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妹が持ってきてくれたはずなのに、しばらく見つからなかった
生讃岐うどん。 棚の中から何気なく、ひょっこり出てきました。 麺好きの私ですが、こちらに来て以来、うどんといえば乾麺。 生うどんとは食感が違います。 もちろん生といっても日持ちのするタイプなので、ホントの 生とは違いますが、このもちっとした食感は、乾麺では絶対に 味わえません。 昨日からちょっと風邪気で、あたたまりたかったのもあって、 お昼に温かいおうどんにしました。 京都の人は何にでも「お」をつけるので、私にとっても 「うどん」より「おうどん」のほうが、しっくりします。 関西の人にしか分からないと思いますが、「お」がつくと 「うどん」のイントネーションが変わって、なんだか やわらか〜くなります。 一時、讃岐うどんが大流行りしましたが、京都のおうどんは 柔くていいんです。 とっておきの冷凍している煮干しと、鰹節とさば節の混合節を、 じっくり煮出して、おいしいだしを取りました。 上品すぎる鰹だしより、煮干しとかさば節を使ったコクのある だしの方が、おうどんには合うと思います。 夏にはこちらを留守にするので、使いかけの食材や乾物を できるだけ使い切りたいのもあり、ちょっと贅沢に、 たっぷり使いました。 具は乾燥の岩のりと、ネギにおろし生姜を少々。 出汁の味で、あっさりといただきました。 京都のおうどんのお汁は、だしをしっかり効かせて、 薄口醤油で、色の薄いのが特徴。 私は塩気はしっかり、甘みの少ないお汁が好きです。 砂糖は入れずに、これもとっておきの三河みりんをちょろっと 加えると、まろやかな甘さが出て、味がグンと変わります。 意外に思われるかもしれませんが、京都という町は 職人と商売人が多く、お昼は忙しくて食事の準備に 手がかけられないので、手軽に食べられるうどんやパンの 粉食文化が発達したのだとか。 私が子どもの頃は、近所のお豆腐屋さんで茹でうどんも 売っていて、よくお使いに行かされました。 おばちゃんがおうどんをお箸で器用にひと玉ずつ取って、 白い油紙に包んでくれたのがなつかしい。 また、そこら中に小さなおうどんやさんがあって、 お昼ともなるとご近所への出前で忙しくしておられました。 私の育った西陣の町も、機織り屋さんや商売の家が多く、 実家も着物関係の商売をしていたので、お昼にはしょっちゅう おうどんの出前を頼んでいたものです。 蕎麦の専門店でない限り、麺類すべて出してるお店でも、 京都では「おうどん屋さん」と呼びますね。 子どもの頃の私の好物は卵とじとしっぽく。 京風のしっぽくうどんは、椎茸の甘煮と板麩、かまぼこ、 三つ葉がのってましたが、今から思うと、子どもにしては えらく渋い好みです。 甘めに煮付けたお揚げさんは苦手でしたが、うちの近所の おうどんやさんのきつねうどんは、お揚げが刻みで、 あまり甘くなくて、それも好きでした。 きつねうどんをあんでとじた、たぬきうどんは母の好物でした。 ちょっとノスタルジックになってしまいましたが、 おうどんというのは京都の人の暮らしに欠かせませんでした。 そういう町のおうどん屋さんは、どんどん姿を消し、 京都の家の近くに今も残っているお店は、地元の人より、 観光客でにぎわっています。 お蕎麦の方が好きな時期もありましたが、私もやっぱり今は おうどんの方を選びます。 久しぶりに食べた「おうどん」、あー満足。 ![]()
塩麹の試行錯誤は続いています。
これまでは、肉にしても魚にしても、切り身で漬けていたのですが、 今回はビーフの塊肉を漬けてみました。 Housekeeper’s Cut と呼ばれる肩肉の部位。 キロ当り10ユーロほどと、その名の通りとてもリーズナブル。 少し堅い筋が入っていますが、ローストにも、切って使うことも あります。 先日はお買い得商品だったので、750gほどの塊で6ユーロくらい。 塩麹大さじ1程度をすり込んで、ジップロックに入れて、 しっかり空気を抜いて漬けること3日。 肉に対して塩麹の量は、敢えてかなり少なめにしています。 塩麹の量が多かったり、漬け込み時間が長くなると、粕漬けの ような風味が出ることがありますが、このローストビーフは、 そういう和の風味を出したくなかったから。 