愛蘭土の林檎の木の下で

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ローストチキン IN SEARCH OF PERFECTION

ローストチキンはわが家では週に一度、日曜日か月曜日に焼くのが
レギュラーになっています。
息子のランチのサンドイッチの具になるので、ごくシンプルに
塩、こしょうをして、バターかオイルをすり込んで、お腹の中に
適当にハーブやレモンを入れてオーブンに放り込む、それだけの
一番簡単なオーブン料理の一つです。
アイルランドの主婦にとればローストチキンは、日本の主婦に
とっての鶏の唐揚げくらいベーシックな料理だと思います。
でもこれも究極を求めるとなかなか深い料理でもあるのです。

英国のセレブリティシェフのひとり、Heston Blumenthale は、
ロンドン郊外の三ツ星レストラン“Fat Duck” のオーナーシェフで、
数々のテレビ出演もこなしています。
彼を知ったのは2007年の夏、アイルランドからの帰りに飛行機の中で見た
テレビでシリーズ、In Serch of Perfectionがはじめてでした。
あまりにおもしろかったので、帰ってさっそくに英国のamazonに
本を注文しました。
このシリーズは、ベーシックな料理を徹底した食材のリサーチと化学的、
物理的なアプローチによって究極の料理を作り上げるというものです。
選ばれている料理はローストチキンやフィッシュアンドチップスなど
ベーシックなものですが、家庭でこれをするには手間がかかり過ぎたり、
特殊な道具が必要だったりするのでまったく実用的ではなく、
その本はさっと目を通しただけで、日本においてきました。

そのシリーズの一つ、ローストチキンをつい最近再放送で見ました。
ちょっと刺激されて、チキンを100℃で2時間くらいかけて焼いてみたら、
肉汁がまったく出ずとてもしっとりと焼けました。それに日持ちがよい
ように思いました。
それなら一度きちんと彼の方法で焼いてみようという気になり、
初めて買ったオーガニックチキンで試してみることにしました。
まず第一のプロセスは、8%の塩水に6時間ほど漬け込み、そのあと
水にさらして塩抜きをします。
第2のプロセスは、大きな鍋にお湯を沸かし、その中へ入れて30秒。
お湯からあげたら氷水に入れて、中まで火が通るのを止めます。
これを2回繰り返すのですが、この方法は北京ダックの作り方から
ヒントを得た、皮をパリッと焼き上げるためのプロセスで、殺菌する
意味もあるそうです。
2度目の氷水からあげたら水分を拭き取って布をかぶせ、冷蔵庫で
一晩乾燥させます。
これを60℃のオーブンで4時間半焼くのが第3のプロセスです。
オーブンの設定温度を信用せず、オーブン用の温度計を使うように
言ってましたが、私は持っていないので75℃に設定し、4時間半
焼きました。焼き上がったところがこの写真です。
このあと第4のプロセスとして、皮を焼き上げるのですが、
せっかく低温長時間でじっくり火を通して最高の状態になっているのを
保ちつつ、短時間で皮をパリッとさせる為に、フライパンにオイルを
熱して焼き付けるのですが、これがうまくいきません。
何度もひっくり返し、いろんな角度で丸鶏に焼き目をつけましたが、
どうしても全体にまんべんなくというわけにはいきません。
このあと第5のプロセスがあって、鶏の手羽先をソテーして香りを移した
バターを、注射器のような道具で鶏の中に注ぎ込むのです。
この器具がないので、これはパスしましたが、第4プロセスまでは
彼の『完璧な』ローストチキンの調理法でやってみたわけです。

e0149801_246320.jpgさて、結果は・・・もちろん、おいしかったです。でも、ここまで手をかけるだけの差を感じなかった、というのが本音。
期待が大きかっただけにかなりガッカリしました。家族にも大不評。
一番大事な肉のジューシーさ、これはとてもいいのですが、何か違う。
塩水につけたので塩味は肉にしみてるけど、これも何か違う。
皮もパリッとどころか脂っぽいし、最後のバター注入を省いているので仕方ないのですが風味もイマイチ。
焼く温度や時間に関しては、いろいろ試す価値はあると感じていますが、やっぱり高温のオーブンで焼き上げるクリスピーな皮のほうが絶対おいしい。
というわけで、この究極のローストチキンはわが家ではお蔵入りとなりました。
ま、何事もやってみないとわからないわけで、一日半をかけてのいい勉強でした。
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Commented by melocoton1 at 2009-12-05 03:41
うわーっ。
Hestonのやったんですか? すごい(笑)。

あれ、番組としては面白いけど、自分では絶対出来ない、と思って眺めてます(笑)。

ローストチキン>夫の好物なので、私目をつぶってでも焼けるかも(爆)。 私も結婚して13年、最初の10年ぐらいは2週間に一回ぐらいの割合で焼いてたので、200回ぐらいでしょうか(汗)。

