愛蘭土の林檎の木の下で

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ぬか漬け

さて、前回紹介したキャセロール容器、
どうやって使われているかというと、これ。
ズバリ、ぬか漬けです。
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わが家ではオーガニックの玄米を七分つきにして食べていると、
以前書いたことがありますが、その副産物である糠は、
約1割出るのですから、25キロの米を買うと2キロ以上の糠が
できるわけです。
糠は捨てるにももったいので、さっと炒って保存していますが、
なかなか使い切れるものではありません。
時間を置けば酸化するので、早目に使いたいところ。

先日、友人がぬか漬けにトライしたいからというので、
分けてあげたのですが、それをきっかけに、私もむくむくと
やる気がわいてきたのです。
先日、Introductory of Japanese Cookingのクラスをした時、
玄米を精米機で精米するのを見せ、糠の利用について
ぬか漬けにもふれました。
糠に含まれているビタミンが野菜にうつり、とても健康的な食品だと
話したところ、とても興味を持たれました。

これまでも日本では何度もぬか漬けには挑戦しましたが、
どうにも長続きしませんでした。
最近の暑すぎる日本の夏にぬか漬けをいい状態で保持するのは、
並大抵ではありません。
結婚当初に、夫に「このにおいだけは我慢ができない」と言われて、
泣く泣くあきらめたこともあります。
冷蔵庫に入れてみたこともありますが、漬かるのに時間がかかり、
場所も取るので、それも断念。
幸い、夫はしばらく日本なので、今はいいチャンスだったのです。

糠と同量の水に約13%の塩を溶かして、一旦沸かして冷まし、
糠とよく混ぜます。
以前、ビールを使ったこともありますが、今回は塩水で。
昆布、唐辛子、柿の皮など風味や旨味をつけるためのものと、
捨て漬けの野菜を適当に入れました。
数日間は朝晩よく混ぜ、捨て漬けの野菜も数日置きに取り替えて、
糠を糠床へと育てるわけですが、一週間たった頃の朝のことでした。
前夜に混ぜるのを忘れていたのを思い出し、手を糠にいれたところ、
ほんわりと温かかったのです。
あ、発酵していると感じた瞬間でした。
初めは変化もなく、糠のにおいしかしなかったのが、
発酵が始まったことで、独特の香りが漂い始めました。

10日目くらいになって、本漬けの野菜を漬けてみました。
胡瓜と人参、少し塩をこすりつけて揉んでから糠に埋めます。
夜に漬けて翌日昼には、すっかり漬かったぬか漬けに変身。
思わず「おいしい!」とひとりで大きな声が出ました。

それからは糠を混ぜるのも、がぜん楽しくなっています。
糠を混ぜる手にしばらく残るにおいも、なつかしさを感じます。
残念なのは、こちらの水っぽい胡瓜は、糠に漬けても
やはり水っぽい。
日本の青臭くてしゃきっとした胡瓜を漬けてみたいものです。
でも人参は抜群においしかった。

そして先日、意外な物を漬けてみたら、これがなかなかのヒット。
一週間ほど前に買って切ったみたら、まだ未熟で食べられず、
そのまま冷蔵庫に戻していたアボカドがありました。
一週間たってもそのまま。
このあと熟してもおいしくなるとはとても思えないので、
皮を剥いて半割のまま漬けてみました。
そしたらこれが、なかなか面白い味。
適度な塩気と、未熟なアボカドの青臭さに発酵の深みが加わり、
歯ごたえもいい感じです。
今日はオレンジのパプリカやラディッシュも漬けてみました。
日本のぬか漬けの定番のなすや胡瓜は、ここのではいまいちですが、
変わったものをいろいろ試してみるのも楽しいものです。

ぬか漬けの効用を調べてみたら、これまた面白い。
日本の食生活に深く関わっている酵母や乳酸菌がその主役。
酵母が独特の香ばしさや旨味を生み、乳酸菌が酸味を生みますが、
この生きた微生物が多くの酵素を持っているので、からだにも
有用に働くそうです。
その上、糠に含まれるビタミンB1が野菜に浸透することで、
生野菜よりもビタミン豊富になり、食物繊維も摂取しやすく
なるとか。

また漬物の乳酸菌は、植物素材を発酵させる植物性乳酸菌。
これって、最近は特に注目されていて、よく耳にするように
なりましたよね。
ヨーグルトなどの動物性乳酸菌よりも、植物繊維が多く
含まれていたり、人間の体内で胃酸や消化液にも負けず、
行きて腸まで届きやすいのが優れた点だそうです。
こういうことを知ると、ますますぬか漬けが熱くなってきた!
日本の食文化、すばらしいなぁ。

おいしくなぁれと念じながら、毎日しっかり混ぜて、
新鮮な空気を入れてやることが、正常な発酵を保つコツだとか。
さぁ、どこまで続くかわかりませんが、しばらくは楽しみます。
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追記
タイムリーに面白い記事を見ました。
無印良品のウェブサイトにある、「暮らしの良品研究所」
日本の漬物についてのコラムです。
小匙1杯の糠床の中には、約7億匹もの乳酸菌や酵母などが
生きているそうです。
また、女性のからだにはもともと多くの乳酸菌がついているので、
ぬか床を混ぜるのは女性の仕事というのは理にかなっているとか、
興味深いことも書いてありました。
ぜひ、合わせて読んでみてください。
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by happytable-eire | 2013-05-27 23:59 | ・Japanese | Comments(0)