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愛蘭土の林檎の木の下で

granna.exblog.jp

Food in Black 1 〜Blackberry Jelly〜

先週末はウェストコークの兄の家を訪れていました。
ファミリーのいくつかのお祝い事を組み合わせての、
パーティーでした。
と言っても、特にいつものパーティーと変わりなく、
お客様方は顔なじみの兄のお友だちが中心。
例のごとく、かなりの数のワインが空になったこともあり、
翌日曜日はどこへも出かけず、兄が最近作ったテラスで、
ブラディーマリーを片手に、おしゃべりしたり、本を読んだり、
のんびりと過ごしました。
思いがけなく太陽も顔を出し、暑いほどではないけれど、
爽やかで良い午後でした。
そして月曜日に、コーク経由で帰って来ました。

帰る前のほんの30分ほど、兄の家の前の辺りだけで、
1キロほどのブラックベリーを摘みました。
実はアイルランドへ来て5回目の夏になりますが、ちゃんと
ブラックベリー摘みをしたのは初めてのこと。
ものすごく楽しみにしていた初めての夏は、いつまで待っても
熟すことなく秋を迎えてしまい、ガッカリしたものです。
Food in Black 1 〜Blackberry Jelly〜_e0149801_7521230.jpg

その後は祖母が亡くなったことで、夏から秋にかけては
3年続けて日本にいたことや、冷夏が続いていたので、
一度もブラックベリー摘みを楽しむことはありませんでした。
今年の夏はアイルランドでは何十年ぶりという夏らしい夏を迎え、
特に7月は晴れ続きだったし、気温も30度近くまで上昇した日が
何度かあったようです。
夏らしいといっても日本の暑さとは比べ物になりませんが、
昨年の夏と比べたら大違いの、本当に良い夏でした。

野生のブラックベリーは夏に太陽を浴びないと甘みがのらないそう。
さすがに今年のは十分甘く、摘むそばから口へ放り込んでも、
これまでのように酸っぱくて顔をしかめることもありません。
熟しているのは、実がぽろっとはずれます。
ほとんど動くことなく、道端で手当り次第に摘むだけで
あっという間に、ボウルがいっぱいになりました。
そして、それをダブリンへ持ち帰ってきました。
Food in Black 1 〜Blackberry Jelly〜_e0149801_7521653.jpg

野生のブラックベリーは生で食べるとほのかに渋みもあり、
種も多くてけっこう気になるものです。
それだけに煮る方が絶対においしい。
ジャムだと種が口に残ることがあるので、ひと手間かけて
ジェリーにする方が食べやすいんですよね。
ジェリーというのは、果実ごと煮込むジャムではなく、
果実を煮てから果肉から果汁だけを絞り、砂糖を加えて
煮詰めて作ります。
ジャムより透明感があって、プルンっとした食感です。

ブラックベリー、刻んだクッキングアップル、レモン汁と水を
鍋に入れてコトコトと煮ること30分ほど。
それを目の細かい袋で時間をかけて漉すのですが、
ジェリー用の目の細かい袋を持っていないので、
目の細かいザルにペーパーを敷いて漉しました。
落ちてきた果汁600mlあたり450gの砂糖が標準量ですが、
少し控え目にして煮詰めました。
ジャム用のペクチンを添加した砂糖を使うレシピもありますが、
できるだけ添加物を加えたくないので、クッキングアップルと
レモン汁を加えて、とろみがつくのを助けます。

そしてできたのがこれ。
ほとんど真っ黒で、布の模様が瓶に映り込んでいます。
実際は濃い紫色なのですが、こうやって瓶に詰めると、
限りなく黒に近い色。
この色はアントシアニン、ワインなどに含まれるのと同じ色素で、
高い抗酸化作用を持っています。
そして苺やラズベリーなどのベリー類とはちょっと違う、
独特の香りがします。

ジェリーを作ると果肉が残るので、とてももったいない気がします。
そこでもう一度水を加えて煮てこしてみると、まだまだ
美しい色のジュースになりました。
それに砂糖を加えて煮詰めて、コーディアルも作ってみました。

ブラックベリーは、特に田舎へ行かなくても、ここでは
そこいら中に生えています。
ものすごい繁殖力なので、あっという間に広がるようです。
最近は日本でも栽培している方が増えているようですね。

さて、タイトルがFood in Black 1というからには、
まだ続きがあるんです。
実はウェストコークから持ち帰った、黒くておいしいものが
もうひとつあるんです。
それはまたこの次の記事で紹介します。お楽しみに。
Food in Black 1 〜Blackberry Jelly〜_e0149801_7521347.jpg

by happytable-eire | 2013-08-29 23:59 | Preserves