愛蘭土の林檎の木の下で

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菓子パン作りから学んだこと

私がパンを焼くようになったのは中学1年生の時。
大人に混じって通い始めた、パンとお菓子の教室で習ったのが
きっかけでした。
当時は今のように製パン材料が何でもどこでも買えるような時代ではなく、
近所のベーカリーで業務用の生イーストを少しずつ分けてもらい、
強力粉といえば、大手メーカーの「カメリア」しかありませんでした。
それでも私にとってパン作りは楽しいし、おいしいし、家族も喜んで
くれるので、暇さえあれば焼いていました。

先生が教えてくださったのは、家庭で毎日できるパン作り。
できるだけ難しいと考えず、とにかく焼いてみること、何度も焼くことで
自分のからだで覚える、といったことは、今私が教える時にも
伝えようとしていることです。

ただ日本の製パン技術はその後飛躍的に発達し、家庭でパンを焼く人の
数もレベルも、昔とは比べものにならないほどです。
私も自分で勉強は続けて来たつもりでしたが、長年の間に出来上がって
しまったパン作りの概念が、堅い殻となっていたことに気づかされたのが、
今日の経験でした。

実は、ワーキングホリデービザでダブリンに来られているYさんに、
私がプロのパン作りを見せていただいたのでした。
Yさんは製パンメーカーで製造ラインを作るお仕事をされていて、
現在は1年間のお休みをもらって来られているのです。
私がパン作りを教えているのを知って、アシスタントを申し出て
くださったのですが、残念ながらそれは実現しませんでした。
もう帰国される日が近づいて来たので、その前に一緒にお昼をする
ついでに、無理をお願いしたわけです。

Yさんの会社でのお仕事の様子から見せていただき、私の希望で、
日本らしい菓子パン作りを見せていただくことになりました。
これまで料理と一緒に食べるパン作りを主にして来た私にとって、
菓子パン系は、ほとんど研究してこなかった分野。
ただ、彼女は毎日お仕事でパンを焼いておられたのですが、
ほとんどの行程で機械を使われるとのこと。
私はこちらではこねるところから手で、すべての行程が手作業。
同じパン作りとはいえ、彼女にとっては初めての手ごね。
主に冷凍パンを開発されている彼女が使われているものとは
材料も性質が違い、かなり戸惑いがあったようです。
また私も、製パン業界の専門用語や材料のことなど、初めてのこと
も多く、お互いに「へぇ〜そうなんだー」を連発する展開と
なりました。
コスト、利便性、製造ラインへの適応度など、彼女の着眼点と、
私が家庭で焼くパンとしての着眼点が違うことで、
パン作りもこうも違うものかと思うほどでした。

急なお願いだったので、あり合わせの材料でしたが、
焼き上がったパンは4種類。シンプルな粒あんパン、さつま芋と
りんごあん入でメルヘン液をかけたもの、Nutellaを中に入れて
メルヘン液、チョコチップを散らしたもの、マフィン型に入れて、
ブルーベリージャムとメルヘン液をかけたもの。
メルヘン液とは油脂入の堅めのスポンジ地のようなもので、
クッキー生地より柔らかく、昔の甘食のような食感です。
発酵終了した生地の上に絞り出して焼くと、水分の蒸発を
防ぐので生地もしっとりと焼きあがり、違う食感が重なります。
これも聞いたのも初めてで、新鮮な体験。
一つの生地でも中に入るものやデコレーションによって、
柔らかさも膨らみ方も変わり、パンの奥深さを再認識する経験と
なりました。
また、Yさんのあんを包む成型も見事で、手ほどきを受けました。
ただ、生地の完成度はYさんにとっては不満の残るものだったので、
再度トライすることになりました。
帰国前の忙しい中、また時間を取らせるのは申し訳ないのですが、
私にとってはまたとないチャンス。学ぶことがたくさんあって、
パン作りの幅がもっと広がりそうです。

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Commented by ぼのぼの at 2010-03-27 23:38 x
おじゃまさせてもらった時にいただいた、あんぱんの美味しかったこと!ほんと、何度も実際家で焼いてみないと、いつまで経ってもできませんよね~産休に入ったら、少しは時間もできるし、苦手意識をなくすためにも、挑戦しようと思います。料理本はありますが、簡単なレシピや、おすすめの本があれば、また教えて下さいね。
Commented by happytable-eire at 2010-03-28 05:35
☆ぼのぼのさん、あんパンはまだまだ試行錯誤中ですが、
少しずつつかめてきています。
最近はネットでいろいろなレシピが見られるので、
見て分かりやすいのを自分でやってみるのが一番かと
思います。
近かったら、「うちにおいで〜」って言うんですけどね。
by happytable-eire | 2010-03-24 23:59 | Baking | Comments(2)