愛蘭土の林檎の木の下で

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京の千枚漬

先週のことですが、年末年始に帰国していて、日本から戻ってきた
ばかりの友人からランチのお誘いを受けました。
日本から持ち帰ってこられたごちそうを贅沢に出してくださって、
本物の日本食を堪能させてもらいました。
魚の粕漬け、牛肉のしぐれ煮、千枚漬などが揃い、お手製の粕汁も
久しぶり。ご飯がいくらでもすすむラインナップです。

粕漬けはブリと鯛と帆立貝。しみ込んだ粕の風味が滋味深く、
それぞれのおいしさがあります。
牛肉のしぐれ煮は、彼女のお母さんが炊かれたものですが、
お肉は三嶋亭の牛肉だそうです。
三嶋亭とは京都の老舗のすき焼きのお店で、精肉も取り扱っています。
しぐれ煮もここのお肉で作ると「やっぱり」というほどおいしいそうです。
たしかにこっくりした味と生姜の風味に、口に広がる牛肉の甘みが
なんともいえません。

そして千枚漬。これは言わずと知れた京都の名品のひとつ。
京都の街では、グンと冷え込む頃になると千枚漬け用の大きな
聖護院蕪が店に並びはじめます。
皮をむいて薄くスライスした蕪を昆布や唐辛子と一緒に甘酢に漬け込む
漬け物ですが、上等の千枚漬けは上質の昆布をふんだんに使ってあるので、
昆布の旨味が効いた贅沢なお漬け物です。
それだけにお歳暮に使われることが多いんですね。

高校生の時、年末に漬け物屋さんへアルバイトに行き、蕪の皮むきを
したのを思い出します。
寒いし手は冷たいしで辛かったですが、私が皮をむいた聖護院蕪を
職人さんが見事な手さばきで薄切りにして樽につけこまれるのを
見ていたのはとても印象に残っています。
日本にいる時は、年末のお正月用の野菜セットには聖護院蕪が入って
いることが多かったので、私もそれらしきものを漬けてみました。
最近のお漬けものには化学調味料が使われていることが多いので、
自分で漬けるお漬けもののほうが自然の味でおいしいのですが、
千枚漬けはなかなかおいしいのを作ることはできませんでした。

私のお薦めの千枚漬は京都の村上重さんのもの。
千枚漬はもともとは塩漬けで乳酸発酵させたものだったそうですが、
今はほとんどが甘酢で漬けられています。
でも村上重さんのは、今でも添加物を一切使わず、昆布と塩だけで
漬けた本物の千枚漬けです。
甘酢と違って日持ちがせず、発酵が進んで味が変わるので、
食べる時々に味が違いますが、それも発酵食品であるお漬けものだからこそ。
甘酢の千枚漬に慣れていると物足りなく感じるかもしれませんが、

蕪の甘味を感じることができ、自然の甘みと酸味のバランスが素晴らしい。
西木屋町四条の本店では切り落としと言って、千枚漬の端っこやら
形が揃わなかったのをお買い得品として買うことができます。
というか、ちゃんとした千枚漬けは普段のおかずにはちょっと高すぎて、
買うのはたいていお土産やら贈答用。
そんな時に自宅用に買うには切り落としはぴったりです。
でもこれは冬だけの季節限定品。
機会があれば本物の千枚漬、ぜひ試してみてください。

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Commented by yumi at 2010-01-27 06:47 x
わー 村上重さんの千枚漬け うれしい!!本物の味。ちっちゃな袋で千円!でも一度食べたらよその千枚漬けなど食べられませんよねー。冬の間だけの楽しみ。 上等の昆布も皆食べられるからお得よね。他の季節でもいろいろと旬のお漬物おいしいし いつも帰ったら高島屋の帰りによって買います。浅漬けなどは確かに日持ちしないというのも安心。そこの角を少しまがれば 知る人ぞ知るの美味しい美味しいお揚げやさん。油抜きしなくても そのままポン酢ちょっことたらして 酒の肴に。 地元の京都人がわざわざお揚げだけでも買いに行くお豆腐屋さん。外のひとには言わないけど秘密がもれはじめたよう(私の責任)。 おからはタダでもらえます。今度覗いてみてください.。
あー、3月の里帰りまで待てない。おなか空いてきた。
Commented by happytable-eire at 2010-01-27 06:59
☆yumiさん、そうですよね〜
でも村上重さんのお漬け物も千枚漬以外はけっこう添加物が・・・

お揚げもそのまま食べられるのは、京都でもそうありませんよね。次に機会があれば行ってみます(いつになるかはわかりませんが)
Commented by yumi at 2010-01-27 07:19 x
最近は村上さんもそうなんですか。 うちは昆布入りの浅漬けしか買ったこと無いんですが 今度気をつけて 読んでみます。
息子さんの代になって大きく手を広げて変わったのでしょうね。手を広げすぎるのは良くないですね。つまるところ食べ物やであるという責任もって欲しいですよね。 数年前 近清さんという古いお漬物やさんも息子さんの代でつぶれました。 要は良い材料さえ揃えばその度に自分で作るのが一番安心ですね。お漬物って簡単ですよね 考えれば。
Commented by rire-rire-rire at 2010-01-27 11:52
我が家も京都へ行ったときは村上重さん寄ります☆
ですが、もっぱら自分でつけます。
この間は丸大根も蕪も手に入らなかったから、大根で作っちゃいました。
手仕事。大切にしたいですね。
Commented by happytable-eire at 2010-01-27 16:57
☆rire-rire-rireさん、村上重さんの味を分かっていらっしゃる方が
多いのはうれしいです。
この季節は大根や蕪がおいしいのがうらやましい〜
作りたくてもこちらではなかなかいい材料が手に入らなくって。



Commented by happytable-eire at 2010-01-27 17:04
☆yumiさん、こちらに住むアメリカ人の友人に、ちゃんと発酵
させて作る白菜の浅漬けの作り方を教えてあげたところ、
とっても喜んでいました。
ほとんど毎日食べているそうです。
もともとお漬け物ってそれぞれの家庭の味だったんですよね。

by happytable-eire | 2010-01-24 23:59 | ・Japanese | Comments(6)