でも肉を柔らかくしたいので、漬け込む時間はじっくり取りました。 香味野菜なども一緒に漬け込んでもいいかもしれませんが、 今回はストレートにお肉の味をチェックしたかったのでシンプルに。 塩麹はきれいに拭き取って、もう一度塩とブラックペッパーをして、 フライパンでこんがり焼き目をつけてからオーブンへ。 150℃と低めの温度で焼きました。 トータルで小一時間くらいだったかな。 この頃は温度計で肉の温度を測って、焼き具合を判断するように しています ミディアム〜ミディアムレアに仕上げたかったので、60℃を越えた くらいでオーブンから出して休ませました。 そして切ってみたら、こういう感じに仕上りました。 ![]() 驚いたのはその柔らかさとジューシーさ。 塩分も全体に適度に入って、口溶けのいいこと。 フライパンで焼いた時に、発酵から来る甘い香りがわりと 出ていましたが、まったく気になることなし。 ほんの少量の塩麹で、ここまで柔らかくなるとは・・・ おそらく、これまで私が作ったローストビーフの中でも、 最高の出来だったと思います。 低温で焼いたので肉汁もほとんど出ず、グレービーは少ししか 作れませんでしたが、ホースラディッシュを添えるだけで十分。 最近はお肉を食べる量が減っていますが、おいしさについつい、 食べ過ぎてしまいました。 残ったお肉は、当然、翌日のランチのサンドイッチに。 ああ、贅沢。 アイルランドの上質の牛肉と、日本の食文化の融合です。 上質といっても、スーパーの安いお肉。 でも、まったくそんなことを感じさせない上等ローストビーフに なりました。 塩麹、恐るべし! ※塩麹の働きについては以前の記事をご覧下さい
アイルランドは昨日からひどいお天気です。
昨日はGael force windと呼ばれる強風がビュビュー吹いてたし、 雨は横殴り。気温もぐっと下がったような気がします。 来週前半にかけての週間予報も毎日雨マーク入り。 グンと日が長くなって、最近は9時頃まで外が明るく、 夏の到来を感じ始めていただけに、この寒さはこたえます。 昨日なんて、昼間もラジエーターを入れてしまいました。 今日も外へ出る気にもならないお天気でしたが、 夕食用の食材が何もなかったので、仕方なく一番近くの スーパーまで買い物に行きました。 特に何の予定もなく、売り場をぶらぶら、精肉のコーナーへ。 そこでシチュー用の骨付きのラムのぶつ切りが目につき、 アイリッシュシチューに決定。 うちには、ちょっと芽がでかかっているじゃがいもと、 人参もたくさんあるので、ラムさえ買えばOK。 春とはいえ、こんなお天気の日には、からだが温まるものが 食べたくなりますから。 家へ帰ってすぐに、キャセロールでラムをさっと炒め、 水を加えてコトコト煮始めます。 その間に玉ねぎ、リーク、セロリ、人参、じゃがいもを 適当な大きさに切ります。 ラムから出てくるアクをきれいにすくって、あとは野菜を 適当に重ね入れますが、じゃがいもは一番上に置きました。 じゃがいもはわざとに大きさを揃えずに切っておくと、 小さいのが煮くずれて適度にスープに濃度をつけてくれて、 ごろんと大きめのはちゃんと形が残ります。 形を残すのは時間差をつけて加えてもいいのですが、 このやり方だと、ほおっておいても大丈夫。 あとは月桂樹、ローズマリーのブーケガルニと塩だけ。 ラムがほろっとするくらいまで煮たら出来上がりです。 ![]() 今日はラムが骨付きだったので、ストックではなく、 水だけで煮ましたが、それでも十分な旨味が出ていました。 また、野菜もいろいろ加えたので、じゃがいもを少なめにして、 さらっと軽めの仕上がり。 ちょっと春らしいアイリッシュシチュウとなりました。 そして、先日からなかなか使えなくて、ちょっとしなびかけて しまったルバーブでクランブルを作りました。 クランブルは、使うフルーツによって水分が出過ぎると、 せっかくのクランブルがカリッとせず、ベッタリねっちょり してしまいます。 シンプルなプディングですが、甘みと酸味のバランスがよく、 クランブルがカリッとして、本当においしいクランブルって、 意外に難しいものです。 特にルバーブのクランブルは、酸っぱすぎたり、水分が出て ベッタリしまいがち。 そこで今日は、ちょっと一工夫。焼く前にフライパンにバターを溶かし、砂糖を加えてキャラメルになったところへルバーブを加えて先に火を通し、水分を調整しておこうと思いました。 