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愛蘭土の林檎の木の下で

granna.exblog.jp

Food in Black 2  〜Crème de Cassis〜

さて、もう一つの黒い食べ物、それはブラックカランツ。
日本語では黒すぐりと呼ばれる果実です。
このブラックカランツ、こちらでは普通に家庭の庭などで、
よく栽培されているようですが、お店で見ることは
ほとんどありません。
おそらく、とても実が柔らかいので、流通に向かないのでしょう。

実はCassisがブラックカランツを表すフランス語だと気づかず、
私の大好きなリキュールCrème de Cassisの材料だとは、
ブログBiblioCookのCaroline が書いたこの記事を読むまでは、
つながっていませんでした。
Crème de Cassis私も3年前に訪れた、フランスのブルゴーニュ地方の
名産品でもあります。
うちにも1本ありますが、どこのブランドのもボトルのデザインがおしゃれ。

この記事を見つけた時、ウェストコークの兄に送りました。
兄の家の庭にはたくさんのブラックカランツがあり、
よく自家製のジャムを作ってくれます。
でも、ホームメードのCrème de Cassisなんて素敵!
と思ったのですが、兄の家のブラックカランツは、
今年は飼っている鶏たちに全部食べられてしまったそう。

ところが私たちが滞在中に、ご近所のお友だちが、
庭で穫れたのをたくさん持ってきてくださったのです。
そしてそれをちゃっかりといただいてきました。
Food in Black 2   〜Crème de Cassis〜_e0149801_1953406.jpg


ジャムもとってもおいしいので、魅力的だったのですが、
ブラックベリーのジェリーがあるので、こちらは思い切って
Crème de Cassis作りに挑戦してみました。
作り方は簡単。
果実をつぶして、砂糖を合わせ、ブランディーも
合わせて瓶詰めするだけ。
面白いのは、ブラックカランツの葉っぱを入れておくこと。
実は葉には強烈な匂いがあるそう。
香り付けか、殺菌作用か、なぜ葉っぱを入れるのかは、
もう少し調べてみたいと思います。

一週間ほど温かい窓際に置き、葉っぱを取り出して、
またそのまま3ヶ月置きます。
その後、漉して瓶詰めしたのを後3ヶ月寝かして出来上がり。
時間はかかりますが、ほとんど手間なし。
どんなCrème de Cassisができるのか、今から楽しみです。
クリスマスにはちょっと間に合わないけれど、
来年暖かくなる頃には飲み頃を迎えるでしょう。
白ワインと合わせてキールにすれば、まさに夏にぴったりの
飲み物です。
また、色も美しいので、お菓子作りにも重宝しそう。

はじめはブランディーと混ぜずに蓋をしてしまったのですが、
もう一度レシピを見ると、よく混ぜるとあったので、
瓶の中で混ぜ合わせたらこの色。
ブラックベリーと同じく、黒といってもいい濃紫色で、
抗酸化作用の強いアントシアニンや、ビタミンCも
豊富に含まれているそう。

西洋人には黒い食べ物が奇異に映るので、海苔を嫌がる人が
いるというのを聞きますが、こういう黒は大丈夫なんですね。
実際は黒というより紫色か深紅なのでしょうけれど。

自然の恵み、ふたつの黒い食べ物を紹介しました。
体にもよくて、おいしいとなれば言うことなし。
アイルランドからのお土産に、日本ではあまり見ることのない
ブラックカランツのジャムをよく使いますが、
こうして自分で何か作ってみると、より身近に感じました。
やっぱり保存食作りは楽しい!
Food in Black 2   〜Crème de Cassis〜_e0149801_1947337.jpg


追記:
昨日、レシピ主のCalorineに会ったので、彼女に葉っぱをいれる理由を
聞いてみました。
彼女は「葉っぱの新芽を指で強くこすって匂いを嗅いだらわかる」と。
昨日の夜から再び兄のところに来ているので、ブラックカランツの新芽を
指でつまんで強くこすり、匂いを嗅いだら、うん、納得!
確かに強い清涼感のある臭いがありました。
Wikipediaにあるように、「ネコの尿を思わせる」ってことはないけれど。
この葉っぱの精油は香水などにも利用されるそう。
また、この成分は緑茶などにも含まれているそうです。
なので、殺菌とかいうことではなく、やはり香り付けのようですね。
by happytable-eire | 2013-08-30 23:59 | Preserves