかにしてくれた生け花や、折り紙の技法を使った
箸置きと箸袋も、日本人の友人がそれぞれの力を発揮してくださって、
日本の美意識を伝えることができました。

また、当日の食材もたくさんのご寄付をいただきました。
特にここでは普通手に入らない日本の野菜を提供くださった
Elmhurst Cottage Organicsさんには感謝!
お弁当の中に入ったワサビ菜のおひたしは最高でした。
まただし巻きも、彼らのオーガニック卵のおかげで、しっかりと
卵の味が生きていました。
そして飾り用の細ネギも、本当にありがとうございました。

デザートに使った抹茶は、Koyu Matchaさんより提供いただきました。
こちらはアイルランドで抹茶を売っておられる、ユニークな会社。
おかげさまで抹茶のムースは大好評。ありがとうございました。

そして何より、このイベントのきっかけとなったBrendaに感謝。
5年前に京都に来られた時に友人を通じて出会って以来、何かと
よくしてもらっています。
3月に震災が起きた約一週間後に、日本の為に何か出来ることは
ないだろうかと電話をくれて、私が考えていたチャリティディナー
のアイデアを話したのがスタートでした。
「ぴったりの場所があるから聞いてみる」と言って電話を切り、
その翌日の朝には「Maryが貸してくれるって」と連絡をくれました。
まだ改装が始まったばかりの会場を見に行ったのが3月末。
そこから3ヶ月の道のりでした。
時間はたっぷりあったとはいえ、日が決定してからの期間が短く、
十分な準備ができたとはいえませんが、何とかやり遂げられたこと
に満足しています。

アイルランドから日本の為に出来ることをやりたい、という
気持ちが一つになって、いいチームが出来たことが最高でした。
当日の収益は、京都から被災地への支援を続けているNPO、
IDROJapan へ全額送らせていただきます。
ディナーの中程で、IDROJapanからのメッセージをお客様に伝え、
アイルランドからでは知り得ない、日本の被災地が置かれている
生の状況を知らせることができたのも大きな意義がありました。
当日の写真があまり無く(特に料理の写真がない・・・)紹介できないのが
残念です。

ご協力をくださった多くの方、そして当日来てくださったお客様に感謝!
最後にもう一度、ありがとうございました。
いろいろな後始末もようやくかたがつき、そろそろ普通の生活に
戻れそうです。
またブログもぼちぼち書いていきたいと思います。

e0149801_21412490.jpg

Menu 〜The Flavour of Japan〜

前菜    日本の味弁当
       ○トマトの日本酒マリネ
       ○紅白手鞠寿司(サーモン、スズキの昆布締め)
       ○だし巻き
       ○鹿肉の味噌焼き
       ○マグロの漬け
       ○海老の酒煮
       ○鴨の治部煮
       ○飛龍頭
       ○ワサビ菜のおひたし
       ○人参の林檎蜜煮
       ○枝豆の冷製おひたし
       ○大根の梅酢漬け

スープ    空豆のすり流し 豆腐クリーム添え

お口直し   柚子のシャーベット

主菜     あんこうの三種盛り 
        蒸し 紫蘇のペストソース添え
        焼き 柚子胡椒添え
        天ぷら 抹茶塩添え

デザート   抹茶のムース 洋梨のコンポート 山椒のチュイル

       緑茶e0149801_22323865.jpg
[PR]
by happytable-eire | 2011-07-04 23:59 | ・Japanese | Comments(12)

菜っ葉の炊いたん

先日からGlasnevinの Elmhurst Cottage Organicsのお野菜を
届けてもらっています。
ファームがある場所はDCU(Dublin City University)の近くで、
え?こんなところに?と思うような場所で驚きましたが、ちゃんと
育っていました。
さすがアイルランド、街中でも広い土地はたくさんあるんですね。
若いご夫婦で経営しておられますが、奥さんが日本人ということで、
日本の野菜をいろいろ作っておられるのが、特にうれしい。
鶏を飼ってオーガニックの卵も生産しておられますし、ベリー類や
林檎などの果物もいろいろ育てておられて楽しみがいっぱい。

これからしばらく夏の間は、アイルランドでも夏野菜がたくさん
収穫できますから、とても楽しみです。
私も昨年は、友人の庭で菜園をさせてもらったのですが、
今年は先方の事情と私も忙しすぎて実現しませんでした。