冷凍庫にあったレッドカランツと、オレンジの皮のすりおろしも加えましたが、適度な水分で調整の必要なし。 ベーキングディッシュに入れて、クランブルをのせて、おいしそうな焼き色になるまで、30分ほど焼き上げます。 クランブルの小麦粉を半分、オートミールにしてみたら、 いい感じの歯ざわりになりました。 たまたま残っていたアイスクリームがハーゲンダッツのBayleys フレーバーだったのですが、キャラメル風味に仕上げたルバーブとの相性がVery GOOD。 アイリッシュシチュウにソーダブレッドを添えなかったので、 ちょっと物足りなかったお腹に、いい具合におさまりました。 シチュウにクランブル、両方とも寒い時によく食べられる お料理ですが、今日のお天気にはぴったり。 でも、もうこんなお天気が続かないことを祈ります。
アイルランドでおいしくて安く手に入る食材は数々ありますが、
鮭はその代表格だと思います。 ところが切り身で買うとけっこう高く、日本のほうが安いかも。 以前、ケータリングで使う時に、下ろす手間を省くために 切り身で量ってもらったら、半身分くらいなのに一匹丸ごと買うより 高いということがありました。 これは鶏でも同じで、丸ごとは安いけど、胸肉などはめちゃくちゃ高い。 でも、鮭一匹丸ごと買うとかなりの量になるし、大きいのだと うちのオーブンに入らないので、鶏のように丸ごと焼くのが 簡単ではありません。 そういうわけで、鮭を丸ごと買うのは、大人数の料理をする時に 限られます。 先日、友人と魚屋さんへ行った時、その日は鮭が特にお買い得で、 小ぶりでしたが一匹9.95ユーロ。 そこで友人と半身ずつ分けることにしました。 うちへ帰ってさばき、片身ずつ取って、頭とアラは私がもらって、 だしをとりました。 頭を半分に割り、アラとともに軽く塩をしてしばらく置き、骨のきわに ついている血を丁寧に洗って、水に入れてことこと炊くこと30分ほど。 料理によっては昆布も加えますが、その日はなしで。 しばらくすると、魚のいい香りがしてきて、魚の脂も出てきて、 おいしいだしがとれます。 半分はその日の夕食のパエリアを炊く時に使い、残りは翌日 石狩鍋風のお味噌汁にしました。 玉ねぎ、じゃがいも、人参、キャベツ、リーク、しいたけなど、 野菜をたっぷり、やや大きめに切ってたき、味噌を溶いてから、 小さく切った鮭の切り身とネギの薄切りもたっぷり加えます。 最後にお好みで山椒も。 石狩鍋ならバターも欠かせませんが、これもお好みで。 北海道の郷土料理だけあって、とっても温まるんですよね。 石狩鍋はこの冬のわが家のヒット料理でした。 そして身は切り身にして、塩麹に漬けました。秋頃から凝り出した塩麹漬けですが、初めて鮭を漬けた時は、ちょっと驚いてしまいました。 身が柔らかくほろっとほぐれて、ふんわり優しい塩加減がよく、いい甘みも出ていて、塩鮭よりずっと旨味があります。 また塩鮭は塩がきつすぎると、身が堅くしまってしまいますが、塩麹漬けはそれもありません。 麹のパワー恐るべし、です。 いい加減に漬かったところで冷凍しておけば、保存もききます。 その時々の塩麹の量にもよりますが、私は2〜3日おいて、しっかり甘みが出た方が好みです。 これは2日後に焼いたもの。ちょっとした焦げ目も香ばしく、ご飯にとても合うおかずです。 さらに、だしを取ったあとのあらについている身も捨てられません。 ここまでするには手間もかかりますが、どうにももったいなくて・・・ 丁寧に骨から身を外して、小骨もできるだけきれいに取って、 鍋で炒りつけてそぼろにします。 塩と砂糖をほんの少しだけ加えて、甘くないそぼろです。 寿司飯に散らせば、ばら寿司も簡単。 ご飯に混ぜ込んでおにぎりにするなら、塩だけでもいいですね。 手間はかかっても、これだけ使えれば、超お買い得な食材です。 鮭は身だけでなく、卵はイクラとして、内蔵もめふんや塩辛として、 また頭の軟骨は氷頭(ひず)としてなますなどに利用されます。 氷頭はどうも食感が好きになりませんが、塩辛も珍味だし、 イクラは大好き。(あー久しぶりにイクラ丼が食べたい!) またパリッと焼けた皮もおいしいですよね。 北海道のアイヌの博物館では、鮭の皮で作った靴や衣服を見ました。 本当に捨てるところがないほど利用されていたんですね。 さて、これだけ使える鮭、丸ごと買ってみる?