私はもうローストチキン、いいです(苦笑)。
Commented by happytable-eire at 2009-12-05 08:13
☆ melocotonさん、はい、やっちゃいました(笑)
でも、もう二度とやりません。
シリーズの他ので、やってみたいのがないではないけど・・・

ローストチキン、私もこの1年だけでも40回くらい?
同じことやってると飽きるところがあるので、こういう血迷った
まねもしたくなったのでしょう。もう血迷いませ〜ん。
Commented by yumi at 2009-12-05 22:01 x
ごくろうさま チキン一羽にすごい労力! 彼の北京ダック編みたことがありますが 化学実験のようで 料理のたのしみが無いなーというのがわたしの印象でした。’ためしてガッテン’の方がうんと為になる。 
わたしも色々とジューシーに焼けるように試みましたが おちついてるのは 塩こしょうして冷蔵庫に裸でしばらくおいて 皮の水分を飛ばし ローストするとき網にのせて3分の2の時間 胸を下にして焼くと胸肉に肉汁がおちてとてもしっとりとします。七面鳥のときも 網の下のトレイに ワインと水をいれてはじめ蒸し焼きのようにすると うんとしっとり。最後にひっくりかえして かりっと焼き上げます。
Commented by kanakina at 2009-12-05 22:49
日本ではあまり馴染みがないのでローストチキンって憧れます(>_<)
それにしても手間のかかる工程に挑戦、すごいですね。結果は残念だったけど、やってみないと分からないこともありますもんね:)
Commented by ninuckey2 at 2009-12-06 07:08
お疲れさまでした!
”ローストはオットに丸投げ派”のワタクシには、
とても真似できるもんじゃぁござんせん。
頭が下がります<m(__)m>

こういう料理法の、気に入った良い所だけを
ピックアップしてアレンジってのもアリ・・・かな?^^
Commented by happytable-eire at 2009-12-06 07:46
☆ yumiさん、たしかに「ためしてガッテン」のほうが実用的です。
七面鳥の焼き方、私もやってみます。
やっぱり最後は皮をパリッと焼き上げたいですね。

Commented by happytable-eire at 2009-12-06 07:48
☆ kanakinaさん、ありがとうございます。
そう、何でもやってみないと分からない!
それが料理の楽しみでもあります。
ローストチキンって、難しく考えずにオーブンに放りこめば
とりあえず食べられるような料理ですよ。
Commented by happytable-eire at 2009-12-06 07:50
☆ninuckeyちゃん、どうどうも。
そうなんです、この低温長時間でのローストはありだと
思います。また試行錯誤してみます。
Commented by yuriko at 2009-12-06 22:03 x
挑戦したのに味が今一歩とは、本当にお疲れ様でした。
でも丸ごとローストチキンすごいですねぇ
うちの長男には見せられない!
肉料理は鶏肉が一番で
皮のパリパリも好きです。
写真を見たら自分でお肉を買ってきて作ってしまうかも!!
Commented by happytable-eire at 2009-12-07 09:21
☆yurikoさん、ありがとうございます。
息子さんに作らせる、それいいじゃないですか〜
好きなら絶対においしいのが焼けますよ。
Commented by yuka-729 at 2009-12-07 13:17
数年前に一度、バーベキューをした時にダッチオーブンでローストチキンを作ったことがあります。腹の中にお米と香味野菜などを色々とまぜたものを詰め込みました。鍋のふたの上にも炭を置き、上と下から加熱するのですが、皮に焦げ目がつくまで2時間ほどかかりました。鍋底にたまった肉汁にトマトの缶詰を混ぜて煮詰めてソースを作りました。2時間じっくりかけて焼いたため、肉は骨から容易に外れるほどとろとろになっていてとっても美味しく、皆に大好評でしたよ。
Commented by happytable-eire at 2009-12-08 09:48
☆yukaさん、ダッチオーブンは私も興味がある道具です。
上下から熱を加えて、じわじわと全体から熱が入るので、
理想的ですよね。
シンプルな料理も奥が深くって、料理は楽しい!

Commented by jos at 2009-12-08 22:10 x
今もあるのかわかりませんがアメリカにケニーロジャースのやっているローストチキンのレストランがあります。そこに行くとみんながローストチキンばかり食べています。
そこのは、たぶんアメリカ何で調味料の入ったスパイス塩を刷り込み低温(120度)のスチームオーブンで火を通し暖炉を模したオーブンで焼き色をつけてます。ギリシアのアテネに支店がありそこで食べたんだけどシットリとして美味しかったです。ギリシャ料理gあまずかったのもあるけれど。
クリスマスにローストチキンを山盛りやかなくてはいけなくプレッシャーを感じていますがスモークハウスを上手に使えばいいとわかりました。ヒントになりました。ありがとう
Commented by happytable-eire at 2009-12-09 10:16
☆ josさん、スモークハウスがどういう構造なのかはわからない
けど、いいヒントになったのならよかったです。
私も120℃のスチームで焼くというのを試してみます。
こちらこそ、ありがとう。
by happytable-eire | 2009-12-03 23:59 | recipes | Comments(14)