さて、日本の菜っ葉は希望で入れて下さるのですが、先週のには
「べか菜」という菜っ葉が入っていました。
京都ではべか菜という名前はあまりなじみがありませんでしたが、
「べか」というのは小さい、という意味だそうです。
私の記憶では、京都で「はくさい菜」と呼ばれている菜っ葉に
似ているようでます。
味も淡白でくせもアクも無く、歯ざわりも白菜に似ています。
でも独特の風味があり、和食にいい菜っ葉です。
こちらへ来て、一番飢えているのがこういう菜っ葉類。
アジア系のお店で菜っ葉を買っても、日本の菜っ葉の風味とは違い、
お浸しなどにしても、ちょっとなあと思うことが多いです。
特に京都は菜っ葉の種類が多く、私は大好きなだけに、時々
無性に欲しくなります。

e0149801_1041855.jpgさて、この菜っ葉をどうして食べようかと考えた時に、絶対これ、
と思ったのが、菜っ葉の炊いたん。
京都では何でも「炊いたん」ですが、つまり、菜っ葉の煮浸し。
菜っ葉の水気が出るので、塩辛めのお吸い物くらいのだしで、強火でさっと
煮るだけ。
柔らかさはお好みですが、私はちょっとくたっとしたくらいで火を止めます。
くたくたにはならないように、余熱も考えて早目に。
温かくても、冷たくしてもおいしい料理です。

ここにお揚げさんが入れば言うことなしですが、今日は冷凍庫にもストックがなくなっていたので、だしを取った昆布を細切りにして加えました。
だしの効いた薄めの味で、菜っ葉のおいしさを生かすのが京都風。
残った煮汁も残さずに、これもまたおいしい。
アクが強いと、一旦茹でてから炊きますが、菜っ葉の炊いたんは、
そのまま炊いてこそおいしく、アクの無い菜っ葉はありがたい。
昨年は菜園で作っていた小松菜をこうやってたくさん食べました。
小松菜もあるそうなので、また楽しみです。

先日、このファームを訪れたのは、次回のチャリティディナーに、
こちらのお野菜を使わせていただくための下見でした。
ぴりっとした辛みがあるわさび菜がこれから出てくるということで、
おひたしにしたらおいしそう。

大手のスーパーでもオーガニックの野菜は買えますが、新鮮さが
違います。
こうやって地元で育った野菜が食べられるのはうれしいこと。
これから毎週、何が届くか楽しみです。
[PR]
by happytable-eire | 2011-06-07 23:59 | ・Japanese | Comments(6)

チャリティディナー

以前、Cloghjordan(Co. Tipperary) のエコビレッジを訪れたことを
書いた時に予告しましたが、エコビレッジコミュニティの8人の
お客様が来て下さって、私の日本食を召し上がっていただく、
チャリティディナーが5月29日の夜、実現しました。

初めて日本料理を召し上がる方もいらっしゃると聞いていたので、
料理の内容は生魚や珍しい食材の料理は避けながら、和の香りを
生かすこと、器や盛りつけを美しくすることをこころがけました。
また会席式で一皿ずつお出しして、特別なおもてなしをすることで、
日本の食の美も感じていただきたいと思いました。

残念ながら、写真は席についていた友人が撮ってくれるものと
安心していたら、彼は食べるのに夢中で全然撮ってなくて、
お食事が始まる前に私が撮った先付の写真しかありません。

e0149801_819045.jpgお料理はほとんど、普段から手慣れているものにしたのですが、今回試作からスタートしたのは、豆乳と胡麻の寒天豆腐。
はじめは葛で作る胡麻豆腐を予定していたのですが、もちっとした食感よりも、つるっとした口当たりのほうが好まれるかと試作してみたらこれがうまくいきました。
普通の大豆のお豆腐でないけれど、豆腐と名のつく料理を一品加えたかったのです。
胡麻豆腐同様、胡麻の香りにわさびがよく合い、私もお気に入りの
一品になりました。さわやかで、これからの季節にぴったりです。

e0149801_7111217.jpg
プチトマトの酒マリネは湯むきしたプチトマトを日本酒につけておくだけなのですが、お酒が滲みたトマトの酸味が爽やかで、意外なおいしさ。
シェリー酒などでも美味しくできます。






ビレッジ内の食材は、天ぷらにネトル、胡麻和えにロケット、
抹茶アイスクリームにミルクと卵を使わせてもらいました。
アイスクリームは抹茶の風味を生かす為に、ミルクの割合を増やし、
あっさりめに仕上げたのですが、良質のミルクと卵のおかげで、
しっかりコクがあり、本当においしくできました。お献立はこちら

サービスはほとんど友人がやってくれたので、私は料理に専念。
お料理の説明も彼女にまかせました。お客様の中に日本人女性も
お一人おられたので、料理の説明はずいぶん助けていただきました。