妹たちが帰って、もう3週間余りたちますが、日本から
持ってきてくれたお土産を、今もぼちぼち楽しんでいます。 今回は私が注文していた大きな荷物も持ってきてもらったので、 食材に関して少なかったのですが・・・ 一番うれしかったのは、京都は丹後、宮津の半島の棚田で 無農薬栽培されている、なかしま農園さんのお米。 5キロも持って来てくれましたが、あまりにもおいしくて、 妹たちが帰るまでにほとんどなくなってしまいました。 ここのお米は私がこれまで食べたお米の中でも、最高品質だと 思っています。 何も知らずに食べた息子が一口食べて「なに、これ!うまい!」と 思わず声が出たほど。 やっぱり日本人、おいしいご飯を食べると、幸せになりますね。 生うどんに生そば。これは麺好きの私にとっては、たまりません。 ここでは自分で打たない限り、生麺は手に入らないですからね。 『正麺』という話題のインスタントラーメンは妹のおすすめ。 普通のインスタントの乾麺なのに、茹でるとかなり生麺に近い食感。 スープの化学調味料が、私にはきつすぎましたが、麺はかなり おいしいです。 また、和菓子と地元の小さなおかき屋さん、関長栄堂さんのおかき。 ここのおかきは本当に上品で、いかにも京おかき、という感じ。 あとは私のリクエスト、抹茶の生チョコもありました。こちらに来る前に初めて食べた時、抹茶の生チョコなんて どうせ京都らしさを売るためだけで、大したことないだろう、 と思っていたのに、「おっ、いけるやん」って感心したのを 急に思い出し、食べたくなりました。 京都の『ジュヴァンセル』のを買ってきてくれたのですが、 前に食べたのの方が口溶けがよくておいしかったなあ。 あれ、どこのだったか憶えてなくて・・・ お茶の専門店が作ってて、京都のデパ地下で、一箱千円くらいで、 値段も手頃な割においしかった、という、ええ加減な記憶ですが、 どなたかご存知ありませんか? 抹茶の生チョコはホワイトチョコのガナッシュに抹茶を加えて ありますが、最後にほんわりと残る抹茶のほろ苦さと香りの残る あと口が魅力です。 抹茶を使うお菓子は、抹茶の量が少なかったり、甘みとの バランスが悪いと、色がついてるだけで何の味だかわからないし、 また多すぎると、苦みが強く残ります。 こちらへ来て、抹茶をお菓子に使うことが多くなりましたが、 全体のバランスがいいと、甘みの中のほんのりとした苦みと 爽やかな香りが、独特の和のイメージを醸してくれます。 また美しい緑色も大きな魅力。着色料並みに他にはない色を つけてくれます。 こうして写真を撮っても、絵になりますよね。 日本からのお土産は本当にありがたいです。 実は戸棚の奥には、とっておきのミニサイズのとらやの羊羹が 隠してあります。 どうしても和菓子が食べたい時にそっと出してきます。 とらやの羊羹は、糖分が高くしっかり練ってあるので、 消費期限が一年と長いのが魅力。 いざという時のための非常食のように、海外在住日本人に おすすめの一品です。 追記: 私が以前食べておいしかった抹茶の生チョコは、宇治の「伊藤久右衛門」 の商品ではないかと、お知らせ下さった方がありました。 確認したところ、そのような感じがします。 また京都へ帰った折に、買って確かめたいと思います。 ありがとうございました。
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