食材と器具や食器ほとんど全部を持ち込むので、荷造りも大仕事。
チェックを繰り返しながら、忘れ物がないようにするのですが、
何度やってもなかなか完璧ということはありません。
京都のhappytableで料理教室やケータリングをやっていた時から、
この作業は何度やったことか分かりませんが、ミスも何度やった
ことか。
今回は、アイスクリームメーカーの一つの部品と炊飯器用のプラグを
家に置いてきてしまいました。両方とも機器が使えなかっただけで、
他の方法でカバーすることができましたが、気をつけないと。

お客様は皆さん、とても楽しんでくださって、話もはずんでいました。
お料理代もお願いしていたよりたくさんくださった方が多く、お金は
次回のチャリティイベントの収益と合わせて、被災地支援のNPOに
送らせていただきます。

今回の会席スタイルは大きなチャレンジでしたが、これも可能だと
思いました。
会席にこだわるわけではありませんが、日本の食のおもてなしの
ひとつのかたちとして、提案していきたいと思います。

お献立はこちら

(先付 ) ごまと豆乳の寒天豆腐、 プチトマトの酒マリネ

(椀物 ) 鯛しんじょとしめじの吸い物仕立
             
(向付 ) 手まり寿司 海老の椿仕立て、サーモンの柿仕立て

(焼き物) 牛肉の柚胡椒味噌焼き 

(煮物) 高野豆腐のオランダ煮 インゲン添え

(揚物) 天ぷら(かぼちゃ、アスパラガス、帆立のかき揚げ、ネトル)

(止め肴) 大根サラダ マスタードドレッシング、 ロケットの胡麻和え

(食事) 青しそごはん、赤出し味噌汁(わかめ、玉麩)、
           コールラビ漬物、ラディッシュの梅酢漬け
             
(水菓子) 抹茶アイスクリーム、 洋梨のフレーバーティーコンポート
[PR]
by happytable-eire | 2011-06-05 23:59 | ・Japanese | Comments(0)

春の味、春の香り

少し前のことになりますが・・・
先日書いたやネトルやワイルドガーリックも春の味ですが、
昨年一昨年の春にも摘んだわらびもまた、春の味。
今年は摘む機会がないままにいたのですが、ウェストコークの
兄を訪れた先々週、犬と散歩に出て道端にわらびを見つけました。
もうこんな時期ですから、ほとんど伸び過ぎていたのですが、
まだ食べられそうなのもあったので、少し摘んで帰りました。

兄は食べられることを知らなかったのですが、興味がわいたらしく、
どうやって食べるかと聞いてきました。
一番なじみがあるのは天ぷらだと思ったのですが、私も天ぷらには
したことがなかったので調べてみると、一旦茹でてから揚げても、
そのまま揚げてもいいようです。
要はどの程度苦みが残るか。
兄は結局、生のまま揚げたけれど苦みも強くなくおいしかったと
電話がありました。

e0149801_23455755.jpgそれなら、と私も初めて天ぷらにしてみました。
思ったよりは苦みがありましたが、まさにこれは春の味。
大好きなたらの芽やふきのとうの天ぷらを思い出しました。
あと、菜の花の菜っ葉の苦みも好きですが、ここにはないもの
ばかり。からし合えとか、食べたいなあ。
春は苦みを取ることが、体を目覚めさせてくれるとか。
それが自然のことなんですね。

春らしいものといえば、なんといっても桜。
意外にこちらでも桜はたくさんあるのですが、ほとんどは
色が濃いめの八重桜です。
日本のようにあっという間に散ることなく、かなり長い期間
花が咲いていて、桜や梅などバラ科の植物の花粉にアレルギーが
ある私にとっては、なかなかやっかいです。
でもアレルギーとはいえ、桜餅の葉っぱや桜の花の塩漬けの独特の
香りは、やはりなつかしい。
調べてみると、桜の花の塩漬けは八重桜で作ることがわかり、
それなら一度作ってみようと思ったのが4月の終わり頃。
こちらのHPを参考にさせていただいて、作ってみました。

e0149801_2346368.jpg近くの並木に何本かある桜の木から、手の届く範囲で七分咲きの花を少し摘ませてもらい(ごめんなさい)、花の重量の20%の塩で塩漬けにします。
今回はお試しで量が少なかったので、小型の漬け物容器を使いました。日本の100均で買ったものですが、重宝しています。
水が上がってきたら軽く絞って、白梅酢がなかったので赤梅酢と漬け汁にもう一度漬け込んで、軽く日に干してから塩をたっぷりまぶしておきます。

アレルギーがあるので、自分で試食をすることはできませんが、塩を落としてお湯を注いで桜湯にしてみたら、なんともいえない桜の香りが広がりました。
色もピンクがきれいに残っています。意外と簡単にできました。


他に春の味や香りでなつかしいのが、筍と山椒。
ちょうど今の時期、田舎の親戚の家の竹林で筍掘りをしました。
堀立ての筍を米ぬかを加えて、大きな鍋で茹でたのがなつかしい。
山椒の葉はちょうど今頃、どんどん出てくる新芽を摘んで、
筍の木の芽和えをよく作りました。
あの清涼感は、他にはない香りです。
京都の家の庭にも田舎の庭から苗を移したので、いつでも
たっぷり使えました。
でも、うちの庭のは実はつかなかったので、5月の終わり頃には
山椒の実を摘みにわざわざ田舎まで行き、刺で手を傷だらけに
しながら摘んだものです。

こうして書いてみると、私に刷り込まれている日本の春の香りは、
全部食べ物と繋がっています。
私にとってはアイルランドで3回目の春ですが、春の香りでは
まだまだ日本に軍配が上がりそうです。
[PR]
by happytable-eire | 2011-05-10 23:59 | ・Japanese | Comments(2)

アイルランドのエコヴィレッジ Cloghjodan

この週末、土曜日にはTullamoreで行なわれた東日本大震災への
チャリティイベントのお手伝いに行き、そのあとはCo. Tipperary
のCloghjordanへ行って来ました。
ここにはアイルランド初で唯一のエコヴィレッジがあり、
20年来の友人夫婦がマイホームを建設中です。
夫が彼らのキッチンのセッティングを手伝っていたので、
そこへ私も合流したわけです。

友人夫婦は昨年の夏に近くの家に引越し、建設の準備をすすめてきました。
そして2ヶ月ほど前に工事が始まり、今は内装の工事中。
あと一ヶ月もすれば入居の予定です。

私は手伝うこともないので、村を案内してもらってきました。
このエコヴィレッジは、元ファームだった土地を買い上げ、
コミュニティ内でできる限りのエネルギーや食料の自給を
目指して建設されました。

エネルギー面では、アイルランド最大規模のソーラーシステムと
産業廃棄物のウッドチップを燃料とするボイラーで温めた湯を
ヴィレッジ内のすべての家に給湯するシステムが備え付けれられています。

またコミュニティで運営する牧場、農場などでできた野菜、卵、
牛乳などが配給されます。
まだ入居が始まって間もないので、システムが完全に整うには
もう少し時間がかかるようですが、うまくまわるようになれば
理想的な環境が整っています。

e0149801_5485420.jpg友人がヴィレッジ内を案内してくれましたが、誰もが自由に使える菜園には苺や林檎、さくらんぼ、ベリー類の木がたくさんあって、収穫の時期を迎えたら、好きなだけとっていいそうです。
ちょうど林檎の花が可憐に咲いていました。
もちろん自分で野菜を育てるのも自由。本当にうらやましい環境です。

帰りにはお土産として、その牧場で取れたオーガニックの牛乳、
その牛乳から作ったリコッタチーズをたくさんいただきました。
絞りたてでパスチャライズもしていない生乳のおいしさは最高です。
飲むと体にすっと自然にしみこんでいくような気がします。
サラッとしているのに、料理に使うとしっかりした強い味が出るのも
自然な状態ならではのことなのかもしれません。

また菜園の隅っこに生えていた野生のロケット(ルッコラ)もたくさん
摘んできました。
さっと茹でて胡麻和えにしてみたら、しっかり濃い味でとっても
おいしくて驚くほどです。
生だと辛みが強すぎてサラダ向きではありませんが、茹でると
辛みが抜けて、甘みを感じるほどです。

実はこのヴィレッジで東日本大震災のチャリティイベントとして
「Japanese Meal Night」を企画しています。
まだ日は未定ですが、ヴィレッジ内の広いダイニングのお宅を
お借りして、私が作る和食を食べていただき、その収益を寄付します。
その時にはできるだけここのヴィレッジ内の新鮮な食材を使いたいと
考えています。
この野生のロケットのおひたしもメニューに加わるかも。

余談ですが、Cloghjordanからの帰り、自動車道に出るまでの途中、
Moneygallという街を通りました。
実はこの街は来月、米大統領オバマ氏の祖先の出身地ということで、
彼の訪問が予定されています。
通りに面したほとんどの家でペンキの塗り替えがされていて、
歓迎ムード一色。
イースターホリディの一日を費やしてペンキ塗りに励む人々の姿は
ほほえましいものでした。
e0149801_5472961.jpg

[PR]
by happytable-eire | 2011-04-25 23:59 | ・Japanese | Comments(4)